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第48回 僕のらくご道 三遊亭天どん独演会 [落語]

第48回 僕のらくご道 三遊亭天どん独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭天どん『新作(褒められたい)』
三遊亭ごはんつぶ『スクキャット』
三遊亭天どん『文違い』
三遊亭ごはんつぶ『陰謀論者』
三遊亭天どん『二番煎じ』

浜松町から一度家に戻って少し休憩してからバイクで中野へ。

オープニングトーク、ビッグバンドのBGMに合わせて天どん師が登場。
「主催の人がね、調子悪いって帰っちゃったんですよ。そしたらいつもどの音楽で出てきたのかわからなくなっちゃって」だそうだけど、そもそもジャズだったっけ……?
「新作と古典それぞれネタおろししますよ。新作はね、昨日作りました。なんか原作者の問題とか今あるでしょ、それを取り入れていたら僕の黒い部分が出てきてしまってやめました」とのことだが、そんなにすぐにできるもんなんだ。すげえな。
「古典はね、よくないね。いやネタ自体が悪いわけじゃないんだけど。やってみたら楽しくなったりするかもしれないと思ってたらそうでもなかった」そうで。
「……ねえみなさん聞いてます? どういうつもりできてるんですか。ひとりずつ聞いていきますよ」と客席にも絡みだす。

出囃子はいつもの『松の木小唄』ではなくそのままビッグバンドの曲で。
一席め、スナックに入ってたふたり組、片方の第一声が「あー仕事頑張りたくねえ~」。ものすごく同意です。
片方がスナックの美人ママになぜか「いい男ねぇ~」気に入られたようが、このママの好みが特殊で、イケメンの客は出禁で、差し入れとして乾パンを持ってくるようなオッサンがお気に入りという。……なんかよくわからない。

二席めでは「さっきの噺、僕的にはすごく好きなんですけど。皆さん的にはそうでもなかったみたいですね」。
騙し騙されのマクラだったので『三枚起請』かとも思ったが、『文違い』に。
ネタおろしなので特に大きなアレンジをせず、スタンダードな形で。三席めのマクラでは「今後はどうしていくかを考えてやっていきます」とのこと。
女郎のお杉が芳次郎の手紙を読んでパニックになる様子はいかにも天どん師らしくてそれが楽しい。そしてそのお杉の手紙を読んでパニックになる半七のリアクションがお杉と同じなのがおかしい。

ごはんつぶさんの二席めは先日も聞いた『陰謀論者』。内容はほぼ同じだが構成や小道具を少し変えてきた。
というか落語協会のロゴが噺家がお辞儀しているところをデザイン化しているものなんだと初めて気づいた。

天どん師の三席め、「今日の天気を操りましたよ。一昨日やったら怒るでしょ、『もう暑いよ!』って。今日くらい寒いとちょうどいいですよね」と『二番煎じ』に。
天どん師のは一の組と二の組がなく、宗介さんだけ残して全員で火の回りに出かける。
見回りの間もきゃっきゃきゃっきゃしてるが、飲みに回った場面でずーっとおじいちゃんたちがイチャイチャしていていろんなことをやっている。コレなんでもできるし入れ替えも自在なので面白いなあ。
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第68回三田落語会 昼席 [落語]

第68回三田落語会 昼席
於:浜松町 文化放送メディアプラスホール

柳家小きち『真田小僧』
春風亭一蔵『短命』
春風亭一朝『転宅』
春風亭一朝『鮑のし』
春風亭一蔵『子別れ』

何気に一蔵師は今年初か。
昇進して「一蔵ひとりの会」がなくなったからなあ。

前座の小きちさん、一蔵師によれば国際基督教大を出て自衛隊の少尉に当たる階級まで昇進した挙句に噺家になったとか。
口跡もよく達者なのだが、なぜかそれが笑いに繋がらない。なんか間が溜めすぎなのかな。

一蔵師の一席め、「私は由緒正しい都立田柄高校出身ですから!」と逆の学歴自慢。最近ではこちらの方が珍しいんだろうなあ。
今日は朝から仕事があり、この三田落語会のために無理矢理30分繰り上げてもらったのだとか。9時半開演の落語会てすごいな。
「無理をいって繰り上げもらったんで、お客さんもちょっと機嫌が悪い。そんな中を一席めは軽い漫談みたいな話をして、二席めにちゃんと聞かせる噺を持っていったんです。そしたらその街で明日選挙があるらしくて、3分おきに選挙カーが」とその様子を面白おかしく話す。「うるさいけど、『しめた、これで三田落語会で話すことができた』と思ってしまった」と相変わらずマクラのネタ探しをしているようで。
『短命』はよく聴いていたネタだが、一蔵師のは一年半ぶり。
ちょっと『いろはで悔やみ』『寿限無で悔やみ』がやや雑になってきているような……。

一朝師の一席め、「ウチには弟子が10人いるんですが、アレが一番心配。まあ無事に一人前になってくれましたが……」だそうな。
「弟子入りにきたときも、私は気づかなかったんですがカミさんが『新しくきた子、ピアスしてるじゃない』と……。『それにセカンドバッグがルイヴィトン』って俺より金持ってんじゃねえかって」と入門当初の様子を話す。
「どうして九両三分二朱」や「万年も生きよおと思う亀吉が十両盗んで首がスッポン」の泥棒のマクラから『転宅』に。
食べ残しのごちそうを盗み食いしてるときなど、泥棒がなんとも呑気で楽しそうな雰囲気を最初から最後まで纏っているのがいい。

二席め、先日一蔵師と一緒に福岡に行った話を。福岡で水族館にも行ったそうで。「カミさんが行きたいっていったんだけど、一蔵は露骨にイヤな顔をしてたね。でもイルカショーでは一番はしゃいでた」とのこと。一朝師はペンギンがお気に入りだったようで、「一蔵に『かわいいな』と言ったら『かわいいですね、飼育員の子』だって。お前はどこ見てんだ」。
一朝師の若手時代に先代柳朝師といろいろ行ったというエピソードを。まだまだおおらかな時代で、一緒に露天風呂に入った際に柳朝師が女風呂を覗きに行った話を。「岩を伝って覗きに行って『見えた見えた』っていうんだけど、岩で胸が傷だらけ。そこまでしてやることじゃねえだろと……。そんで次の朝見たら、その岩場が断崖絶壁で……ゾッとした」。今じゃできないでしょうな。
甚兵衛さんがふわふわしていてかわいらしい『鮑のし』。熨斗の根本を教えてもらってるときに「後家でいけずやもめでいけず、仲のいい夫婦が熨斗の上で夫婦の営みを行って……」とそこまで表現されたのを聴くは初めてだ。

一蔵師の二席め、「福岡の水族館ね、行きましたよ。その日は披露目の会でトリなわけですよ。そりゃイヤな顔しますよ。その時は師匠とおかみさん、それと妹弟子の一花と文蔵師匠も一緒だったんですけど、師匠とおかみさんが老夫婦、そんで私と一花が若夫婦みたいに見えるんですよ。で、文蔵師匠が『職に就かない叔父さん』みたいな雰囲気に……」。
「イルカショーはね、私はどうしてもボート目線になってしまって。『お、アイツ差せるんじゃねえか』なんてね」と道楽の話から三道楽で身を持ち崩した噺に入る。
一蔵師のは番頭さんがすべて仕組んでお膳立てをしている型。
二ツ目時代はわかりやすくクサさがあったが、真打になってそれを抑えるような感じになっているようだ。
そろそろまた土日に勉強会とかやってくれないかなあ。
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