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三遊亭兼好 独演会 夜の部 [落語]

三遊亭兼好 独演会 夜の部
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

三遊亭けろよん『金明竹』
三遊亭兼好『三年目』
三増れ紋 曲独楽
三遊亭兼好『佐々木政談』

ファミレスで1時間ばかりで昼席の分のブログを書き上げて会場へ戻る。
我ながらいつもながら長々とした駄文だとは思う。ただ兼好師の会の場合、あまり時間はかからない。というのも兼好師の場合、マクラにもストーリーがあるので、いくつかキーワードさえ覚えておけばそれにつられてそういえばこんなことも言っていた、次にこんな話に繋げていったと思い出す。
逆にマクラで話があっち行ったりこっち行ったり戻ったり戻らなかったりする人や、とにかくいろんな話をダラダラとする人は「何話したっけ?」とかキーワードを覚えていても「なんでこんな流れになったんだっけ?」となって時間がかかったりするのです。まあどうでもいいことでしょうが。

けろよんさん、『金明竹』は初めてかな? 松公が結構腹黒い感じ。なんでそういう印象になるのかはよくわからないけれども。言い立てのところはちゃんと言っている内容を理解して喋ってる感じがする。あくまでも私の感想です。
さすがに上方弁は多少ぎこちなさを感じる。けどまあ俺だって上方弁はまるでわからないけれども。

兼好師の一席め、「今年はずっと暑かったのに急に涼しくなって、本当に秋が短いですね。これだけ温度差があると体調を崩す人も多いのではお気をつけくださいませ。昼席にいた弟子のげんきもさっき急に具合が悪くなったので帰しました」。あらら。明日横浜で一門会があるのに大丈夫かな。「だから全然元気じゃない。……ま、私も『けんこう』といいつつ不健康なので」。……え、「健康」と「元気」っていうつながり? 「さん生(山椒)」と「わさび」みたいな?
「最近はホント春と秋が短くて。だから季節の風物詩もズレてきましたよね。昨日、今年初めて蚊にくわれました。あいつらは暑すぎると活動しませんから、ようやく動き出した。もうね、夏に動けなかったんで、あいつら吸う! すっごい吸う。夏に落語に来られなかった人たちと同じ」。? 「夏は家族に『落語? 命かけてまで聞くもんじゃない!』と説得されて出かけられなかった人たちが秋にようやく落語会にくるんです。……こういう人は寝ます。いつもなら噺が終わっったら起きて拍手をしたりしますが、全然起きない。夏に来られなかった分寝る」。……よくわかりませんが。
「それに伴って人の価値観も変わってきてますね。最近では男の脱毛が流行ってるんですってね。木久蔵アニさん……親子でバカの……もやってるんですって。カネ払って植えるんならまだわかるんですが、カネ払って抜くってね……。毛の話題でいえば、カツラは北朝鮮人とインド人が髪を売ってるんですってね。で、最近はインドで女性が社会進出してるんで、髪を売る人が少なくなって高騰してるんですって。それで北朝鮮の人が売って外貨を稼いでるらしい。なのでアメリカが北朝鮮に髪を売らないように会談を申し込んだ。それが新聞に書かれて『カツラ米朝』……。これがいいたかっただけなんですけど……」。どこから嘘なのかがわからん。
「昔は髪型を好きに決めることはできなかった。特にボウズは『暑いからボウズにしよう』なんてできない。詫びを入れるとか、亭主の菩提を弔うとか、かなりの理由がないとできなかった。それも大家さんから許可証を貰うなどしないとできなかった」そうで。『大山詣り』かとも思ったが『三年目』に。『三年目』は4年振り。あまり他の噺家さんでも聞かない。
「お前が死んでも後添えは持たない」と旦那に宣言されて「すっごい嬉しい」とニヤける女房が「……でも、本所のおじさんはしつこい。あの人に説得されたら断れないのではないか」と険しい顔をするそのコントラストが楽しい。
そのしつこい本所のおじさんに押し切られて後添えを持つのだが、婚礼当日に女房の幽霊を待っている旦那が後添えのおかみさんに「もう寝なさい」といっても「女房が旦那様より先に寝るわけにはまいりません」と頑張る。「……話が外れるんですが、昔はそうだったんですってね。今はそんなことはほとん
どない」と夫が遅く帰ってきたときの妻の対応を4パターンを挙げる。「ひとつは起きて待って小言を言う。次に待たずに寝てしまう。あとは寝ていると見せかけて寝床に入ると『どこ行ってたの』と脅かす。一番いいのは寝たふりをしていて、なにかあったら起きて介抱してくれるというパターンですが、……残念ながら1972年に絶滅しました」。
ようやく幽霊となって出てきた女房に、「恨むなら本所のおじさんのところへ出ればいいじゃないか。……出てきた? アワ吹いて倒れた?」というのが細かくて楽しい。

