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第六十一回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第九幕 [落語]

第六十一回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第九幕
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『悋気の独楽』
三遊亭しゅりけん『道灌』
三遊亭兼好『三方一両損』
三遊亭兼好『応挙の幽霊』

あー、えーとGoToで差別されてる都民ではありますが神奈川まで出かける。ごめんなさい許してください。でもホラ兼好師匠だって同じ足立区民だから。ひとりがふたりになったって同じ同じ。
とまあそんな理屈で横浜まで。だってしょうがないじゃない。

さて出囃子『前座の上がり』にて兼好師登場。贅沢ですなあ。
河野夫妻について語り、「奥さんの方はアレはホントに自分が悪いことをしたと思ってないという顔をしてますよ。『みんなやってるじゃない、なにが悪いの?』って思ってそうですよね。ダンナの方は一応『これはふたりだけの秘密だ』って言ってたってことはなんかやましいことをやってるって思ってるってことですもんね。だって例えば男と女がキスをして『これはふたりだけの秘密だよ』なんていったらこの男女は正しくないカップルでしょう!? 夫婦でキスしてそんなこと言わないでしょ。『誰と間違えてんの!?』なんてことになる。……まああの夫婦はなんだかんだで仲が良さそうでいいですね」と噺に入る。
お内儀さんに呼ばれた定吉がなかなか座敷に入らず「そちらに入ると取り返しのつかないことになりそう」と物陰から覗き込んでいるのがおかしい。
尾行が旦那にばれ、「お前アレから小遣いもらってるんだろう? さっき見たんだ」とカマをかけられて「嘘ですー、まだもらってませーん」と引っかかってしまう。その後お内儀さんにも「お前向こうで煎餅もらって食べたろう?」と言われ、「饅頭でーす」と夫婦に揃って引っかかってしまうのがたまらない。

しゅりけんさん、四天王のところから。ここから聴いたのは初めて。
言い立てのようにいろんな四天王を並び立てるのだが、まったく噛まずにスラスラと話す。前も思ったがこの数ヶ月で格段にレベルアップしている。ちょっと前までフツーに噺の途中で「あ、間違えた!」とか堂々と言って「やり直しますね」とかやってたのに。

兼好師の二席め、黒川検察長の話題で「退職金5600万ですって。彼は今麻雀仲間に引っ張りだこでしょうね」とチクリ。「賭け麻雀くらいでは実際は罪にはならないのかもしれませんが、でも彼は立場上やっちゃダメでしょう。法を守る立場なんだから庶民とは違う。彼が賭博で無罪になるんだったら我々は自転車泥棒ぐらいはいいんじゃないですか?」わかるようなわからないような。
「昔はもっとお上に抑圧されていて、その反動で大岡裁きなどの噺が作られたんでしょう」と『三方一両損』に。
毎回のことだが、拾った財布の中にあった書付を通行人に読んでもらい、そこに書いてあった「神田竪大工町 大工 熊五郎」を丸覚えして本人にも「おめえが『神田竪大工町 大工 熊五郎』か」「俺が財布を拾ってこの『神田竪大工町 大工 熊五郎』に届けてやった」と毎回繰り返すのが楽しい。
八公の長屋の江戸っ子にこだわる大家の存在もいいアクセント。

仲入りを挟んで三席め。
最近の長雨から、青森の久遠寺に円山応挙の真筆とされている幽霊画があり、その絵のモデルとなったと言われる応挙の奥さんの命日の6月20日は必ず雨が降るという。その日に久遠寺で落語を演る機会があったとき、それまで晴れていたのに落語を演じている間に本当に雨が降ったのだとか。
『応挙の幽霊』は久しぶり。普通に「円山応挙」というと「応挙」は「皇居」と同じ発音なのに、『応挙の幽霊』となると『投書』と同じ発音になる。なんでだろうなあ。
田舎で1円で買い取った掛け軸を115円で売った道具屋が祝杯を上げる場面の「……美味い。上等の酒ってこんなに美味いの? これまで飲んでた酒は酒じゃないね。酒の匂いがする水だ」というセリフがなんだかリアル。
そこからだんだん酔っていき、都々逸が出てくるまでの酔い具合のグラデーションがいつもながら見事。

終演後、兼好追っかけ仲間と野毛に移動してかなり久しぶりに外呑み。2月頭くらい以来でほぼ半年ぶり? そんなに飲んだつもりはないのだがかなり酔っ払う。
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