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林家彦いちの寄席入門 [落語]

林家彦いちの寄席入門
於:国立演芸場

彦いち 兼好 小猫 寄席の解説
三遊亭兼好『犬の目』
江戸家小猫 ものまね
林家彦いち『天狗裁き』

もとは夏休みの子ども向けの企画だったようだが、この状況下で「寄席入門」に変わったらしい。
「寄席入門」とはいいつつ実際にはほぼ落語マニアたちが集い、寄席についての基本情報などについては「私より詳しそうな人ばかり」とは最初に出てきた彦いち師の弁。確かに。
まずは彦いち師がひとりで登場し、まあ普通に都内にある寄席の話題でどこぞの下町の演芸ホールについてのエピソードなどを入れてディスりつつ解説を入れる。正直解説というよりもほぼマクラのような。
さらに「お客様が何を求めているのかわからない」と兼好師を呼び、ふたりの対談形式でトークを進める。協会同士で仲が悪いのかとか、この師匠とこの師匠は仲が悪いとか。あとは襲名の話なども。
曰く、志ん生志ん朝という大名跡が空いているが、特に志ん朝は「継ぐ人はイヤでしょうね~」とのこと。圓生志ん生はもう知っている人が少なくなっているが、志ん朝は「下手したらここにいる人は志ん朝師匠の一番いい時を知ってる」かららしい。そうなると、「志ん朝はいいねえ……あ、もちろん先代ね」となって、別名が「セコの志ん朝」などになってしまうという。……なんかわかるなー……。俺好二郎さんに「ちょっとまずかったら『あれー俺の知ってる好二郎と違うなあー』とか言っちゃうよー」とか言ってすげえ嫌がられたからなあ……。反省してます。
兼好師が落語の準備にかかるため、対談の相手を小猫先生にバトンタッチ。寄席での小猫先生の動物モノマネのラインナップは浅い時間に出るときとトリのヒザで出るとき、同じヒザでもトリの師匠のキャラクターによって変えているのだそうだ。これは彦いち師も知らなかったようで、「勉強になるなあー。寄席入門になってますねえ」と感心しきり。ちなみに十八番のひとつであるテナガザルはトリが小三治師の場合はやらないのだとか。「……俺がトリの時のヒザだと必ずやるよね!? というかテナガザルが聞こえてくると『お、そろそろ出番だ』って準備するんだけど」と彦いち師に突っ込まれる。

兼好師、会場に来るまでずっと「子ども向け企画」思っていたので、頭の中には『転失気』しかないのだそうだ。……まあそれでも全然構わないけど。むしろ珍しいし。
直前に小猫先生が彦いち師に犬の鳴き声の稽古をつけていたのでそこから犬の噺につなげる。
好二郎さんの昇進の会でも聴いたが、こういう軽くてバカバカしい噺はいかにも落語的で「寄席入門」に向いているのではないだろうか。兼好師は「この噺は大半目をつぶっていられるから客席の反応を見なくてすむから」と言っていたが。

小猫先生、十八番の鶯から羊や山羊、アルカパなどを経てテナガザルへ。
アルカパは似てるのかどうかよくわからないけど、小猫先生曰く「大事なのは信じる心」なのだとか。
テナガザルはよくテレビでも出てくるから知ってるが、さすがの名人芸。

彦いち師、いつものように新作かと思ったが「寄席入門」だからかスタンダードな古典に。初めてかと思ってこのブログを確認したら、5年くらい前に一度聴いていたようだ。その時はいろいろとオリジナルのくすぐりが入っていたと書いていたが、今日はほぼスタンダードな形。うなされているときになぜか犬の鳴き声が入ったくらい。これは今日だけのくすぐりだろう。

終演後、外に出ると土砂降り。……バイクで来ちゃったよ。何なの今年のこの雨っぷり。
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