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扇辰日和VOL.71 [落語]

扇辰日和VOL.71
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭扇ぢろ『寿限無』
柳家あお馬『鈴ヶ森』
入船亭扇辰『お文さま』
橘家文吾『書家政談』
入船亭扇辰『化け物使い』

あーーー巨人交流戦優勝逃したーーー!
いやわかってるんだ、今年の菅野は序盤で大量失点するんだって。だからある意味予想通りではあったんだけど、あったんだけど、……うーん。いやまあここ数年の成績からするとここまでやってるだけで満足すべきなのかもしれないけど! 人間の欲ってすごいね。あー面白くね。

日曜の夜の会に行くのは気が進まないというか、明日からの仕事のプレッシャーであまり外に出たくないんだけど、ネタ出ししてる噺は聴いたことないし、辰ぢろって誰!? と思ったら新しいお弟子さんらしいし。

昼にビール呑んじゃったし雨も降りそうなので今日も電車で。

辰ぢろさん、四番弟子と自己紹介。てことははい辰さんはまだ続けてるのかな。それにしては全然目にしないんだよなあ……。
これまでのお弟子さんと同じく初高座は『寿限無』。小辰さんによれば扇辰一門は全員これなんだそうな。
とはいえ扇辰師によるとすでにもう少し小さな会で初高座は済ませたそうで、今日は3回めなんだとか。とはいえこの人数の前では初だそうだ。
高座に上ってお辞儀をするときの目に決意があるように見える。多分。
やや固いところはあるものの、大きなミスもなく無事に終える。言い立ての息継ぎのタイミングが難しそう。頑張れ。

今日は三K辰文舎の方々のお弟子さんが揃い踏み。
あお馬さん、とある若手真打の先輩からカードゲームのお誘いを受けて人狼ゲームをしに行ったところ、そこに小せん師がきていたとか。師弟で「お前が狼だろ」と泥仕合になり……というマクラから、「嘘は泥棒の始まり」と泥棒の噺に入っていく。
扇辰師も言っていたが、明るくハイトーンで小せん師とは結構カラーが異なる感じ。

扇辰師の一席め、「若いってのはいいねえ」とあお馬さんたちを褒めたり、辰ぢろさんの紹介や命名秘話などをマクラに。
ネタ出しの『お文さま』は浄土真宗の東本願寺派の経文がネタになったもので、扇辰師の菩提寺は真宗東本願寺派だそうだ。話が広がるかと思ってゲストのふたりに宗派を聞いてみたところ、まったく話が通じないという。宗派を聞いてるのにあお馬さんは「わからない」、文吾さんに至っては「特定の信仰がないことを『仏教』っていうんですか」という具合だという。まあ俺も親父の墓がある寺が日蓮だということは知ってるけど、何派までかは知らないしなあ。母方は真宗だけど、あれ西だっけ東だっけ……。
でもって信心深い商家に、若旦那の妾のお文さんを計略で乳母として潜り込ませたのはいいが、おかみさんが疑いを持ちはじめ……という噺。もとは上方の噺らしいが、こんな噺があることさえ知らなかった。結構レアな噺なのではないだろうか。
まああらすじだけでいえばロクでもない話なのだが、ストーリーとしてはよくできてる噺だと思う。なのにあまり演る人がいないのは特定の宗派の知識を説明しなきゃならないってことと、ゲストのふたりのようにそもそもそういうことの理解ができないってこともあるのかもなあ。

仲入り時、なぜか小辰さんが登場し、三K辰文舎のチケットの営業を始める。「今日チケットを2ケタ売らないと弟子が破門になります。まずは辰じろがクビになり、今日で最初で最後ということに……! その次は私がクビになります。……なぜ目をそらすんですか。そして誰もロビーに買いに行かないってどういうことですか」。そんなこといっても平日なんだもんさ。それにしても小辰さんは出演するわけでもないのに結構扇辰日和には顔を出しているのかな。

文吾さん、「母親にLINEで確認しました。『仏教だ、バカ』だそうです」……うん、いや、だからそうじゃなくてさ……。さすがにこの後で扇辰師も呆れていた。マジで「宗派」を理解してないのか……? 最近はそれが普通なのかな。
噺は価値もわからずに骨董品を買い集め出した旦那を騙すというもの。初めて聴く噺だが、それもそのはずで文吾さんが作ったものだという。へえー。
古典チックに仕上がってるし、話がどんどん大きくなっていくところは『井戸の茶碗』や『天狗裁き』と通じるところがあるともいえる。
やや江戸弁がやりすぎな気もするけど語り口も軽やかで、芯のある面白さ。扇辰師も感心して「俺この噺の稽古つけてもらおう。……俺がやった方がウケる」そんな若手潰しをしなくても。

扇辰師の二席め、若手を聴いて感心しながらも自身の修行時代を思い出したらしく、「もう二度とやりたくない」と身震いをする。特に前座の頃は理不尽なことばかりされていたようで、大雪の日に楽屋にいたら出番のあるある師匠から電話がかかってきて、電話に出たら「なんでやってるんだ!」と怒鳴られたとか。「知らねえよ、席亭か協会に言ってよ」と思ったけれどもいうわけにもいかず、謝り倒したとか。
そんな理不尽な思い出から人遣いの荒いご隠居の噺に。扇辰師の『化け物使い』は初めて。
扇辰師のご隠居の小言の言いっぷりが見事で、神経質で細かいことを言いながらも、ねちっこさを感じさせない。化け物たちに用を言いつけてぐずられたときの恫喝っぷりもメリハリが効いていて、いかにも口先だけで人を使うことに長けている感じがする。
時間の都合からか、大入道とのっぺらぼうの場面がほぼカットだったのは残念。のっぺらぼうへのセクハラの場面とか、絶対扇辰師のは面白いはず。

終演後、外に出てみると雨がちょぼちょぼと。
まあこれで電車できた意味はあるかと思ったが、これだったらバイクでもよかったかなあ。
あ、昼にビール呑んだからどちらにしてもダメか。
せっかくなので中野でひとり酒。……最近酒量が明らかに増えてるなあ……。以前は酒は飲み会でしか飲まず、ひとりでは350mlの缶ビール1本すらもてあますような程度だったんだけど。
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