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第六十九回 よこはま落語会 三遊亭兼好・春風亭一之輔二人会 [落語]

第六十九回 よこはま落語会 三遊亭兼好・春風亭一之輔二人会
於:横浜 横浜市西公会堂

春風亭いっ休『桃太郎』
三遊亭兼好『のめる』
春風亭一之輔『花見の仇討』
春風亭一之輔『浮世床(本・夢)』
三遊亭兼好『明烏』

宮治師との二人会が終わり、やや時間が空く。
ファミレスとかで時間潰してもいいのだが、会場の周りには安く昼飲みをしてる店がたくさんある。
結局ハイボール2杯をトマト玉子炒めなどをツマミに飲む。
余裕を持って会場に戻ったつもりだったが時間を間違えたらしくすでにいっ休さんは「昔の子どもの場合」まで終えていた。あっぶね。
しかしいっ休さんは達者ですな。

兼好師の一席め、最近はコロナ、官僚の接待、政治家の不祥事、宮治の昇進と嫌なニュースばかりですね、とさらっと毒を混ぜて話し出す。
そんな中で明るいニュースは大坂なおみの優勝だという。といってもプレーにはあまり興味はないようで、インタビューのときの声が好きなのだとか。彼女は180cm以上の背丈があるし、鍛えているので身体もゴツいのに、どこから出ているのかわからないような高い声がギャップがあっていいのだという。
彼女は見た目と声のギャップがあっても受け入れられている数少ない例で、噺家などは見た目と声が合わないと売れないのだそうだ。
「一之輔くんだってあの見た目、アジア系が混ざったイタリアンマフィアでパスタ食べながら人が撃てるあの見た目に合った声をしてる」とわかるようなわからないような冷静を挙げる。
話しながら思い出したのか、「例外は白酒師匠ですかね。だってあんな面白い見た目してるのにあんないい声してるなんて……。声だけ聞いたらもっと背が高くてシュッとした人を想像しますよ」とすごく失礼ながらもとてもよくわかる例を出す。
『のめる』は最近よく聴く印象だったのだが、前回聴いたのは8月。思ったよりもあいていた。
やはり「いっぺえ呑める」の八っつぁんの無邪気っぷりが楽しい。

一之輔師は今年初。
「兼好師匠は昼の会もトリをとったみたいですが。仕方ないんですよ、先輩なんですから。こういう二人会では先輩がトリというのは決まりみたいなものですから」と話す。私は基本土日しか落語行けないので平日とか地方の会はわからないが、このふたりの二人会って結構レアなのでは……? 二ツ目時分にはよくやってたような気もするのだが。私自身は7年ぶりだった。いろんな人が出る会で共演してることは多いが。いやだからなんだって話ではあるのだが、なんとなーく二人会の場合は出番順で毎回攻防が繰り広げられていそうなイメージ。
「それにしてもあの兄さんはホント腹黒いですからね。見た目はいい人そうなのに。いるじゃないですか見た目から『性格悪そう』って感じの人が。紫の着物着てる人とか」というが、笑点のあの師匠のことなのか、一之輔師も今日紫の着物だしどっちなんだろ。書いてはいないが一席めのマクラの「声のギャップ」でさん喬師にも触れており、「さん橋師匠についてみんな思ってても言わなかったことを言ってしまうなんて。……圓楽一門はヤバい」。
「その圓楽一門の中で、あんな顔してますけど『自分が一番』だと思ってる」。……え、だって事実だから仕方ないんじゃないですか。そらまあ知名度とかは笑点メンバーにはかなわないだろうけど。
一之輔師は花粉症ではないらしいのだが、この季節は「花粉症大変ですね」と言われるのだとか。あの鼻にかかった声がそうとられるらしい。花の季節を少し先取りして『花見の仇討』に。
六十六部役である六さんの本所のおじさんのキャラが強烈で秀逸。耳が遠くて話を聞き返すときに「『パスタ食べながら銃を撃つ』とはなんだ!」と兼好師のパスをきっちりと受けるのはさすが。

二席め、やっぱりこういう若い男がわーわー言い合ってる噺はなんか無性に楽しい。一之輔師自身が「部室のノリの落語」といっているジャンルなのかな。男子高校生がふざけてバカ話をしているのを隣で聴いているような感じ。

