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第八十二回 一蔵ひとりの会 [落語]

第八十二回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『一目上がり』『不動坊』『火事息子』

今日はほぼ1日グータラして過ごす。天気いいのにもったいないが、何かしようという気が起きないのだから仕方ない。

一席め、毎年地元の地域寄席で出るのだが、最近は主催者も慣れてきて高座作りも適当になってきているという。噺の最中に動きを入れると高座が徐々に動き始めたという。机を並べて高座にしたのだが、キャスターのストッパーを留め忘れていたらしい。それに気づいた主催者たちが4人、高座の四隅で柱を押さえ始めたという。打ち上げでは主催者に「高座が滑っちゃってすみませーん! スベるのは高座だけでいいのにねー!」と言われたらしく。「うるせえよ!」とのこと。まあそらそうだ。
そういう地域寄席などでは年明けに「おめでたい噺を演ってくれ」とリクエストがあるそうだが、実はそんなにおめでたい噺というのはないという。あってもおめでたさの方を目立たせるためか笑いが少ないという。「まあこのお客さんですので」とよくわからない理由をいいながら噺に入る。
前座噺で聴くときは時間の都合かだいたい『道灌』と同じで隠居の道楽の違いによって噺が分岐していくのだが、今日の一蔵さんのは普請道楽のご隠居に八っつぁんが訪ねていくところから始まる。
半年かけてようやく完成した茶室を見せたくてたまらないご隠居が羊羹や天丼を餌に八っつぁんを茶室に招き入れ、そこから掛け軸のくだりに入っていく。
賛と詩が違うといわれた八っつぁんが悩みながら「!」と気づいたときの仕草がものすごく大げさでそれが面白い。そしてその結論が「サイコロの目か!」というのもおかしい。
さらに予想を裏切られて悟になったときに「一目っつ上がっていくのか!」と気づいたときの仕草もさらに大げさになっていてそれも面白い。

二席め、昨日今日とセンター試験だったが、下の娘さんがセンター試験を受けていたという。というか一蔵さんの鉄板マクラの「塾の先生の田柄高校評」というのは確か上の娘さんが「田柄高校を受けたい」といったときのエピソードのはずなのだが。てことはそこから4年以上経ってるってこと? はー人の子供の成長は早いとはよくいったもんだ。
マクラになりそうなことはないかといろいろ聞いてみたそうだが、出来が悪いと泣きじゃくる娘さんからはほとんど何も聞き出せなかったそうで。
噺に入ると吉さんが他の人よりもやややさぐれている感じでいかにも一蔵さんっぽい。
その分モテない三人組のちんどん屋の万さんは吉さんとおたきさんの結婚を祝おうとするほどなんだかいい人。屋根の上で漉き紙屋の徳さんとの喧嘩の場面もなんだか女々しくねちっこくてそれがおかしい。

三席め、大旦那はいい人なんだろうけどなかなか強権的で現代的に言えばややパワハラ型。
そんな前時代型の旦那と番頭さんとのやりとりがおかしく、臥煙になった若旦那とのやりとりが聴き応えがある。
タグ:春風亭一蔵
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