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よってたかって、一目上がり落語会 〜数にまつわる落語8(エイト)〜 [落語]

よってたかって、一目上がり落語会 〜数にまつわる落語8(エイト)〜
於:有楽町 よみうりホール

林家たけ平『一目上がり』
瀧川鯉昇『二番煎じ』
春風亭一之輔『サンタ泥』
春風亭百栄『四題噺』
三遊亭白鳥『刑務所の五人』
三遊亭兼好『六連銭』
柳亭市馬『七段目』
桃月庵白酒『富八』

久々に彼女と一緒に落語会。
タイトル通り、それぞれの演者が出演順と合った数にまつわる落語を演るのだが、これがなかなかキツい縛りらしく、出てくる人出てくる人「企画倒れだ」「こんなの無理だ」と口々にボヤいていた。

たけ平さんはかなりご無沙汰。ニフティが落語会を開いていた頃はよく聴いたのだけれど。好きな噺家なんだけど、なんとなく縁がないというか、うまいこと予定が合わない。
今回の会のテーマである『一目上がり』を、あまり余計な演出を入れずにプレーンな印象で。
久しぶりに聴いたけど、語り口が私の好みと合っている。

鯉昇師は「もうトシだし熱演などしない」とマクラで宣言。
この時期に『二番煎じ』というのも驚きだけれど、なんと見回り部分をばっさりカット。『二番煎じ』だと気づくまで、少し時間がかかった。次に出てきた一之輔師曰く、「単なる『パーティーめっかっちゃった事件』ですよ」。確かに……。
けれど鍋を囲んでるところは本当に楽しそうで、特に「私は猫舌で……」といいながら鍋を食べようとしていた場面などはかなりの熱演。

一之輔師、『三枚起請』『三年目』『髪結新三』などなど、「三」にまつわる落語は数あれど、どれも乗り気ではない様子。
このあとで「朝日名人会」があるらしく、「まともな落語はそちらでやろうかと」ということで天どんさん作の『サンタ泥』。これ以前に一之輔師で聴いたことがあったが、天どんさんの新作だったんだ。
というかクリスマスの噺かい。鯉昇師に続いて季節感ガン無視。
それにしても落語家がすごいと思うのは、そんなに何度も演っている噺でもないだろうに、ちゃんと憶えてるってところ。しかも上手い。
男の子兄弟がふたり登場するのだけれど、ちゃんとどちらが話しているのかがわかる。
一之輔師の新作は珍しい。

百栄師、『四題噺』と題してお題を客から受けるとしながらも、誰も何も言っていないうちから「え、四時起き?」「え、魚河岸?」「え、革の財布?」「え、酔っ払い?」とどんどんお題が決まり、誰がどう聴いても『芝浜』な感じに。
まあ『芝浜』をベースにした新作なのだけれど、正直あまり印象に残らず、さほど面白いとは……。後の市馬師には「悪ふざけ」と評されていた。

白鳥師……は、どうも私は合わないようだ。半分ほど意識がとびとび。

仲入りを挟んで兼好師。ようやく正統派古典に戻った。
得意ネタの『六尺棒』かなーと思っていたら、兼好師もやりたいのだけれど頑張っても6分にしかならないとので断念とのこと。
「ろく」つながりで『ろくろ首』も考えだけれど、持っていないのとか。大好きな噺なので残念。兼好師が演ったら爆笑間違いなしだろうから、ぜひ聴いてみたい。
で落語辞典で調べたところ、『六連銭』を見つけたのだとか。この『六連銭』、つまりはフルバージョンの『真田小僧』の別名。マクラでネタ出しをし、「なんだ『真田小僧』じゃないかてのはナシ、これは『六連銭』です」と強調。
「じゃあおめえも十銭出しねえ」で終わるバージョンは聴いたことがあるが、兼好師でフルバージョンは初めて。
時間の都合か、ちょっと急いでいる印象。端折ったところも多く、もうちょっと落ち着いて聴きたかった。

この顔付でなんでヒザなのか、という市馬師。七番めというチラシを見た瞬間に「あ、『七段目』だな」と思ったが、まさにドンピシャ。演りたかったんだろうなあ。
最近あまり市馬師聴いてないけど、聴くたびに『七段目』な気がする。もちろん噺は文句のつけようもないのだけれど。

トリの白酒師、これまでの演者のネタについて季節感がないとかいろいろコメント。
で、自身は『富八』。この演目名は初めて聞くが、つまりは『御慶』で年末年始の噺。なんかもう今日は年末かってくらいの番組になっていた。
もらう金額が八百両なのを8とかけたのかと思ったが、そんなネタ名もあったんだ。
「ぎょけーーっ!」「えいじつぅーーっ!」の言い方が志ん朝師に近い感じ。既存の噺ではわかりづらいオチもうまく変えられていた。

なんだかんだで一からハまで揃ったけど、たけ平さんと市馬師以外はだいぶ苦心していた様子。その苦心ぶりもネタの一環として楽しめた。
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