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第5回 小辰の寸法 [落語]

第5回 小辰の寸法
於:人形町 日本橋社会教育会館

入船亭小辰 ご挨拶
柳亭市坊『転失気』
入船亭小辰『一目上がり』
入船亭小辰『棒鱈』
入船亭小辰『心眼』

昨日の小辰さんの『鰻の幇間』が頭に残ったのか、鰻がやたらと食べたくなる。
なので昼は奮発して新宿に出て彼女と鰻を食す。
『鰻の幇間』とは違ってしっかりと美味しい。
そういや最近ワンコインでうな丼を食べさせるチェーン店があり、近所にもあるので2回ほど行ったことがあるが、そこで出てくるのがまさに『鰻の幇間』の鰻。「関西風」と言い張って蒸さないもんだから身はシコシコと固く、皮はゴムのように伸びて箸で切れない。脂はロウソクのようにニッチャニッチャと気持ち悪く、これじゃ鰻も浮かばれまい。

その後、去年に引き続き入谷の朝顔市に。
とはいえベランダに去年の鉢が出っぱなしになっており、今年は買うことはまかりならんと仰せつかっているので購入は自重する。
すげえ日に焼けた。
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Nikon Df

さて2日連続で小辰さん。
いつもは平日らしいが今回は日曜ということで初めて行く。

最初のご挨拶、高座に座ってめくりも出ているので一席めのマクラだと思っていたら噺に入らずに引っ込んだ。
歌丸師に触れ、実際には前座になりたての頃に一度しか会っただけらしいが、ものすごく丁寧に挨拶をしてもらったという。「売れるっていうのはこういうことなんだな」と思ったそうな。とはいえそれっきりだし別の協会の会長だし、それ以上の感想は……とのこと。「お客さんたちも今日この時間にここにいるってことはあまり興味ないんでしょ?」あっ……そういや録画すんの忘れてた。
あとは昨日も話していた、落語講座の後に一席やったら「それはなにが面白いんですか!?」と爺さんに聞かれた話とか。よっぽど腹に据えかねていたのか。

市坊さん、小辰さんのご挨拶で「最近坊主頭が伸びてきて、ヒゲも濃いので泥棒みたいになった」と紹介されていた。
出てきて「あーーーー」と納得。伸びた坊主頭が五右衛門っぽい。
せっかくそんなフリをしてもらったんだから泥棒の噺すればいいのにー。もったいない。

小辰さんの一席め、市坊さんに触れて「柳亭小市馬誕生ですね」。ただ自分もよく師匠に似ているといわれるが、それは嫌だという。あんなに師匠大好きなのに?
二ツ目に上がってからあまり演らなくなった噺もちゃんと演らなくては、ということで前座噺を。確かに小辰さんの前座時代はほとんど聴いていないので『一目上がり』も初めて。
隠居の家を訪ねてきた八っつぁんが建て増しの普請を褒めるところから始まる型は初めて聴くかも。
トントンと小気味よく噺が進む。

二席めの『棒鱈』も初めてか。
酔っぱらいの熊と田舎侍の場面転換がくるくると忙しい。他の演者よりも多い気がする。
田舎侍の唄の場面はヤケクソっぽいくらいまで振り切れていた。

三席めはネタおろし。
登場人物の気持ちがわからないまま演っている噺は多々あるのだが、この噺はその最たるものだという。
『心眼』は扇辰師で一度聴いたことがあるくらい。
確かに主人公の梅喜の心の動きはよくわからない。というか梅喜は生まれながらの盲ではないのかな。そこらへんの説明がもう少しあってもいいかもしれない。

終演後に小辰さんが挨拶に出ていたので聞いてみるとやはり扇辰師からの噺だという。
「なのに師匠に似ているといわれるのは嫌なの?」と聞くと「殻を破らなきゃいけないのに同じじゃしょうがない、ということと、似てると単純に師匠に嫌われる」という。確かに扇辰師も「弟子は俺に悪いところばかり似るんだ。見ててイライラする」というようなことも言ってたなあ。どこが悪いポイントなのかはよくわからんけど、兼好師も同じこと言ってたしそんなもんなのかねえ。
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