れ紋姐さんは先ほどと独楽回し自体は同じなのだが、漫談(?)は結構変わっていた。まあ回さない回さない。

兼好師の二席め、「面白い姐さんですね……」とれ紋姐さんについて触れると舞台袖かられ紋姐さんが登場。舞台で使用したハロウィンの帽子とマントを身に着け、消毒液を噴霧しながら高座の後ろをウロウロ。「……いいから帰りなさい」と兼好師が苦笑い。「あんな姐さんですけど、……」と話すとまた出てくる。
「最近の子どもたちが『将来なりたいもの』が変わってるみたいで、YouTuberとかが上位なんですってね。大谷くんの頑張りで野球選手が盛り返したり、藤井くんのお陰で将棋棋士なんかも出てきているらしいですが、最近は『総理大臣になりたい』って子がいないらしいですね。まあ民主主義ってそうなんですよ。皆さんの周りで優秀な人ってどれくらいいました? せいぜい1~2割でしょ。普通の人が3割くらい。後はおバカなんです。その中から選ばれる人たちですからたいしたことないんです。そこからさらに選ばれていくんで、バカが濃縮されていくんでしょうかね……。岸田さんもね、なんか面白くないんですよ。麻生さんとか森さんみたいにどこかおちょくれるところがある人は面白いんですけど、岸田さんは落語にもならない」。
憧れの職業のごっこ遊びから『佐々木政談』に。
兼好師のこの噺は佐々木信濃守の部下の三蔵がいいキャラをしていて楽しい。
白吉の父親が常識人で、白吉がなにかとんでもないことを言い出すたびに気絶するのがおかしい。
問答の場面で白吉に与力の悪口を言わせるような問いをしないのも兼好師らしい。

夜はさすがに肌寒い。キッチリと上着を着込むが足のほうが寒い。とはいえ股引にはまだ早いしな……。
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三遊亭兼好 独演会 昼の部 [落語]

三遊亭兼好 独演会 昼の部
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

三遊亭けろよん『転失気』
三遊亭兼好『短命』
三増れ紋 曲独楽
三遊亭兼好『へっつい幽霊』

ちょっと遠いので電車で行くかバイクで行くか少し悩む。今日は昼夜どちらの回も行くのでまーたブログの更新に時間が取られる。電車で行けば少しでも書けるし、行きは本が読める。朝起きたら薄曇りだったので、こんな天気なら電車で行くかーと思ったが、いざ出かける段になって太陽が出て雲が薄くなってきた。
んー、だったらやっぱりバイクかー! と結局バイクで。金木犀の香りがそこかしこからほんのり漂ってくるし、空気は爽やかだし、やっぱり気持ちいい。

けろよんさん、なんかもうどんどん上手くなっていくなあ。前座2年目でしょ?
「んんんんん、え、なに?」というような聞き方が兼好師っぽい。というかやっぱり一門はみんなそういう細かいところが似るよね。

