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上野鈴本演芸場 令和二年十一月中席 夜の部 11月15日 [落語]

上野鈴本演芸場 令和二年十一月中席 夜の部 11月15日
於:鈴本演芸場

三遊亭ふう丈『電気家族』
翁家勝丸 太神楽
古今亭菊之丞『長短』
古今亭駒治『ダルク』
立花家橘之助 浮世節
桃月庵白酒『つる』
橘家文蔵『のめる』
ダーク広和 奇術
入船亭扇辰『お血脈』
ペペ桜井 ギター漫談
三遊亭天どん『不動坊』

今日もいい天気なのでどこかに出かけたかったが、なんだかんだで午前中は潰れるし野球見たり図書館行ったり買い出し行くだけでほぼ休日が終わる。
鈴本で天どん師がトリだったことを思い出し、上野まで。鈴本はバイクで行けば近いんだけど、周りにバイク停められるところが全然ない。駐禁切られるのもイヤだし、定期があるので電車で向かう。

天どん師がトリの芝居だと新作派の人がズラッと並ぶことが多いのだが、今回はそういうわけでもなさそう。というか特に今日は百栄師の代演で文蔵師が入っているので古典、しかも名手と呼ばれる人が多数入っている。あれ、これ結構お得な顔付なのでは? いつもだとお友だち枠なのかよく入っている一之輔師がいないけれども。

菊之丞師、関西人の長さんと江戸っ子の短七っつぁんの組み合わせ。
長さんが短七っつぁんが喫んだタバコの数を三十何服めまでも数えているというのがすごい。……っていうかコレもはや軽度のアレっぽいような……。

駒治師は弘前に営業に行った思い出話をマクラに。
噺は鉄道中毒のあまり電車の車両を盗んだ男が登場する更生施設が舞台の短いもの。あまり印象に残らず。

橘之助先生、相変わらずおきれいで。すごいよなあ。
「(木戸銭の)三千円じゃこんな芸者呼べないわよぉ~ん」。でしょうねえ。
修行時代におじいちゃんたちからセクハラを受けていた話をほのぼのとした笑いに変えている。

白酒師、「天どんさんがトリなんでね、……まあちゃんとしたところは扇辰兄貴がなんとかしてくれるだろうから、自分は好きなように」と話す。以前天どん師が「僕がトリのときはみんな自由にやっていいって思ってる」とこぼしていたが、なんだろうこの微妙に流れるユルい空気。これも天どん師の人柄か。
ご隠居のところに来た八っつぁんは、床屋でじゃんけんで負けたためにいやいやきたという。それをご隠居の前でホントに嫌そうに吐き捨てながら語るのがおかしい。
鶴の由来の話をした後、照れ隠しで言葉にならない声をずっとあげているのもなんとも楽しい。

連日の文蔵師、建具屋の半公を結構なヒールに仕立てている。
ご隠居から醤油樽の知恵を授かったときに「あ、言う! コレ言う!」と手を叩きながら指をさすのは兼好師と同じ。あまり他の人では見たことがないが、誰の型なんだろう。

ダーク広和先生、四つ玉やロープマジックをメインに。
本人も地味といっているとおり、確かに派手さはない。けど全然タネわからない。すごい。
四つ玉のときの指さばきの滑らかさもすごい。語彙力。

扇辰師、白酒師の予想通りキッチリとした古典を。
ケレン味たっぷりのクサさがまたたまらない。

天どん師、『不動坊』に入ったとわかったときから「あ、これ絶対面白いヤツだ」と確信。
吉公のちょっとサイコっぽいところとか、モテない3人組のドタバタとかを天どん師がやったらそんなの絶対面白いに決まってる。
予想通り吉公のはしゃぎっぷりとかが程よく気持ち悪くておかしい。おたきさんと初めて会ったのが、はばかりに入っていたらそこに引っ越しの挨拶にきたとかで、なんでそんな設定にしたの? というかその描写いる!? と思うが、そういうちょっとしたくすぐりがたまらない。
だがやはり屋根の上の男たちのやり取りが最高。屋根の上で怒鳴り合い、取っ組み合いの喧嘩を始め、天どん師も高座の上でゴロゴロと転がる。この大騒ぎを吉公は「屋根の上がすっごいうるさい」だけで済ませてしまうのがまたシュール。

久しぶりの鈴本を満喫しました。
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