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扇橋・朝枝のガリ勉3 [落語]

扇橋・朝枝のガリ勉3
於:高田馬場 ばばん場

オープニングトーク
入船亭扇橋『悋気の独楽』
春風亭朝枝『六郷のたばこ』
春風亭朝枝『加賀千代』
入船亭扇橋『薮入り』

朝起きて猫にご飯あげて二度寝して猫のトイレ掃除とついでに人間のトイレ掃除して昼飯食いついでに靴やTシャツを買って落語に。……うんやっぱりゲームする時間なんてねえな。

まずはトークから。
前回朝枝さんが出囃子が鳴ってからもなかなか高座に上がらなかったので袖の扇橋師から「小三治か!」とツッコまれていたが、その話など。ばばん場の楽屋は高座の裏にあるのだが、そうすると楽屋を出発して袖に行くまででようやく半分で、そうなるともしそこにカフェがあるなら入りたいくらいなのだという。??? 扇橋師も「それはもうカフェだろう!」とよくわからないツッコミ。
さらにトークがあると朝枝さんは「フォームが崩れる」らしい。高座の前に長い時間トークをしているとそっちにひっぱられてどういうトーンで落語を話せばいいのかわからなくなるらしい。「あとアニさんは近所の仲のいい先輩みたいな感じで、先輩の家に遊びに行っているような感覚になる。それを切り上げて『帰ります』『なんだよ、夕飯食べてけよ』『いや、家でカレーらしいんで』『そうか、じゃーなー』『……カレーか……』みたいな感じで家路についているテンションなんですよ、高座に上がるときは」とさらに分かりづらい例えをぶっ込んでくる。
その後、朝枝さんは夏物の着物を一着も持っていないそうで、今日も単衣らしい。なお扇橋師は麻の着物。「えー、後ろの人は違いわからないでしょ?」と朝枝さんは言っていたが、麻物くらいは遠目でも見てわかるよ……。
「なんで作らないの?」「今年は作ろうと思って……」「今年の夏物は今から作ったら間に合わないだろ!」「まあそうですね、でも作ってもらいますよ」「その『作ってもらう』っていうのは誰かお旦におねだりするってこと? それとも職人さんにってこと?」というような話になるが、どうにもお互いの会話がなんだか噛み合わない。
それから朝枝さんは仕事には頑なに着物を一枚しか持ってこないそうで、どうも着物にはまったく頓着していない様子。

扇橋師の一席め、日曜の夜にこれだけ集まってもらってありがたいという。「我々は曜日の感覚というものがないのですが、最近は日曜に家に子どもがいる。それに足を剥離骨折しているので外にも行かない。今日も私が仕事をしているリビングのテーブルのところに来て『父ちゃんここにロープウェイを作るからどいて』といわれた。自分の机からロープを張って遊ぶんですって。ロープを張ってどうするのかなと思ったら、レゴの人形の足にロープを通してた。逆さ吊りになった人形が落ちていくんですよ。あれウチの子サイコパスかな? ……将来朝枝さんみたいになっちゃうんですかねえ」と苦笑い。でもまあ子どもなんてそんなもんじゃないですかね。いないからしらんけど。俺も子どものころ余ったキン消しの手足を切って他の超人にくっつけてたら母親に心配されたことがあったっけ。でもキン肉マンは他人の手足を結構簡単に奪ったりするから原作通りといえば原作通りなんだけど。
閑話休題、昔は妾を持つことも常識のひとつだったと噺に入る。なんでそんな話の流れになったんだっけな……。
旦那が出かける場面でお内儀さんが「お着物は単衣のままですけどよろしいんですか!?」とさっきの話題を入れこんでくるのがおかしい。
小僧の定吉の生意気ぶりには拍車がかかり、お妾さんの家を見て「いいお宅でゲスね」と幇間のように呟くのがクスリとさせる。

朝枝さんの一席め、やっぱりなかなか出てこず、扇橋師から「小三治か!」と声が掛かる。
「トークなんですけどね、ああいうことをいうとアニさんがすごく困った顔をするんですよ。……それを見たくて……」とどうやらわざと噛み合わない受け答えをしている模様。ドSなの?
『六郷のたばこ』は初めて聴く噺。『たばこ好き』という演目名もあるようだ。とにかく煙草の産地と味の違いをどんどん並べていく。笑いどころはあまりなく、言い立てのように「こんな長くてややこしい噺を覚えたのすごいでしょ」ってネタなのかな。私も以前は煙草を喫っていたが、あんな味の違いなんてわからん。ある程度重いのならなんでもよかったしな……。煙草やめて13年くらい経つけど、いまだにふと喫みたくなる。けどこの噺は聴いただけでクラクラしそう。

二席めの『加賀千代』は一之輔師に似ている感じ。まあ一門なんだから当然なのかもしれないが。
しかし人物の描き分けもキッチリとされている。ホントに二ツ目? そこらの若手真打よりも間の取り方も上手くて、おじさんの噺家を聴いているような気になってしまう。

扇橋師の二席め、「彼はネタが偏ってる。一体どんな子どもだったんでしょうね」と子どもを奉公に出す『薮入り』に。そういや夏の薮入りが近いのか。
以前はあまり好きではない噺というかどちらかといえば苦手な噺だったのだが、最近はそこまででもなくなった。
夜中に夫婦ふたりでもてなしプランを練っているときに「煙草吸わせるか」と朝枝さんのネタも拾う。
母親が亀吉のガマ口を覗き、「初めてのやどりに十五円は多くないかい」と亭主に「お前も嫌な想像を察しろ」といわんばかりにしつこく食い下がる場面が特に苦手なのだが、扇橋師はそこをあっさりとやり、「女房の言葉にすぐ考えを変える軽薄な亭主」として笑いに持っていっているようにも見える。全体的に重ったるい感じにならないように気を配っている印象。

会場内がエアコンの効き過ぎで半袖で行ったら寒いのなんの。凍えた状態でバイク乗ったらこれまた寒い。まさか7月に寒さで歯を鳴らすとは思わなかった。
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