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第1回道楽亭ネット寄席 三遊亭天どん独演会 [落語]

第1回道楽亭ネット寄席 三遊亭天どん独演会
於:新宿三丁目 道楽亭(配信)

三遊亭天どん ご挨拶・演目リクエスト呼びかけ
立川かしめ『からぬけ』
三遊亭天どん『効くヤツ下さい』
三遊亭天どん『五人廻し』

最後まで生の高座を開催していた道楽亭も、ここひと月あまりはさすがに自粛していたようだ。
その道楽亭もネット配信をスタートさせ、しかも天どん師というのだからこれは参加せねば。
道楽亭はYouTubeで配信。全画面表示もできるのでこれはいい。

まずは天どん師のオープニングトーク。
この会が決まったのは水曜日だったらしく、その経緯などを語る。あとヒマな期間に好物の求肥を作った話とか。
こないだ道楽亭で2週間ぶりの仕事といっていたときは一席めは髭を生やしていたのだが、今日はきれいに剃っていた。
また会場でもよくやる、お客さんが挙手で演目を決めるリクエストもとる。一席めの候補は『タラチネ』『ハーブをやってるだろ!』『効くヤツ下さい』。二席めの候補が『花見の仇討』『紺屋高尾』『五人廻し』。
YouTubeのコメント欄でアンケートをとり、かしめさんが一席やっている間に集計するという。
『タラチネ』と『ハーブ』はCDにもなってるしと『効くヤツ下さい』と『五人廻し』をリクエスト。
そういや天どん師の『花見の仇討』は聴いたことなかったからこっちでもよかったなあ。

かしめさん、今日は演者というよりも配信のスタッフとして呼ばれたそうだ。確かにこしら師がポッドキャストでこの機会に配信のやり方を弟子に叩き込んだといってたからなあ。
普段なら眼鏡を外して高座に上がるのだが、万一配信に不具合などが出た場合は即高座を下りて機材をいじらなきゃならないということで眼鏡をしたまま。これもなんか特別感。
噺は最初は普通に与太郎の小咄からからぬけだったのだが、「穴子だよ」で終わらずにその続きがある。
与太郎から金を巻き上げたことに罪悪感を持った源さんが、わざと間違えたり自分で出した謎に答えられたら金を返すとしているのに、なぜかうまくいかずにさらに与太郎が金を払い続けて困惑するというもの。ひねりが効いてて面白い。

天どん師の一席め、「大人の事情で出囃子はなし」ということで無音で高座に上がる。かしめさんのときもなんか足りないと思ったら。……あーネット配信でCD音源の出囃子使ったら駄目なのかな? さっきのシブラクは生音だったぽいから出囃子あったのか。
健康法の話から学生時代にお尻にネギを入れた話に。高座の上で着物をまくり、股引姿で扇子をネギに見立てて実演する。「ケツを世界に配信するとは思ってなかった」。……新宿二丁目でなにしてんだか。
そういや前聞いたときもこれやってたな。もうここから噺の一部なのか。
天どん師は客の反応を探りながら噺を進めていくタイプなので、反応の見えない配信ではやりにくそう。「これどうなんだろう……滑ってるのか、このまま滑り続けていいのか……」と戸惑いが見える。
この噺はタイムリーといえばタイムリーなんだけど、自粛警察が聞いたらヒステリー起こしそう。天どん師も「この噺を選んだ人も半分くらい責任がありますからね」と微妙に及び腰。
話の通じないセールスマンとのやり取りがおかしい。

仲入りはどうするのかと思ったらそのまま一時的に配信停止? 映像が止まってずっと音も出ないのでやや不安になる。いつ再会するかもわからないし。
しばし待つとまた突如動画が再開して天どん師が登場。
ちゃんと着物も着替えている。
マクラではナインティナインの岡村の件に触れ、「飲み屋で話していれば『わあこいつクズだな』で終わった話だけど、それを電波に乗せちゃったのがね。……いやこうやって乗っかるとまた僕がなんか言われるのかな。いや大丈夫か?」とだいぶネットに対して疑心暗鬼の様子。
風俗の話から「昔は吉原というものがありまして……どうですかこの流れるようなマクラ」と噺に入る。
ひとりめの客の葛藤姿を長めに。イライラしながらぼやいてる姿は天どん師の素の姿を見ているようで楽しい。
他の客は短め。3人めの役人の嫌味な口調が天どん師のつっけんどんな感じと合っていて、天どん師のだとこの場面が一番好き。

サゲを言って頭を下げても追出しが鳴らないので、天どん師も「これどうやって終わるの?」とやや戸惑いげ。そんな姿もちょっと面白い。
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渋谷らくご バラエティ演芸会 浪曲 玉川太福を聴け! [落語]

渋谷らくご バラエティ演芸会 浪曲 玉川太福を聴け!
於:渋谷 ユーロライブ(配信)

古今亭志ん五『紺屋高尾』
立川談笑『イラサリマケー』
入船亭扇辰『蒟蒻問答』
玉川太福 玉川みね子『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』

