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第八十一回 一蔵ひとりの会 スペシャル [落語]

第八十一回 一蔵ひとりの会 スペシャル
於:池袋演芸場

春風亭いっ休『桃太郎』
春風亭一蔵『短命』
春風亭一蔵『ふぐ鍋』
アサダ二世 奇術
春風亭一蔵『御神酒徳利』

世の中を呪いながら今年最後の休日出勤。
半端なところながらも決めた時間に会社を出て池袋演芸場に向かう。
会社から池袋向かう路線乗るの久しぶりだなー。

いっ休さん、確か学生時代に落研で学生選手権の転失気杯でいいところまで行ったんじゃなかったっけ。
廣瀬和生氏がポッドキャストで「あの人がいつの間にか一之輔さんの前座になっていて驚いた」みたいなこと言ってたような。
それも納得の落ち着いて流暢な話しぶり。
一蔵さんによれば京大にストレートで入ったそうで。「大学で一留したそうだけど、その理由が『卒論の題材であるナメクジが卒書く前に全部死んでしまったから』だって。頭いいのか悪いのか」。多分頭良すぎて周りがついていけないパターンなんだろう。多分。

一蔵さんの一席め、今日は競艇ファンには大事な日なんだとか。賞金王決定戦がナイターであるらしく、その出走が20時40分。「だから今日は8時半までには終わらせます!」。
そのまま今日出走するメンバーについてやレース展開について真剣に語るのだが、もちろん私を含めほとんどの人が理解できていない。何人かは頷いていたみたいだけど。「……興味ないですか。このまま2時間話し続けられるのに」。
ようやく短命の訳を察した熊さんの「ああ〜、これ?」といいながら行う仕草が下品でおかしい。

二席め、大阪へ行った時にふぐの店に行くことがあるそうで、そこはふぐ刺しとふぐ鍋しかないそうだ。ふぐ刺しも量が多く、一人前でも他の店の二人前くらいの量があるとか。気取りのない店で、酒の熱燗もずっと熱湯の中で温められているような状態で、「どれだけアルコールが飛んでるんだろう」とのこと。店の名前は落語ファンが聞いたら忘れられないもので、『牛ほめ』とか『錦の袈裟』とかに出てくる主人公の名前なのだそうだ。
幇間の一八のヨイショぶりは相変わらず達者。他の旦那のお供で旅に出ていた、とのことだが、出てくる地名がどうやら競艇場がある街ばかりのようで、その不自然な地名のラインナップに笑いが起きる。
旦那と一八の食べろ食べないのやりとりのドタバタ加減がいかにも一蔵さんらしい。

アサダ二世先生、つかみの「いらっしゃ〜い」で会場を沸かせる。
いつものように奇術に入るまでが長いが、その引っ張り振りを堪能する。
今日は「今日はちゃんとやります」の言葉通り、一度奇術を始めたらあまり脱線せずに奇術を続ける。
「……あれー?」という声はわざとだとはわかっているけど、たまに本当に途中でやめたりするから油断できない。その微妙な緊張感も楽しい。

一蔵さんの三席め、「年末らしい長めの噺を」というので『文七元結』かとも思ったが、先日は小辰さんとリレーした『御神酒徳利』。
先日は一蔵さんが前半を担当していたが、今日はひとりで通しで話す。
徳利を見つけた後に宴席で調子に乗った善六さんが、呼んでいた芸者相手に算盤占いをして「無駄遣いするな!」と旦那に叱られるのがおかしい。
後半部分も先日の小辰さんがやった内容とほぼ同じ。もちろん話し方とかは違うが。おそらく小辰さんが一蔵さんのやり方に寄せていたのだろう。
「断食したってわかるわけねえんだ! わかったことといえば『断食すると腹が減る』ってことばかり」というのはやはり一蔵さんの方が説得力がある。
そういえばこの噺ってお稲荷さまが「観音像を崇めよ」ってお告げをしてるんだな。やっぱり昔は今よりも神仏混淆してたんだろうなあ。

予告通り8時20分には終演。お見送りしてちょうどいい時間に出走ですな。プロだなー。
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