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大日本橋亭落語祭2017 5月1日 [落語]

大日本橋亭落語祭2017 5月1日
於:三越前 お江戸日本橋

旭堂南湖『応挙の幽霊(上)』
三遊亭遊馬『試し酒』
三遊亭兼好『浮世床(夢)』
春風亭一之輔『かぼちゃ屋』
笑福亭たま『おとぎ噺殺人』
柳家三三『開帳の雪隠』

昨日は休出をしたけれども今日明日は有給。というか事前から申請していた年次休暇なので大手を振って休む。
久しぶりに近所の喫茶店でモーニングの後、カメラを持って河川敷を散歩する。

どこか出かけようかと思っていたら空模様が怪しくなり、家に着いたら大雨が降り始める。
仕方ないので今日は家でのんびり過ごすことにして、夕方に大日本橋落語祭に。

毎年言ってるけど、一年で一番楽しみな会。
私の好きな噺家トップ3である兼好遊馬一之輔が一堂に揃うのはこの会しかない。

……今気づいたけど、遊馬師っていつも独演会形式か寄席形式が多くて、他の人と一緒の二人会とか、誰かの会のゲストとかってあんまりないような気がする。地方じゃやってるのかもしれないけど……。東京でもやってほしいなあ。
素人が口を出すこっちゃないとは思うが、いろんな人と組むことで互いに切磋琢磨したり相手のファンを自分に取り込んだりできると思うんだけど。遊馬師があまり積極的に自分の会を開こうとしないのがファンとしてはもどかしい。

さておき、まずは恒例のジャンケンで順番ぎめ。
一之輔、たま、兼好、遊馬、三三、南湖の順に勝ち抜け、上記の順になる。
やっぱり開口一番とトリが最後に残るのが毎年のお約束。
だいたい最後に負けた人がトリを取るのだが、一之輔師が「一番手に出てきた人は高座返しとかの前座働きをするんですか。楽屋でお茶を淹れたり」と言い始め、三三師が「そうそう、そういうこと」とノリながらも「じゃ、トリをとる」とトリを持っていった。「誰がお前にお茶淹れるか」「なあんだ、『こんなのぬるくて飲めねえよ!』ってひっくり返してやろうと思ってたのに」とじゃれ合う。

一番手の南湖さん、毎年この会でしか聞かないので久しぶり。
声や話し方が落ち着くんだよなあ。
小学生になった息子さんが碁をやっているらしく、碁の小咄をいくつかマクラ的に話して本題に入る。
『応挙の幽霊』は高座で聞いたことがないのだが、なんか私の知ってる噺と違うな……。
「碁の話はどこにつながるのか。ここからが面白いのだが続きはまた明日」と切れ場を作る。

遊馬師、「その体格だからさぞかし飲むんでしょ」とよく聞かれるのだが、だからといって「じゃあこれから一杯行きませんか」とはならないとボヤいて噺に入る。
今日のお客さんはキッチリと笑いどころで明るく笑い、それに乗せられたのかすごくいい高座だった。
朗らかでダイナミックで、遊馬師の持ち味が存分に出ていたと思う。
おそらく他の演者目当ての人にも面白さが伝わったはずで、もっと他協会とも絡んでいけばいいのに! と余計なお世話な思いを強くする。

兼好師は北の将軍様に触れ、「あれはどうなんでしょう、自分ではカッコイイと思ってるんですかね? 『コノヨウニチョンギレ!』なんて命令してるんでしょうか。それともスタイリストみたいな人が『国際社会で恥をかいてこい』とわざとあんな形にしてるんでしょうか」。危ねえー。
ヘアスタイルの話から『浮世床』に入る。
将棋や本の場面はなく、夢の話のみ。夢部分は久しぶりだなあ。
「乙な女」と茶屋で飲むときに、酒を持ってくる場面の「トントテチンチロリン、トトンテチンチロリン、チンツンテレンツトッテンポシャン」という口三味線の調子がとにかくおかしい。
「長え夢見やがった」ではなく寝ションベンでサゲ。汚いけどこっちのほうが好き。

一之輔師はもう鉄板ネタだろう。
もう最初っから最後までノンストップで面白い。
この人はいろんなことをぶっこんでくるけど、噺を壊すようなことはしないのでそのバランス感覚がすごいと思う。
そういえば今日の会場整理で二番弟子が表に出ていた。まだ先月入門を願ったばかりで、着物も着られない見習いとのことだが。はーすごいねえ。

たまさんは東西のおとぎ話をいろいろ混ぜて殺人事件に仕立てた新作。
冒頭に「予告編」として『火曜サスペンス』のあの音楽に合わせて殺人シーンのダイジェストみたいなことをやっているのがおかしい。
それにしてもやっぱりこの人は独特だなあ。兼好師によれば「東京にはああいうタイプの人はいないですからね。……大阪でも少ないみたいですけど」とのことで上方でも特殊っぽい。

三三師、大分の高崎山の猿について話す。最初は10分で飽きるんだろうなと思っていたそうだが、気づいたら2時間半過ごしていたそうだ。
猿を紹介する職員のお姉さんの喋りが面白いらしく、メスザルには厳しくて「このメスザルが大きい顔をしているのは順位の高いオスザルを次々にたらしこんだからです」とか言うそうだ。「あの人は多分メスザルに彼氏をとられたに違いない」とのこと。
また猿は上下関係が厳しく「一之輔みたいな後輩はいない」そうで、その厳しさを立川流を例にして説明していた。
噺は昔話で聞いたことのある落とし噺というか小咄というか。これタイトルついてたんだ。寄席でやるにはいいサイズだなあ。

企画コーナーは「ここがヘンだよ寄席芸人」。
お客から集めたYes/Noで答えられる質問に対してYesと答えた人数を発表するというもの。事前に集計しているので誰が答えたかはわからない。
「一席100万の仕事をしたことがある」は0人。「ええ〜?」と一之輔師に疑惑の目が向けられる。
「高座中に携帯が鳴ると殴りたくなる」も0人。鳴らされるタイミングにもよるらしいが。
「高座中に漏らしたことがある」に5人。何を漏らしたんだろう……。昔三三師が前座だった頃、小三治師が腹を下して「オムツ買ってこい」と命じられたエピソードを語る。結局は使わなかったようだが、途中で中座してトイレに行ったらしい。
「この中で自分が一番落語が上手い」に2人、「人間国宝になれる」に3人、「紫綬褒章くらいはもらえる」に4人。自己評価が高いのか低いのか。
「兼好は圓生を継ぐべきだ」に1人(兼好師らしい)、「三三が小三治を継ぐのは構わない」に2人。
終始和やかな雰囲気で進むが、遊馬師と南湖さんがほとんど話してない……。
9時ちょうどに客席からアラームが鳴り、それを機にお開き。
また明日のお楽しみ。
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