もう限界。落語ひと月以上聴いてない。
今年は結局GWもまったく出かけず、毎年の一番の楽しみである大日本橋亭落語祭も中止。きいいいい落語が足りない。特に兼好分が足りない。
一之輔師の配信は知っていたが、毎日時間が合わずに結局はまったく観ずに終わってしまった。4月中旬からテレワークになっているが、テレワークって逆に気が抜けなくて疲れる。
私の好きな兼好師や遊馬師は配信は行っていない様子。
兼好師が開設したインスタのアカウントをフォローするも、基本的にはお絵かきアカウントで落語自体を演じているわけではないし。まあファンとしたらそれだけでもありがたいのだけれど。

休日に落語がなく、外にも出かけられず写真も撮りに行けない。
そうするとここまで他にやることがなくなるとは。仕方ないのでほぼ昼から酒を飲みながらamazonプライムで動画を観てるとかばかり。
そもそも私は家で映画を観るとかがあまり好きではなくて、2時間そこでじっとしていなきゃいけないというのがかなり気合を入れないとできない。落語だと噺の合間に高座返しがあったり仲入りがあったりして、そこで一度リセットできるので大丈夫なのだけれど。
まあというわけで落語配信の視聴にもあまり乗り気ではないのだけど、さすがにもうそうも言っていられない事態になってきた。
調べてみるとやはり落語配信についてまとめているサイトがあったので、そこをチェックしていると扇辰師と談笑師が出演する会を発見。もうこれは観るしかないとネット動画に初課金する。

落語はVimeoというサイトで配信。フルスクリーンにしてもチャット画面が消えない仕様(?)にちょっとイラッとする。俺ネット動画のこういうチャットとかコメント欄も嫌いなんだよな……。こういうのなくして全画面表示にしたいのに。

志ん五師は久しぶりだなあ。ここ一年ばかり寄席にはろくに行けずホール落語ばかりだったから、聞く人がほぼ固定されてしまっている。
マクラに志ん橋師のモノマネやエピソードを交えて噺に入る。
まさか一席めから『紺屋高尾』とは。普段の寄席やホール落語ではまずお目にかかれない構成。まあこのシブラクならアリかも。
主人公の久蔵が犬好きでときどき犬の描写が入るのが面白い。
一席めだからなのか、さらっとあっさりめな印象。

談笑師、マクラっから「このユーロスペースがあるのは円山町で、いわゆるラブホテル街。……この配信子どもも観てるのかな。まあお子さんは隣りにいる大人に聞いてください。で、いるんですよ。おじさんと若い女性がホテルから出てくる。この時期に濃厚接触してるんですねえ」とハナから飛ばす飛ばす。
「今日はこういうネタばかり用意してきましたんで!」とノリノリ。言葉通りギリギリのラインを衝いてきてそのギリギリぶりが楽しい。
噺に入るとさらに加速。もともと『イラサリマケー』は古典『居酒屋』の改作で、ミャンマー人店員の言い立てたメニューが聞き取れないというもの。そのうちのいくつかはエロい言葉に聞こえるというネタなのだが、今日はもうテレビならピー音が入る単語をハッキリと明瞭に口に出していた。いつもなら会場の空気を読んだりもするのだが、今日は会場は無観客の上、ライブ配信のみでアーカイブにも対応してないからかかなり思い切ったようだ。

1分間のインターバルを挟んで扇辰師。
出囃子の「からかさ」がもはや懐かしい。
まずは談笑師に「談笑、短えよ! あはは、じゃない!」とひと文句。その後やはり談笑師と同じくラブホテル街での男女について語る。やっぱりあそこへ行くとどうしても気になって周りに話したくなるのだろうか。
扇辰師も久しぶりの仕事だったらしく、昨日30何日ぶりに散髪にいってきたそうな。しきりに「さっぱりした」と連呼していたから、だいぶストレスだったのだろう。私も同じく髪伸びっぱなしなので短くしたいんだよなあ。ハゲの長髪ってみっともない。
談笑師が短めだったからか、やや長めのネタ。扇辰らしくピシッとした端正な一席で、落語を聴いたなーという満足感がある。
細かい表情の動きなどもよく見える。問答のときの親分と禅僧の表情の入れ替わりなどは本当に見事。

太福さん、シブラク仕様ということで、本来なら立って唸るところを座って釈台を前に置く。いわゆるテーブル掛けもなし。
『男はつらいよ』を浪曲にするのは太福さんのライフワークなのだそうで。……といっても俺『男はつらいよ』を一本も観たことがないので空気感とかお約束みたいなものがまったくわからないのですよ。
知らないなりにも楽しめたが、やはりどこか置いてきぼりにされている感はあるかなあ。観たことがあればもっと楽しめるのだろうが。

ライブ配信は無観客なので登場時や退場時に拍手がなく、どうにも区切りがつきにくい。ただその時の衣擦れの音や噺家さんたちの「よっと」というような声も拾われていて、いつもとは違う空気も感じられた。
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