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第六十八回 よこはま落語会 三遊亭兼好・桂宮治二人会 [落語]

第六十八回 よこはま落語会 三遊亭兼好・桂宮治二人会
於:横浜 横浜市西公会堂

三遊亭しゅりけん『一目上がり』
三遊亭兼好『紀州』
桂宮治『大工調べ』
桂宮治『お菊の皿』
三遊亭兼好『徂徠豆腐』

なんか薄曇りで微妙に肌寒い。

兼好師の一席め、宮治師の真打披露興行に触れ、「このコロナの時期に当たったら普通は心折れますよ。なのにパーティーもちゃんとやって。……まあ料理は出さないけど」。馬るこ師がパーティーの様子をポッドキャストで話してたが、エビアンの小さいペットボトルだけだったそうな。
「真打昇進披露はまあ噺家生活の中で一番のイベントでしょう。大きな名前でも襲名しない限り。それをスタートに大きく羽ばたく人と、それをゴールとして記念にしてしまう人がいますが」となかなか辛辣なひと言。宮治師は明らかに前者だろうが、後者の人も結構いそうだよなあ。
兼好師の『紀州』は2回め。軽い噺だし、ホール落語だとあまり当たらないのかもしれない。
吉宗が「しかしながら」の任官を受けたというところで「この『しかしながら』というのはいけません。一度断るのは日本人の美徳じゃないですか。謙って話すのも『まさか向こうは額面通りに受け取らないだろう』という思いがあるから言うのであって、『愚妻です』と紹介して『ああ愚かしそうですね』なんて答えられたら大変なことになりますよ」と憤ってみせる。「王楽くんが『今日は割り勘にしましょう』と言ったのに萬橘くんが『しかしながら』と断って払わされたのが腹が立つ」と私憤につなげるのがおかしい。

宮治師、寄席の真打昇進披露興行の最中にこんなホール落語もこなすとは。
これだけ毎日寄席があると新宿を終えて浅草の半分くらいで朝起きたときに「今日も寄席かあ〜」と思ってしまうのだとか。まあ何十日も毎日出勤して周りに気を遣って……となるとそうなるだろうなあ。
「後輩とかが『兄さん手伝いにきました!』ってくるんだけど、高い弁当と祝儀きったりしなきゃならないから途中から『くんな!』って思うようになる」そうだ。
新宿も池袋もひと席おきということができていないらしく、「緊急事態宣言治癒ってわかってるんですかね?」とのこと。浅草は座席はひと席ごとになっていたが、そのかわり立ち見はギッチリ入れたそうで、「花とかたくさんいただいていたのに、『花があると人が入れられない』って撤去していた」らしい。
さすがの宮治師も疲れが隠せないようで、空元気というか無理にテンションを上げているようにも見える。
らしくないいい間違えや噛んだりするところもありつつ、言い立てはキッチリと乗り切る。
言い分としては大家の方が正しいのだろうが、言い方が嫌味ったらしく、因業ぶりが際立つ。

宮治師の二席め、「この会場は初めてですが、……なんかいますね。池袋と同じ空気がする」と池袋演芸場の楽屋で起きる怪奇現象を話す。「これマジですからね。話してて鳥肌立ってきた」。まあ池袋って土地自体が結構オカルト的だからなあ。ちなみに私は幽霊系のオカルト大好物です。
そんなところから時期外れの『お菊の皿』に。
徐々にスレていくお菊の様子がおかしい。宮治師だけに大げさなのが楽しい。

兼好師の二席め、おめでたい噺なのは宮治師へのご祝儀か。
上総屋吉兵衛の女房がヤキモチ焼きで、徂徠へ差し入れしてるのを「おからで女を口説いてるんだろう!」とねじ込んでくるのがおかしい。
そのくせ火事で焼け出された後に誰かから渡された十両を前に、皆で「これは『置いてく詐欺』じゃねえのか」と言ってるときに、「あたしのことを手に入れようと……?」と独り合点し、周りもなんだかんだでその説を受け入れているのも兼好師らしい。

今日はこの後に一之輔師との二人会も。2時間近く空くのか……。
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