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三遊亭兼好芸歴20周年記念公演 まるっと兼好。 埼玉 [落語]

三遊亭兼好芸歴20周年記念公演 まるっと兼好。 埼玉
於:浦和 埼玉会館 小ホール

三遊亭じゃんけん『阿弥陀池』
三遊亭兼好『片棒』
桂雀々『代書』
三遊亭兼好『不動坊』

兼好師の芸歴20年を記念した公演ツアーの皮切りの会。
一時期BSフジでこの公演のための宣伝番組が毎週5分だけ流れていた。番組名もそのまんま『まるっと兼好』で、言ってみれば冠番組! ? とはいえ兼好師が各会のゲストについて話すという内容で、全5公演分が終わったらまたループしていた。聞いてみたら噺し問屋が終わった後の楽屋で一回で撮ったものだとか。さすがBS、結構ユルい。

雪のため早めに家を出たものの、特に電車に遅れはなく、私には珍しく開場前に着いてしまった。
会場に入ると、私の席は高座の真正面で近すぎず遠すぎず超いい席。しかも私の列は私ともうひとりしかいないという貸切状態だった。
……明日のイイノホールのはチケット取れなかったのにこの差はなんだ。これが東京と埼玉の違いなのか。そういや都内じゃ国宝のチケット全然取れないけど、草加の会はあっさり取れたもんなあ。

まずはじゃんけんさん。
ゲストが上方の雀々師だからか上方の噺を掛ける。
「たい」という言葉を出すために「マレーシアじゃない、シンガポールじゃない」って言ってたけど、逆の方が地理的に近づいて行くのでオススメよ。まあ東南アジア好き以外にはまったく通じないだろうけど。
「しんぞう」という言葉を出すために「小泉……麻生……」と首相を並べていたが「安倍……あっ言っちゃった……」と失敗した様子。どうしたら成功なのかよくわからないけれど。「これさっき思いついたんですよ。雀々師匠にやれって言われて……」としどろもどろに。

兼好師の一席め、雀々師の紹介とともに大阪のオバちゃんの話に。「動物柄のシャツを本当に着てるのね。しかもその柄に負けてない。マントヒヒの柄を着ていても『え、あなたの写真?』って人もいる」と相変わらずちょろりと毒を吐く。
そのほかに大阪人のイメージとして「ケチ」があるとするが、ケチな心は皆にあるのだという。例えばゴーン氏は今捕まったりしているけれども、結局は最低でも10億円くらいもらえるのだという。「今イラッとしたでしょ? それがケチの心なんです」。さらに「ZOZOタウンの前澤社長。お金バラ撒いたり、月に行くっていったり、剛力さんが彼女っていったり。でもやりすぎたのか株価がドーンと下がったんですって。……今ニヤッとしたでしょ? それがケチの心なんです」。
そんなところからケチの噺『片棒』に。
金太郎が本願寺を3日間貸し切る、と言ったところで「あんな広いところ借り切るの? 500人の会場埋めるのだって大変よ?」と今日の状況まで噺に盛り込む。
そして大旦那の絡繰人形の仕草がもう。ロボットダンスやってた? ってくらいの上手さ。いろんなひとの『片棒』を聴いたが、兼好師の絡繰人形が一番上手い。
芸者が手古舞をするというときもいちいち左右に流し目を送るのが芸が細かい。

雀々師、この会場は2回めらしく、前回はどこかの高校の学校寄席だったそうだが大変賢そうで反応もよく、この会場の印象はいいという。
学校寄席では、長野の学校である生徒のツボにあまりにもハマったらしく、笑い過ぎて前の椅子の背もたれに頭をぶつけてしまい、流血騒ぎになったとか。落語聴いて血を流すってのは聞いたことがない。
いつもパワフルな雀々師だが、今日もまたすごいテンションでブチあげる。
代書屋と客とのギャップが激しすぎて、その高低差だけで笑ってしまう。

兼好師の二席め、ネタ出しの『不動坊』。
喜びすぎた吉公の奇行っぷりがヤバい。
手ぬぐいの代わりに鉄瓶を持って出て、気づいて取り替えたのにまた鉄瓶を持ってきてしまい、ようやく手ぬぐいだと思ったら結局股引だったという小ネタも面白いが、お湯の中で知らないおじさんの手を握りながら喜びを語るときのサイコぶりが特におかしい。結局手を取り合って湯船に沈んでしまい、『男同士心中事件』と名前がついてしまっているのがさらにおかしい。

寒いしどこかに寄って一杯やりたいところであるが、夜中に車運転することになるかもしれないのでおとなしく帰る。万一でも事故ったら嫌だもんなあ。
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