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渋谷に福来たるSPECIAL 2015 ~落語フェスティバル的な~ 超個性派・春の大宴会 [落語]

渋谷に福来たるSPECIAL 2015 ~落語フェスティバル的な~ 超個性派・春の大宴会
於:渋谷 渋谷区総合文化センター さくらホール

おしゃべり 三遊亭兼好・桂雀々
柳亭市助『真田小僧』
三遊亭兼好『湯屋番』
桂雀々『手水廻し』
三遊亭白鳥『千葉棒鱈』
柳家喜多八『寝床』

毎年恒例の落語祭。この会の他にもいろいろ行きたいのはあったんだけど、いかんせん高いんだよなぁ……。顔付けが顔付けだからしょうがないっちゃしょうがないんだけど。これでそれぞれ一席ずつだから、それこそよっぽどの組み合わせじゃないと来づらいな。昨年は主に二人会だったから、コストパフォーマンス的には納得しやすかったんだけど。

前から9列目の真ん中というかなりいい席。噺家さんが高座に座ったときの目線がちょうど合うくらいの高さ。

まずは開演前に昨年からの恒例、出演者によるおしゃべり。兼好師と雀々師が登場する。雀々師が今回の「渋谷に福来たる」唯一の上方ということで、疎外感があるとのこと。江戸弁がかっこいいので真似をしたいが、「これ『なんぼ』だい?」などのように混ざってしまうそうだ。
この後のプログラムについても説明し、前座の市助さんは5月に二ツ目に昇進が決定したと紹介。兼好師が「二ツ目に昇進が決まった前座さんというのは一番やる気がみなぎっていて面白い」とハードルを爆上げする。

市助さん、そのプレッシャーに圧されたのかポロポロと言い間違えが。頑張れ。

兼好師、「超個性派」と銘打たれているこの会になぜ呼ばれたのかわからない、とのこと。
ただ、この会が初めて落語を聴くという人もいるだろうし、その人たちに「超個性派」といったところで基準がわからなければなにが個性的なのかもわからない。
この後「襲われる?」と思ってしまう雀々師、「やる気あるの?」と思ってしまう喜多八師、そして「これ落語?」と思ってしまう白鳥師が出てくるが、その前に「落語とはこういうものですよ」と思わせる役目として出ているのだ、とのこと。まさか本当ではないだろうが説得力がある。私もこのサブタイトルでなんで兼好師なんだろうと思ってたし。
さて『湯屋番』は久しぶりに聴く。明るく無邪気な若旦那がとにかく楽しい。
煙突掃除と聞いて「海老蔵はやらない」と断るシーンがあるが、ここを長々と芝居仕立てにして語るのがおかしい。

雀々師、バスツアーでの仕事をマクラに。バスでの仕事は逃げ場がなくて辛いという。
先日は台湾の人たちのツアーで、通訳を挟んでの仕事だったため、小咄も滑りまくったそうだ。そりゃ小咄なんてダジャレが大半なんだから日本語じゃなきゃ通じないよなあ。
結局受けたのは物を食べる仕草で、目的地までずっと何かを食べていたとか。
『手水廻し』はちゃんと聴くのは初めてかも。
田舎の宿の主人と料理人との会話が柔らかい大阪弁で、聴いててなんか心地いい。
上方落語は苦手だが、これは面白かった。

白鳥師、「今日は録音してて、この会のCDを出すそうですが、私のは出ません!」と宣言。
白鳥師の出身地の高田市と隣の直江津市は仲が悪く、お互いの商店街が相手の商店街を悪く行っていたそうだ。そのふたつの市が合併することになり、両市の間にある地域に市役所を建てたところ、その周りにイ○ンやユ○クロが集まってしまって双方の商店街が潰れてしまったのだとか。「ほらこんな企業名出したらCDなんか出せないでしょ」。うんまあ。
ネタの『千葉棒鱈』は先日美るくさんで聴いた。白鳥師の噺だったのか。
埼玉出身の女性が出てくるのだが、浦和出身特有の大宮に対する異常なまでの敵意などがよく表れていた。あの浦和人のなんだかよくわからない選民思想とか、なんでそんなこと知ってるんだろ。あれねえ、埼玉の他の市の人間からするとスゲーめんどくさいんだよなぁ。浦和も大宮も同じだっつーの。県庁があるからってなんだってんだよ。
噺は白鳥師のテンションの高さが際立って、パワフルで面白かった。白鳥師の噺にしてはシュールさが控えめでわかりやすいように思える。

喜多八師も久しぶり。すごく楽しみだった。
相変わらず気だるげな雰囲気ながらいい声で話す。
『寝床』は好きな噺。
冒頭はものすごくウキウキと楽しそうな旦那がかわいい。ひとりひとりの断りの言い訳を聞いてくうちにどんどん機嫌が悪くなって、がんもの製造法で癇癪を起こすところが大好き。
重蔵が旦那に「お前はどうだ? お前はどこが悪いんだ?」と迫られてしどろもどろになるところや、番頭にノせられて徐々に機嫌を直していくところなど、まあいちいち全部面白い。

兼好師と喜多八師が目当てだったものの、全員の個性を楽しめたいい会だった。
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