兼好師の一席め、「最近は明るい話題が少なくて……。藤井くんくらいじゃないですか。すごいですよね、八冠ですよ。そもそもプロになること自体がすごいことなのに、さらにその中でタイトルを全部獲ったんですよ。本来他の棋士を目の前にして『このヘボども』っていったっていいくらいの立場ですよ。でも彼は謙虚だからそんなことはしない。名人になった時だったか、記者に『登山でいえばいま何合めですか』って聞かれて『森林限界くらいですかね』って答えたんですよ。そもそも噺家は『森林限界』って言葉すら知らない。ウチの師匠なんて『森林限界はわからないけどお酒なら八合ぐらいいけるな』っていってましたから。普通ならこんなに強かったら悪役というか、『誰が彼を倒すんだ』という楽しみが出てくるんですけど、彼は悪役にならないですからね。なれないというか。半分寝ているラクダみたいな……」。なんかわかる。渡辺明九段とか悪役っぽかったけど。
「そうなるともう悔しいからなんか失敗してほしい。結婚とか……。結婚くらい『九冠は無理だったね』とか言いたい。野球の大谷くんも『あんなボール球に手を出した』とか。でも藤井くんにしても大谷くんにしても、あれだけ謙虚で頭が良くて人が良さそうな人のところには釣り合う人がくるんでしょうね。最近結婚した羽生結弦くんもはおかみさんの情報が全然出なかったんですが、8歳上なんですってね。……あ、私、週刊誌の見出しの情報だけでしゃべってますからホントかは知りません。そしたらウチのマンションの結弦ファンが『だったらアタシでもよかったじゃない』って……。アンタ32歳上でしょ! でも羽生くんの奥さんはすごいお嬢様なんですってね。見出しの情報によれば。やっぱり釣り合う人じゃないと無理なんですよ、朝起きたらきっと3回転して『おはよう』って言ってくるんですよ」とどういう偏見?
夫婦は釣り合うという話題から『短命』に。
何度聞いても八っつぁんの焼香の場面はおかしい。「焼香が終わった後にご遺族に『ご馳走さま』っていうとドカンとウケる」ってのはなんというか平和だなあ。
短命のわけをいろいろと説明して、目をくわっと見開いて「短命だろう」というご隠居と、それを見てポカンとする八っつぁんの表情のコントラストも楽しい。

れ紋先生、10年以上前に初めて見てすっかりファンになったのだが、なんせフリーのためかわら版に名前が出ておらず、追っかけようにもどこに出ているかわからない。今日は5年ぶりに見られて嬉しい。
それにしてもまあしゃべるしゃべる。しゃべってばかりで全然独楽を回さない。曲独楽界のアサダ二世か。
「兼好師匠は羽生くんのことを話してましたけどアタシは宇野昌磨くんの方が好き」とか知りませんがな。

兼好師の二席め、「金がすべての世の中とはいいますが、この前は学校のプールの水を出しっぱなしにしてしまった先生が、校長先生と一緒に給料から半額払うことになったんですって。あとどこかの役所で税金を3千万くらい取りはぐれて、それを担当者が弁償することになったそうです。『ミスしたんだから当然だろ』と思うかもしれませんが……。でもそれだったらいつも思うのは、オリンピックだとか万博だとか、最初は『この予算でやります』っていっていたのに、いつの間にか140億とか上乗せされてるんですよ。そのお金はどこから出てるんですか。そのお金を政治家の先生が出すべきなんじゃないですか」。それは確かに。会場から拍手が起きる。「140億もあったら日本中の学校で水出し放題ですよ」。
「お金に気が残りながら死ぬと幽霊になる」というところから『へっつい幽霊』に。
最初に道具屋に泣きながらへっついを返品しにくるのが上方からの男なのだが、どうしてもその話し方が上方落語かのように聞こえて楽しい。たまさんとかそんな感じ。
へっついから出てきた大金を半額もらっても最初の約束の50銭を忘れない若旦那に、「自分では商いに向いてないといっているが、そういうところが商人なんだ。今からでも親に詫びを入れて家に戻れ」と諭すのが優しさがある。
左官の長兵衛の幽霊は軽く頼りない感じなのだが、幽霊になった理由を話す時だけおどろおどろしくなる。それを熊さんに脅され、「スイマセン、こういう時は重々しく話した方がいいのかと思って!」と言い訳するのもおかしい。

夜席までの間にファミレスに入って急いでここまで書き上げる。Bluetoothキーボード持ってきただけはある。
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