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二松落研創部50周年記念寄席 [落語]

二松落研創部50周年記念寄席
於:九段下 二松学舎大学 九段キャンパス

柳家喬太郎『擬宝珠』
柳家喬太郎『すみれ荘201号』
三遊亭兼好『片棒』
三遊亭じゃんけん『味噌豆』
三遊亭兼好『応挙の幽霊』

文字通り二松学舎大学落研の記念の会。
普通二人会だといわゆるABBA形式なのだが、今日はAABB形式。
というのも喬太郎師は次の仕事があり、兼好師は前の仕事の三田落語会が終わっていないからという多忙なふたりのため。
三田落語会とどっちに行こうかちょっと考えたが、知り合いからチケットを譲ってもらったのでこっちに。
ガチの兼好追っかけの人はハシゴしたみたいだが、さすがに三田落語会の権太楼師とこの会の喬太郎師を捨てる度胸はないかな……。

武道館で24時間テレビの募金に並ぶ人たちを尻目に二松学舎大学へ。入るのは初めてだ。
前座がわりにOBが一席。学校の用務員室を舞台にした新作だったが、プロ顔負けのちゃんとした噺で喬太郎師も驚いていた。実際面白かったし、下手な若手よりも噺の構成とか上手いんじゃないだろうか。

さてキョン師久しぶりですごく楽しみだった。
「唯一の趣味がウルトラマン」ということでウルトラマンと新マンのスペシウム光線の撃ち方の違いなどを高座の上で立ち上がりながら説明を始める。
ウルトラマンにハマったきっかけは弟弟子の喬之助師の影響らしく、ちょっとびっくり。子どもの頃から継続して好きだったわけじゃないんだ。
ハマるきっかけはガチャガチャだったそうで、ウルトラマンを卒業してからも他のガチャガチャを買うことがあるそうだ。
以前に買ったのは『妄想おねえさん』というシリーズだそう。おねえさんが寿司のシャリや巻物になっているというもので、それらのポーズを高座上で再現する。「鉄火巻とカッパ巻はポーズは同じなんですけどね、ツンパの色が違うんですよ。鉄火巻は赤でカッパ巻は緑なの。……買うでしょ!?」……そうかな?
コレクターつながりで昔は切手やコインを集める人がいた、コインは集めてなかったがギザ10はなんとなく気になる、緑青が浮いていて……というところから『擬宝珠』に。すごいところから噺に繋げてきたな。
『擬宝珠』はCDで聴いたことはあるものの、高座では初めて。
「恋煩いじゃねえの? ……そうすっとこの噺は『崇徳院』じゃねえんだな」というところは何度聴いてもおかしい。
金物舐めが好きだという若旦那の告白を聴いた後の熊さんの目の泳ぎ方がこれまた面白い。そこから放たれる呆れた顔での「死んじゃえば?」という冷たい一言の破壊力はすごい。

一席終わっても高座を下りずにそのまま二席めに。
落研主催の会のためか、キョン師の大学落研時代の思い出話をマクラに。
師の母校の日大はいろいろなところにキャンパスがあって、それぞれ学部によって集まるキャンパスが異なっていたという。で、集合したらまずは声出しをするのだが、これがよくある「アエイウエオアオ」とは違うらしい。日大芸術学部の一之輔師によると「『道具屋』始めー!」という掛け声で「世の中にはいろんなご商売がありますが……」と大声で始めたそうなのでそれかと思ったら、屋上から見える専門学校?に向かって「○○のお姉さんお茶飲みませんかー」というのだそうだ。落研ぽいといえばぽいけれども。
そんな話をしていたら「私の持ち時間、あと10分」。
短めの噺をするのかと思っていたら結構長めの『すみれ荘201号』。
同棲していた彼女の方がお見合いをしに地元に戻るという噺。
そこに出てくる市議会員のヨシカワさんがいい味を出している。
またお見合い相手が「歌を作るのが趣味」といって『東京ホテトル音頭』を歌い出す。のみならず、『東京イメクラ音頭』『大江戸ホテトル小唄』の三曲を歌いきる。
お見合いから戻ってきた彼女と彼氏の別れ話の部分は落研あるあるなのだろうか。結構落研をボロクソにこき下ろし、途中現役生に向かって「ごめんなさい」と謝る姿がおかしい。
結局15分ほど押して仲入りに。

兼好師は二松学舎出身だが落研ではなかったはず。と思っていたらやっぱり落研には特に何も触れず二松学舎大付属高校の高校野球の話に。曰く、一回戦でボロ負けをするわけでなく、来年に期待を持て、さらにOBの寄付も少なくてすむ最高の負け方だった、という。「でも今年優勝した花咲徳栄ですか、あんな読めないような学校でちゃダメですよ」って二松学舎も大概だけどね。
一席めの『片棒』は久しぶり。
金太郎、銀次郎のメチャクチャな提案にどんどん泣きそうになる父親の狼狽ぶりがおかしい。
それになんど見てもお父つぁんのからくり人形のくだりが素晴らしい。
ホントに人形に見えるから不思議だ。

兼好師は二席続けるときも一度下りる派。
着替えをする間のつなぎということで、じゃんけんさんが短めに『味噌豆』を。
定吉が二度めのつまみ食いの際に豆を山盛りに持っていくのがおかしい。

兼好師の二席めの『応挙の幽霊』は初めて聴く。
DVDになって出ているし持っているのだけれど、実はあまりDVDって見ない。
買っただけで満足してしまうパターンで、ライブDVDなんかも高いカネ出して買ってるのに封すら開いていないという。
最近音楽シングルCDだと、初回限定盤と称してDVDつきでちょっとお高めになってるやつと通常版の2種類が出てることが多いが、見もしないのに限定版の方を買って結局見ていないということが多い。
閑話休題、GWに聴いた旭堂南湖さんのものとはだいぶ違う噺。
ひとり応挙の幽霊画の前で酒盛りを始める道具屋の徐々に酔っ払っていくその行程がなんかおかしい。『猫の災難』とかでもそうだけど、こういうのホントうまい。
酔ってきて披露する都々逸もこれまた上手い。こういうのどこで稽古するんだろう。

終演後、なんでか珍しくご婦人たちと喫茶店でお茶することに。まあ今日は電車で行っていたので俺はビールだったけど。


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