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桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会 [落語]

桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

桃月庵はまぐり『つる』
三遊亭兼好『雛鍔』
桃月庵白酒『宿屋の富』
桃月庵白酒『粗忽長屋』
三遊亭兼好『木乃伊取り』

前売りはあっという間に完売だったらしい。
私もチケットがとれなかったのだが、チケット救済サイトで運良く入手できた。しかも最前列。ラッキー。

前座ははまぐりさん。
ご隠居が若い衆たちから嫌われていて、八っつぁんもじゃんけんに負けてイヤイヤきたというのがおかしい。さすが桃月庵、毒強め。
ご隠居が「つる」の来歴を語るのに自分でウケ過ぎて笑いを堪え切れなくなるのもまたおかしい。

兼好師の一席め、将棋の藤井四段の話を出し、14歳で大人から「参りました」なんて言われるなんてたいしたものだと褒める。自分が14歳の頃なんてまだスカートめくりをしていた、それで女子たちから囲まれて「参りました」と謝ってたくらいだと話す。
こんな子どもたちに学校で道徳の授業をやっても説得力がない、むしろ大人たちのために道徳の教科書が必要だ。オリジナルキャラの「忖度くん」が「天下りをしてはいけない」とか「不倫をしてはいけないけど、謝り方がよければOK」とか教えてくれるのはどうだ、と語り爆笑をとる。やっぱりこういう時事ネタを挟むのがうまい。
そこから子どもが主役の『雛鍔』に。久しぶりに聴く噺。
八っつぁんがおかみさんに小言を言われながら出てくるお茶や、金坊のわざとらしい「こんなもーのひーろた、こんなもーのひーろた」が楽しい。

白酒師の一席め、マクラで「兼好さんがすごいのは最初からフルスロットルなところ。私は『これから二席演るのか』と思うとなかなかテンションが上がらないのに」と妙な感心をする。まあ確かにテンションの低い兼好師を見たことがない、というかその常に明るい高座が兼好師の魅力だからなぁ。
一之輔師が出た『プロフェッショナル 仕事の流儀』に触れ、「高座でお客の反応によってネタ変えるとか道で歩きながら稽古するとか、それ普通ですから」とチクリ。確かに番組ではそれをすごいことのように取り上げてたけど、落語ファンからしたら「それがどうかしたの」って感じだから、本職から見たらそうなんだろうなあ。
最近はラブホが外国人に人気らしく、パスポートを見せなくても泊まれるからだそうだ。それはそれで治安的に良くないので、そういうところでもちゃんとしようという動きがあるそうだが、今度は中川大臣みたいな人が困ってしまう。昔は宿帳もいい加減で……みたいな流れで『宿屋の富』に入る。
やはりこの噺は「私に二番富が当たる」と言い張り、身請けした花魁との日常の妄想をループで語るうちにどんどんテンションが高くなっていくところが最高におかしい。
富くじの抽選の場面になって気づいたのだが、そういえば「当たったら半分お前にあげる」ってくだりがなかった。違う話の流れにするのかとも思ったけど、半分上げる約束ってのはこの噺の核だろうしそれは変えようがない。どうすんのかなと思っていたら、宿屋の主が番号を確認しに来た場面で「誰にも言ってなかったけど当たったら半分貰えるっていう約束になっていたんだ」と強引にねじ込む。「これで気兼ねなく番号を確認できる」みたいなことをいっていたので、裏では相当苦慮してたんだろうなぁ。

二席めはちょっと軽めに。
「ここでなにが始まるんです? ……行き倒れ? 江戸っ子のフラメンコ?」「粋だオーレじゃない!」というくすぐりがやたらおかしかった。
熊が行き倒れの顔を見ているうちに、「これ俺か? どっちかっていうと兄貴に似てるけど」「え? ……あ、これ俺だ!」とさらにこんがらがるのが面白い。

兼好師の二席め、先日高崎線で痴漢して捕まった警部補に触れ、「私痴漢したことないんでわからないんですが、あれってそんなに地位や退職金を捨ててまでやるほど楽しいもんなんですか?」私もしたことないんでわかりません。「しかも高崎線で。そんな大した顔の人いないはずですよ」黒い。
冒頭で鳶頭が呼ばれたところで「うちは爺さんの代からこのお店に出入りしてるから旦那の顔を見ただけで用件がすぐ分かる」といいながらも予想を全部外し、「お前んとこは爺さんの代から察しが悪い」と切り捨てられるのがおかしい。
本来なら清蔵が角海老に迎えに行ったときに、若旦那が「お前がいると酒がまずくなる。暇を出すから帰れ」という場面があるのだがそこはカット。この場面はいくら噺とはいっても胸くその悪いところだからなくてよかった。
清蔵が敵娼のかしく花魁にデレデレになる場面が長めで楽しい。

それにしても今日は両隣のおばちゃんがどっちも自分が考えてることがすぐに口に出てしまうらしく。
「(当たっている富くじを捨てた場面で)あ、当たってるのに! 誰かに拾われちゃう」とか「(清蔵に)お酒呑んじゃダメよ」とか、ここはアンタんチのリビングじゃありませんよー。それがもう気になってしまってまいった。止めたところで多分無意識だろうからなあ……。

さらに帰りの途中に雨が降り始める。おいおい天気予報では晴れのち曇りっていってたからバイクで来ちゃったよ。簡易的なカッパはあるからびしょ濡れにはならないものの、顔に当たる雨粒が痛い。
んーなんかせっかくの組み合わせだというのに、微妙にツイてない。
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