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春のスペシャルロングバージョン よってたかって、八通り 〜お題は入学or卒業〜 [落語]

春のスペシャルロングバージョン よってたかって、八通り 〜お題は入学or卒業〜
於:有楽町 よみうりホール

三遊亭兼好『元犬』
春風亭百栄『弟子の強飯』
桃月庵白酒『喧嘩長屋』
三遊亭白鳥『ラーメン千本桜』
春風亭一之輔『らくだの子ほめ』
瀧川鯉昇『茶の湯』
柳亭市馬『あくび指南』
柳家三三『明烏』

いつもの「よってたかって」のメンバーが昼夜に分かれたりせず一度に出演する贅沢な会。
テーマが「入学or卒業」ってことだけど、そんな落語あったっけ。

前座もなく、いきなり兼好師。
最近聴くたびにマクラが地元北千住。基本的に「北千住はひったくりの街」という内容なのだが、毎回言い回しが異なるのはさすが。しかしまあこれで笑いが起きるってことは北千住はそう思われてるんだろうなあ。実際は北千住は足立区の中では治安がいいところなんだけど。あくまで足立区基準だから実際のところはあてにならんが。
噺は得意ネタの『元犬』。「犬からの卒業」といったところか。「つぶらな瞳で見る」とか「手を叩くとすぐにくる」とか、元犬であることを匂わす行動が多めになっていて、それがおかしい。

百栄師、自身が入門した時の話をマクラに。実は栄枝師に入門する前に立川流の門を叩いていたらしい。許しは出たらしいのだが、入門する際に納める上納金が払えなかったのとそのうち立川流内部がゴタゴタし始めたことからお流れになったそうだ。
弟子入りの場面を描いているのかと思ったら、やたら六代目圓生っぽい高校生に「ぜひ弟子になってください」と懇願する噺。私は圓生師はCD2枚くらいしか聴いたことがないので判断に迷うが、それっぽい気がする。
「高校を『卒業』したら〜」みたいなセリフがあったのでそれがテーマに沿ってるのかな。

白酒師、のっけから「立川流に行けばよかったのに」とぶちかます。
『喧嘩長屋』は初めて聴く噺。少し調べたら、白酒師が落語辞典からネタを掘り起こしたのだとか。
夫婦喧嘩からいろいろな人々が喧嘩に巻き込まれ、最後には通りすがりのアメリカ人宣教師まで「ファッキンジャップ!」と参戦するというカオスな噺。なんかテーマに沿ったセリフあったような気もするけど思い出せない。

白鳥師、屋台のラーメン屋のオヤジが実は日本一のラーメンチェーン社長の実の弟で、父親の作った味を守るために兄と袂を分かったのだが、ラーメン日本一を決めるイベントに怪我をした兄の代わりに出場し……というストーリー。ライバルやスパイなども出てきてベタな少年マンガっぽいテイスト。もうちょっと短くてもいいかも……。
父親の味のタレをスパイにダメにされて自棄になっていたところに弟子入り志願の少年に「父親の味から『卒業』しなよ!」とやや強引にテーマをねじ込んできた。

一之輔師の『らくだの子ほめ』は久しぶり。
らくだの理不尽な傍若無人さがとにかく腹を抱えて笑える。こういう破壊力のある噺の一之輔師はやっぱり面白いなー。
テーマは……なんか沿ってんのかな?

鯉昇師、ご隠居と定吉が腹を壊すところまで。後ろの市馬師に「尾籠な噺をさせたら右に出るものはいない」と言わしめていた。
ご隠居の好々爺っぷりが鯉昇師と合っていた。すごく優しそう。
粋人への入学ってことだろうか。

市馬師、おかみさんの色香に惑わされたのではなく、自発的にあくびを習いにきた形。そのまんま入学てことなのだろう。
師匠が粋な感じ。

三三師、トリで大ネタを。
市馬師の高座を受けて、源兵衛と太助があくび指南を受けたふたりとなっており、ちょこちょこと『あくび指南』のネタが混ざる。
「若旦那の童貞からの卒業」なのたろうか。ハッキリとは言っていなかったが……。
甘納豆も食べ、キッチリと正統派で仕上がっていた。

開始からたっぷり3時間、濃密な会。
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