SSブログ

なかのらくご長屋 小辰・吉笑二人会 [落語]

なかのらくご長屋 小辰・吉笑二人会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭小辰『鈴ヶ森』
立川吉笑『明晰夢』
立川吉笑『黄声』
入船亭小辰『ねずみ』

降水確率が高いので電車で行く。
ハシゴする予定なのでバイクの方がいいんだけど、雨の日は乗らない軟弱派なので。

やっぱり小辰さんもこの会の開始時間の早さを嘆く。
今日はこの後に同じ会場で菊之丞師や小満ん師などの独演会があり、全部で5公演あるそうだ。開演前にアナウンスがあり、さすがに最後は失笑というかそんなにやんのかよ、というような笑いが漏れる。
小辰さんも「5回転ですか?」と驚いた様子。こういうのも「回転」っていうのかな? 私は「回転」というとうっふん系のお店で使われる用語だとばかり。小辰さんの出身の大塚も本場というか盛んだからね。
「このお客さんたちも何人かは残るんじゃないですか? いや、ここじゃなくたってどうせこの後どこか他の会に行くんでしょ? 朝早くからくるお客さんは大体そういうもんです。中野の駅前からだってブロードウェイを通らないで脇の道からくるような人たちでしょ?」なぜわかる。その通りです。
後の師匠たちとあまり被らないような噺をしなければ、と少し考えて泥棒の噺を選ぶ。
なんというか小辰さんの話しぶりは落ち着くというか心地よい。二席めの『ねずみ』もそうだが、あまり派手なことをしなくてもなんかおかしい。『鈴ヶ森』のようにかなりスラップスティックな噺でも派手すぎないからか聴いていても疲れないのが心地よさの元かもしれない。

吉笑さん、足を怪我しているそうで、正座用のあいびきという補助椅子を持って登場。
MRIを撮りに行ったそうだが、閉所恐怖症気味なところがあり、それを紛らわせるためにMRIに入っている間に落語の稽古をしたのだが……という話をマクラに。もうほぼ治ったとのことだが、ちょっと足を引きずりながら気味だったのでお大事にしてほしい。
一席めは古典チックな新作。落語黎明期の時代の噺で、友人の誘いで寄席なるものに行ってみると、出てきた前座が先程自分たちが話していた内容をそのまま落語として話し始め、さらに劇中劇ならぬ噺中噺の中の人物がまた寄席に行き……と入れ子構造になっている。
さらに最初に登場した人物たちも「俺たちも落語だ」とメタ的なことを言い出して……という非常に複雑というか、今どの階層にいるのかわからなくなる。が、そのカオスな感じが面白い。毎回思うがよくこんな噺思いつくなあ。

二席め、自分は立川流なので粋やらいなせやらがよくわからず、先程の噺はその憧れなのかもしれないとのこと。
立川流の中で粋な噺家といえば先日亡くなった左談次師で、楽屋に入ってきたときの「おはよう」を「おぁんよ」というのが粋だった、という。他の協会だと雲助師も同じように「おぁんよ」というらしい。
その挨拶と同じくらい声をかけられて嬉しがったのが「あんちゃん、やってるね」という言葉で、これは万能の言葉なのだという。
二席めも古典風新作で、町内対抗でかけくらべをしているのだが、町内一の韋駄天のタケが隣町の代表に勝てない、ご隠居さん知恵を貸してください、という噺。
ご隠居は応援の差が原因だというが、自分たちだってタケに「あんちゃん、やってるね」と応援しているという。そんなものは応援といえず、必要なのは「黄色い声」だと実演してみせる。正座しながらぴょんぴょんと飛び跳ね、足は平気なのかと心配になる。
これは珍しく理屈っぽくない感じ。
いつもは状況説明がちょっと鬱陶しいと思ってしまうことがあるのだが、今日は二席ともそんな印象はなく楽しめた。

終演後、近くの松乃屋で昼食を摂る。
近くの席に3~4歳くらいの女の子を連れた親子がいて、女の子はどこか怪我をしているのかしきりに痛い痛いといいながらずっとぐずっており、時折大きめの泣き声を上げる。
うーむ食事中ずっとこのぐずりっぷりを聞かされるのか、と思っていたのだが、親子が頼んだものがきたら「からあげたべる」といってあっという間に機嫌が治ったようだ。唐揚げの偉大さをまざまざと見せつけられる。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。