SSブログ

この人を聞きたい(第九十四回) 馬石・兼好二人会 [落語]

この人を聞きたい(第九十四回) 馬石・兼好二人会
於:清澄白河 中村学園フェニックスホール

春風亭朝七『桃太郎』
隅田川馬石『浮世床』
三遊亭兼好『干物箱』
三遊亭兼好『町内の若い衆』
隅田川馬石『鰍沢』

毎年この時期に開かれる会。唯一女子校に大手を振って入っていけるという。
今日もバレー部下なんかが試合をしてて黄色い声というか若々しい声が響き渡っている。おじさんには眩しすぎますわ。

前座の朝七さん、七三分けで若々しさは正直ない。
が、噺を聴いてびっくりした。
まず、さすが一朝一門というか江戸弁がきれい。
でもって落ち着きがあって声もよく、すげえ上手い。なんだこれ。前座ってレベルじゃねーぞ。

馬石師の一席め、先週あたりにフルマラソンを走ってきたらしい。
トレーニングをしてきたとかで「30Kmを超えたあたりからいつもなら足が動かなくなるんですが……」とマラソン談義になりかけて「こんなこと話しにきたんじゃない」と我に返る。
ふわふわとした口調で話す色っぽい噺がなんだかいい感じ。

兼好師の一席め、一度暖かくなったのに寒くなると猫がエンジンルームに入り込む事故が増えるという話から、車の走行中に猫の声が聞こえてパニックになり……という小咄だったのだがオチで盛大に間違える。珍しい。多分「猫のせいでネズミ捕りに捕まった」といいたかったんだろうけど、「ネズミのせいで……」といってしまい、会場中が「?」となる。「さっきそこで考えたの」と兼好師も苦笑い。
交通違反などをすると、昔は身代わり出頭が多かったのだが今ではほぼ通じなくなってきているといい、「身代わりがいればいいのに」と思うことがある、と『干物箱』に。
花魁からの手紙を盗み読みして騒ぎ出すパターンもあるが、兼好師は吉原に行った若旦那を想像して「羨ましいー」と独り言を発して「まだ寝てねえのか」と大旦那に話しかけられるパターン。
大旦那が若旦那となんとか折り合いをつけようとしている関係性が透けて見える。

二席め、主人公である町内の若い者の男のソツのない軽さと女房の悪妻ぶりが楽しい。
そうはいいながらも、なんだかんだで仲がいいというか険悪な関係ではないところがいかにも兼好師っぽい。

馬石師の二席め、あのほわっとした話しぶりと『鰍沢』の緊迫した雰囲気とは合わないかとも思ったが、終盤のお熊が追ってくる場面などはぐっと引き込まれる。
なぜか会場の空調なんだかなんだかわからないが「ゴォー」っという音がしていたのだが、鰍沢の場面では逆に噺の内容と合っていた。
最後の「おザイモクで助かった」というオチはなく、ハメものが入って緊迫感をさらに煽っておいてふっと緩めて終わり。

終演後、さて次は亀戸で一之輔師の独演会だ……と思って会場に行くも誰もいない。
時間か場所を間違えたか? と確認するとなんと日付をひと月も間違えていた。
……ええー……。2月と3月は曜日が同じだからこういうこともあるのか……。あー大失敗だー……。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。