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東海道神奈川宿寄席 [落語]

東海道神奈川宿寄席
於:神奈川 星槎学園高校横浜ボートサイド校

三遊亭しゅりけん『子ほめ』
三遊亭兼好『大安売り』
雷門音助『転宅』
雷門音助『春雨宿』
三遊亭兼好『雛鍔』

兼好師の一席め、前座はしゅりけんさんくらいでちょうどいいという。前座の仕事というのは客席でざわついているのをとりあえず高座に集中させることであり、変にちょっと上手い前座だったりすると「ん、こいつ上手いな」とか「いや、俺はそんなに好きじゃない」とかいろいろ感想が出てきてしまって集中できなくなる、その点しゅりけんなら皆して「心配」となるので心がひとつになる、とのこと。ひどい理屈だがなんとなくわかるような。
噺は「親方や」「ご贔屓衆たちの」というセリフに合わせた仕草がとにかくおかしいう『大安売り』。
今日は「名前を『大安売り』にしようと思います。誰にでも負けます」というタイトルに合わせたセリフが入っていた。そういやこの噺がなせ『大安売り』なのかという説明は今までなかったかも。

音助さんの一席め、噺家は高座からお客さんを見てネタを決めるのだが、客層も見るという。若いカップルがいれば色恋が絡む噺、威勢のいい人が多そうなら芝居や喧嘩の噺、など。で客席をぐるっと見回して「泥棒の噺をします」。
『転宅』は噺自体聴くのが久しぶりだなあ。
お菊が必要以上に色っぽかったりせず、自然な感じ。

二席め、最近では札幌の仕事だと日帰りになってしまい、旅の仕事はほとんどないという。
こないだも北海道の仕事で食事に出る時間もなく、用意されていた弁当を食べたのだが、弁当でも北海道だから美味しいだろうと思っていたら製造地は八王子だったという。
旅のマクラから『春雨宿』に。
昔昔亭桃太郎師の噺らしいが、聴くのは初めてかな。
「君塚温泉」が「ケメ塚温泉」に訛るやり取りがおかしい。
舞台は現代だが、『三人旅』とか『七度狐』のような古典的な雰囲気がある。

兼好師の二席め、音助さんは奥さんを旅の仕事先である北海道で見つけたという。しかも仕事先のお嬢さんで前座の頃に知り合って、二ツ目に昇進したあたりで結婚したそうだ。「と、いうことは」。旅の仕事の前座というのは大抵ひとりしかいないのでものすごい忙しさなのだという。「そんな中で女性を口説く時間なんかあるはずないんですよ。あるとすれば師匠の高座中くらい。でもそんな短い間だけで結婚にまで持ち込めるわけもない。つまり彼はその時は仕事をしてなかったはず」と名推理を披露する。それはけしからん。
こないだ一之輔師でも思ったけど、この噺の登場人物たちは他の噺に比べて教養が高い。お互いにお互いを「モノを知らない」と話す夫婦の会話が楽しい。

終演後は前回と同じ中華料理屋で打ち上げ。
飲み放題のコースなのだが食べきれないほどの料理が出てくる。腹一杯。
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