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第31回 僕のらくご道 三遊亭天どん独演会 [落語]

第31回 僕のらくご道 三遊亭天どん独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭ごはんつぶ『新作(四葉のクローバー)』
三遊亭天どん『出来心』
三遊亭天どん『クリスマスの夜に』
古今亭駒次『カツノキセキ』
三遊亭天どん『新作(ひな祭りの夜に)』
三遊亭兼好『粗忽長屋』
三遊亭天どん『新作(七夕の夜に)』

明日は父の日なので彼女のお父さんと義姉夫婦と上野で食事。
最近病気して入院もしていたのだが、思ったよりも元気そうで安心する。

天どん師のゲストに兼好師という俺得な会。さらに駒次さんも飛び入りゲスト(2日前に決まったらしい)で天どん師も四席という大変お得というかちょっとした寄席興行くらいの規模になっている。

まずオープニングトーク。長らく名無しだった見習いさんの名前が決まったそうで、協会や後輩たちから怒られたのだそうだ。「なんで俺の弟子なのに俺の意思は無視されるんですかね」、ってさすがに長過ぎたんじゃない。

でお弟子さん登場。「……えー、名前紹介してくれると思ったんですが……。自己紹介します。三遊亭、……ごはんつぶです」。おおう……。
兼好一門のけん玉、じゃんけん、しゅりけんは名前を言った時点で軽く笑いが起きて、少なくとも全滑りということはない。それに客も演者も少し緊張が解けるという効果もあるように思う。
……けど「ごはんつぶ」は笑いよりも先に引くというか面食らうほうが強いかもなあ……。
それでも「名前をつけてもらっただけでも幸せです。幸せといえば……」と四つ葉のクローバー売りのおじさんと小学生のやり取りを描いた新作を掛ける。怪しいおじさんと子どもという天どん師っぽい噺。自作だとしたら見習いのうちから新作をいくつも作ってるのはすごいね。

天どん師の一席め、まずはお弟子さんの名前について。「僕がムリヤリつけたように思われるでしょうが、僕は民主主義だからそんなことしませんからね。こんな名前つけられた苦労を一番知ってるんですから」と至極ごもっとも。
「『天』と『どん』とどっちが欲しいんだ」と聞いたら「『どん』がいいです」と答えられたとか。「そっちかー」と驚いていたけど、うん、そっちじゃない? 俺がもし天どん師の弟子だったらそっちがいい。絶対天どん師の弟子だって一発でわかるし。
で、じゃあ本名が岸くんだし「岸どん」はどうだ、といったら「本名が入ってるのはちょっと」と断られたとか。
さらに見習いが入ったときからネット上ではどんな名前になるかと大喜利的なものが始まっており、「うどん」とか「天つゆ」とかが上がっていたとか。その予想と合ってしまうのも癪だし、採用されなかった人たちとファン同士で喧嘩するのも嫌なので、と予想に上がっていなかった「ごはんつぶ」か「岸どん」どっちがいいかと迫ったところ「『ごはんつぶ』にします」と言われたとか。
これには天どん師の方が驚いたらしく、「お前本当にいいのか」とか「お父さんにその名前言えるのか」とかいろいろ聞いたのだけれど本人の意志は固くその名前になったとか。
二ツ目などに昇進時にも名前を変えずこのまま行く可能性だってあるのにあいつ大丈夫なんですかね、とどこか他人事。
「でも寄席に前座として入るのは9月くらいなんで、それまでに怒られたり『かわいそう』という声が出たら変えます」とのこと。
「それはそれとして」みたいな感じで強引に噺に入る。『間抜け泥』部分がなく、『花色木綿』部分のみの『出来心』。後から考えるに、この後の三席のためのイントロダクション的な噺だったというか、それらの噺の主人公の先祖っぽいというか。

天どん師の二席めはなんどか聴いたことのある『クリスマスの夜に』。着物もサンタカラーに近い赤に変えてきた。なんでまたこんな時期外れの噺を、とも思ったが、三席めと四席めはこの噺の続編。三席めの噺は一度他でやったことがあるらしいが四席めはネタおろし。
主人公の泥棒が忍び込んだ家の中で留守番の兄弟たちと出会い、話をするうちにケーキを買ってきて一緒に食べる流れに。その後に警察官が踏み込んでくるのだが逆に兄弟たちにかばわれて……というストーリー。
三席めは足を洗った泥棒がたまたま入ったキャバクラで『クリスマスの夜に』の兄弟の母親がホステスとしてついて……という噺で、四席めはさらに定食屋に入ったらホステスをやめた母親がそこで働いていて……という続き物。
なんやかんや話しているうちに男がケーキを買ってきて、食べようとしているときにトラブルに巻き込まれ、そこに警官が現れてというフォーマットは三席とも同じ。だけどそのパターンが面白い。
それとそれぞれのエピソード間になにもないというのもなんか天どん師らしい。
普通、というか陳腐なストーリーだったら、それぞれの噺の後になんやかんやあって主人公と兄弟&母親ともう少し親密になっているとか進展がありそうなもの。噺の中ではいい雰囲気になってるんだし。
でもその間には何もなく、噺の中でしか繋がりがないというところがどこか醒めている天どん師らしいというか。
最後の最後、幕が下りかけているときに幕を止めて少しアフタートーク。「これ2月と5月でも作れることに気づいた」。バレンタインとこどもの日かな。「『もういいやめて』という人はアンケートに書いてください」と言っていたので、「12ヶ月分待ってます」と書いてアンケートを出す。

駒次さん、2日前に天どん師と一緒に西武ドームに野球を観に行ってその場で今日の出演が決まったという。
次の真打昇進が決まって、天どん師的にはご祝儀的にゲストに呼んだようだが駒次さんの口からは昇進について何もなし。天どん師に「言えばいいのに」と心配される。
競馬の競走馬のカツノキセキとその厩舎の職員と、ライバルの馬たちと……という漫画の『みどりのマキバオー』的な噺。結構ベタっちゃあベタな感じ。

兼好師、「まともな設定の落語はここだけです」。
マクラで天どん師について話す。「大好きな兄さんで。ツンデレですよねえ。でも言わなくていいようなことまでペロッと言っちゃって損をする。そういうのを粗忽者といって……」と噺に入る。
行き倒れの現場を仕切っている役人が、話の通じない兄いと会話をしているうちに混乱してきて、「んん? 最初に『まともな設定の噺』っていったけどおかしいぞ?」とメタ的なつぶやきを漏らすのがおかしい。

天気がなんとか持ったのでバイクで行ったのだが、今日は寒すぎ。ダウン着てもバイクだとギリギリ。
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