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和室カフェ 其の十一 [落語]

和室カフェ 其の十一
於:神保町 らくごカフェ

立川笑二『かぼちゃ屋』
入船亭小辰『団子坂奇談』
トーク
入船亭小辰『悋気の独楽』
立川笑二『黄金餅』

今日はらくごカフェ2本立て。
主催者は先ほどの宮治さんの会と同じ。神保町にいようかとも思ったが、2時間半ほど開くので一度帰ってから再度来訪。

笑二さんの一席め、声を張りすぎたりもせずさらりとした印象。
笑二さんは同じやり取りを何度も繰り返すくすぐりが多く、ときにそれが私にはしつこく感じるのだが、今日はそれもさほど感じず。
与太郎が道端の朝顔を愛でて匂いをかぐというのは新しい(あとのトークで「なんであんなことになっちゃったんですかねえ」と言っていたが)。

小辰さんの一席め、小辰さんの自宅のすぐ近くに例の碑文谷公園があり、いつも夜中に池の周りをグルグル回りながら稽古をしていたのだそうだ。つい先日もそうやって稽古をしていたため、バラバラ死体のすぐそばで落語をやっていた、しかもそのときのネタは『野晒し』だったとか。
警察が聞きこみにきたそうで、そのときのエピソードをマクラに『団子坂奇談』に入る。
他の会などではよく掛けているようだが、これまで出会ったことがなかった。また、扇辰師もよく掛けるようだがこれまた当たったことがない。
聴きたい聴きたいと思っていたので嬉しい。
噺は昔の怪談によくある、夜中に家を抜けだす人の後を尾けていったら墓場で死体を喰らっていた、というもの。で、さらにもう少し場面を追加してあって、地口で終わり。結構、というかかなり唐突で、怪談の肝となる「なぜそんなことをするのか」とか「今後どうなるのか」などをすべてぶん投げておしまい。
笑二さんも初めて聴くらしく、「え、あれで終わり?」という感想だったようだ。
小辰さんも「なんかあの後ありそうだけどね、終わり。入船亭そういうの多いの。後日談作って」と涼しい顔。
終わり方はともかく、それまでは淡々と噺が進んでおり、それが小辰さんの端正さと相まってなんとも幻想的な感じ。

仲入り後に新設のトークコーナー。
ふたりともトークはそんなに得意ではないそうで、「得意だっったらもうやってます」とは小辰さんの弁。
事前にアンケートを取り、質問や次回の和室カフェまでにやってもらいたいことを募る。
まずは質問に対する答え。
「お互いの第一印象は?」とか「悩みは?」などと笑二さんが質問を読むのだが。小辰さんは「覚えてません!」とか「ありません!」などとそっけない。まあその後ちゃんと考えて答えていたが。
私が出した質問、「師匠の好きなところ嫌いなところ、嬉しかったこと嫌だったことなど」にはふたり揃って「好きなところは優しいところ、嫌いなところはありません」との答え。
ただ小辰さんは、師匠が酔っ払ってギターを持ちだして歌っているところに上手くハモれないと怒られたのが嫌だった、とのこと。が、いつかの正月に酔っ払った扇辰師と、おかみさんと小辰さんの3人で曲を作って歌詞も分担して作ったのは幸せな時間だった、だそうだ。
まあ小辰さんは扇辰師のことホント好きそうだもんなあ。

次回までにやってきてほしいこと、というリクエストには、「大衆演劇を見てきて欲しい」とか「歌舞伎座の床屋で髪を切ってほしい」とか「日本橋川でボートに乗ってきて欲しい」など。
いろいろモメていたが、最後は挙手で「大衆演劇を見に行く」に決定。

かなり真面目に質問などに答えていたため、このコーナーだけでたっぷり30分以上かかっていた。
やっぱり噺家さんたちへの質問って素人がよく知らない稽古風景や、高座を見ただけでは感じられない人間関係などが垣間見えて面白い。

小辰さんの二席めの『悋気の独楽』は最近よく聴く。
冷静であろうとするお内儀さんの声が程よく抑えられていて上品。そこに明るくてガサツな定吉がかぶさってきて、その対比が楽しい。

笑二さんの二席め、小辰さんの陰惨な噺に触発されたのか、これもまた陰惨な『黄金餅』。
笑いをいたるところにまぶしてはあるけれども、笑二さんのはかなりブラックだし、まあバッドエンドだろう。
地名を羅列する場面では拍手を入れさせる間を与えない。「間を潰したんだ、(拍手がなかったらと思うと)怖かったんだ」とのこと。

今日はそれぞれ明るい噺と暗い噺があり、その振り幅が面白い会だった。
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