兼好師の二席め、若旦那の天然なところが際立つ。おばさんに手を取られて「触れられると瘡をかく」といってしまい、思いっきり笑顔でひっぱたかれるのもおかしい。
また、町内の札付きである源兵衛の突き抜けた明るさも楽しい。
さすがにここらへんまでくるとハイボールの余波が出てきてしまう。ということで感想薄め。うーんやっぱり会の前にアルコール入れちゃうのはあんまりよくないな。
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第六十八回 よこはま落語会 三遊亭兼好・桂宮治二人会 [落語]

第六十八回 よこはま落語会 三遊亭兼好・桂宮治二人会
於:横浜 横浜市西公会堂

三遊亭しゅりけん『一目上がり』
三遊亭兼好『紀州』
桂宮治『大工調べ』
桂宮治『お菊の皿』
三遊亭兼好『徂徠豆腐』

なんか薄曇りで微妙に肌寒い。

兼好師の一席め、宮治師の真打披露興行に触れ、「このコロナの時期に当たったら普通は心折れますよ。なのにパーティーもちゃんとやって。……まあ料理は出さないけど」。馬るこ師がパーティーの様子をポッドキャストで話してたが、エビアンの小さいペットボトルだけだったそうな。
「真打昇進披露はまあ噺家生活の中で一番のイベントでしょう。大きな名前でも襲名しない限り。それをスタートに大きく羽ばたく人と、それをゴールとして記念にしてしまう人がいますが」となかなか辛辣なひと言。宮治師は明らかに前者だろうが、後者の人も結構いそうだよなあ。
兼好師の『紀州』は2回め。軽い噺だし、ホール落語だとあまり当たらないのかもしれない。
吉宗が「しかしながら」の任官を受けたというところで「この『しかしながら』というのはいけません。一度断るのは日本人の美徳じゃないですか。謙って話すのも『まさか向こうは額面通りに受け取らないだろう』という思いがあるから言うのであって、『愚妻です』と紹介して『ああ愚かしそうですね』なんて答えられたら大変なことになりますよ」と憤ってみせる。「王楽くんが『今日は割り勘にしましょう』と言ったのに萬橘くんが『しかしながら』と断って払わされたのが腹が立つ」と私憤につなげるのがおかしい。

宮治師、寄席の真打昇進披露興行の最中にこんなホール落語もこなすとは。
これだけ毎日寄席があると新宿を終えて浅草の半分くらいで朝起きたときに「今日も寄席かあ〜」と思ってしまうのだとか。まあ何十日も毎日出勤して周りに気を遣って……となるとそうなるだろうなあ。
「後輩とかが『兄さん手伝いにきました!』ってくるんだけど、高い弁当と祝儀きったりしなきゃならないから途中から『くんな!』って思うようになる」そうだ。
新宿も池袋もひと席おきということができていないらしく、「緊急事態宣言治癒ってわかってるんですかね?」とのこと。浅草は座席はひと席ごとになっていたが、そのかわり立ち見はギッチリ入れたそうで、「花とかたくさんいただいていたのに、『花があると人が入れられない』って撤去していた」らしい。
さすがの宮治師も疲れが隠せないようで、空元気というか無理にテンションを上げているようにも見える。
らしくないいい間違えや噛んだりするところもありつつ、言い立てはキッチリと乗り切る。
言い分としては大家の方が正しいのだろうが、言い方が嫌味ったらしく、因業ぶりが際立つ。

宮治師の二席め、「この会場は初めてですが、……なんかいますね。池袋と同じ空気がする」と池袋演芸場の楽屋で起きる怪奇現象を話す。「これマジですからね。話してて鳥肌立ってきた」。まあ池袋って土地自体が結構オカルト的だからなあ。ちなみに私は幽霊系のオカルト大好物です。
そんなところから時期外れの『お菊の皿』に。
徐々にスレていくお菊の様子がおかしい。宮治師だけに大げさなのが楽しい。

兼好師の二席め、おめでたい噺なのは宮治師へのご祝儀か。
上総屋吉兵衛の女房がヤキモチ焼きで、徂徠へ差し入れしてるのを「おからで女を口説いてるんだろう!」とねじ込んでくるのがおかしい。
そのくせ火事で焼け出された後に誰かから渡された十両を前に、皆で「これは『置いてく詐欺』じゃねえのか」と言ってるときに、「あたしのことを手に入れようと……?」と独り合点し、周りもなんだかんだでその説を受け入れているのも兼好師らしい。

今日はこの後に一之輔師との二人会も。2時間近く空くのか……。
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