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入船亭扇辰独演会 〜扇辰落語手帖〜 [落語]

入船亭扇辰独演会 〜扇辰落語手帖〜
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『やかん』
入船亭扇辰『団子坂奇談』
入船亭扇辰『井戸の茶碗』

扇橋師の会に引き続き師匠の会へのハシゴ……というか居残り? 扇橋師の終演から15分くらいしか空いてない。かけもちする人も多いんじゃないだろうか。

辰ぢろさん、「ひと仕事終えた扇橋アニさんがTシャツと短パン姿で袖で見てる……」といったところで「お前いうなよー」と扇橋師が乱入。
辰ぢろさんもだいぶ達者になってきたなー。

この会も特色を出したいということを席亭にいわれ、「なにかプレゼントしましょう」といわれたそうな。「プレゼントって? って聞いたら手ぬぐいとかどうですかっていわれたんだけど……。いやいいんだけどさ……最近の諸物価高で手ぬぐいも結構なお値段するのよ。オフィス10で買い取ってくれるの? って聞いたら『それはちょっと……』だって。結局俳句を詠んでそれを色紙に書くってことで落ち着いた。まあそれならアタシも筆ペンのインクくらいしかかからないからね。で、最初は1名ってことだったんだけど、色紙は2枚持ってこられて。『書き損じ用です』ってことだったんだけど、書き損じなかったから」と急遽2名にプレゼント。「今日はプログラムに番号が書いてあるんですって? じゃあ抽選箱から番号を引いて決めるのかと思ったら『用意してません』って。『師匠お好きに決めてください』って。不精だろお」。確かに。扇辰師の誕生日である16日から16、59歳であることから59に。かすりもせず。「当たったおふたりが番号を聞いた途端にパッと顔が明るくなった。どうやら喜んでもらえたようでよかった」。

扇辰師の一席め、先日喬太郎師との会で『鰍沢』をリクエストされたそうで、「こんなクソ暑い中でだよ!? いややるけどさあ……」。いやあ真夏にあの雪の寒さを思い出させるのは扇辰師の腕ならではですよ。「今日はやらねえよ? けど同じような涼しくなる噺をしましょうか」と『団子坂奇談』に。
今までは単におきぬ自身になにかわけがあって赤ん坊の腕をかじっているのかと思っていたが、父親のあの落ち着きぶりを見ると一族でそういう血なのか、たとえば鬼の一族だったりするんじゃないかとかとも思えた。

二席め、「一席目の『団子坂奇談』、落語の中でももっともくだらない噺です。こないだもSNSに『本当にくだらないですね』と書かれた。そういうこと書かないでくださいね」。だそうで。
「寄席とかなら一席めの噺を掛けたらこの噺を掛けたりはしないのですが」と『井戸の茶碗』に。話の筋などはまるで違うと思うが、元とはいえ侍と町人が出てくる噺だからだろうか。
扇辰師ではあまり当たらない噺なので嬉しい。やっぱりこういうキチッとした噺は端正な芸がよく合う。

この後に新版三人集の会もあるのだが、さすがに1日3つ掛け持ちはちょっと。3日間公演で千穐楽は行くし。
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十代目入船亭扇橋の"一語一会" 独演会 [落語]

十代目入船亭扇橋の"一語一会" 独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭扇橋『寿限無』『麻のれん』『佃祭』

本来だったら4年ぶりに岩手へ行って法事だったのだが、このタイミングで岩手の親戚が3人流行病に。大事をとって法事は中止になる。久しぶりに新幹線に乗れると楽しみにしていたがこればかりは仕方ない。
じゃあ落語行くかーと思ったのだが……なんかやる気が起きないというか……あーーーなんだかメシを食うのすらめんどくさい。なんだこれなんかヤバいんじゃ……。家の掃除とかやりたい気持ちはあるんだけど、やる気が湧かない。
うーーーん。朝起きて猫にご飯あげたらどうにもなにもする気がしない。メシも食わずダラダラと買ってあったマンガを読んだり。
中野で昼に落語を聴くときはいつも行く高円寺のタイ料理屋でレッドカレーとヤムウンセンを食べたところで少しテンションが盛り返すも、まだ上がりきらない。なんか変な感じ。

一席め、「この会は初回なんで席亭から『何かテーマを』といわれたんですけど『なんでもいいですよ』と。いわれたらなんでもやりますよと。そしたら私の落語協会のプロフィールに『扇辰の弟子、九代目扇橋の孫弟子です。師匠や大師匠の噺をやったりやらなかったりします』と書いているんですけど、チラシに『やったりやらなかったり』の『やらなかったり』に取り消し線が入れられていて『やったりやったりします』にされてるんですよ。なので師匠と大師匠の噺をするんですが……私は大師匠に直接噺を教わってないんですよ」とぶっちゃける。
「大師匠の鞄持ちもしたことはありますが、もちろん私から『噺を教えてください』なんていえない。大師匠、師匠と私の三人で旅の仕事があったときに『ここだ!』と師匠を通してお願いしようとしたらその晩に大師匠が倒れた。まあ倒れたといっても重症ではなかったんですが、それでも稽古をお願いできるような状況ではなく、大師匠が快復した後は師匠が忘れてるという……。まあ大師匠の噺は師匠がやってますから、『大師匠がやっていた噺』ってのはできるんですよ。でもそれは師匠から教わった噺だし……。大師匠がやってて師匠がやってない噺があればいいんですけど、ないんですよ。その時点でこの企画はもうすでに破綻してるんです」。おやおや。
「大師匠がよくやっていたいわゆる『入船亭の噺』ってあまり儲からないというか……。苦労する割にはそれほどウケないんです。でも大師匠はそれがいいとよくやっていて、師匠はそんな大師匠が好きで入門したと何かで読んだことがあります。その師匠が好きで入門したんで、私もそのケはあるんでしょうけど……。それからね、私は師匠の噺をあまり覚えないようにしてるんです。師匠の噺ばかりだと、師匠との親子会とかでやるネタがなくなってしまう。もちろんやってもいいんですけど……。だから私は年に一回、ご褒美的に師匠に噺を教わるんですよ。なのに辰之助はホイホイ教わる。また師匠も『おおいいぞ、どんどんやれ』って人ですから教えてくれるんですよ……。いやいいんですけど、『えーお前その噺を教わるの?』って思うんですよ」。いろいろ葛藤があるようで。
「この会場は思い入れがある。見習いのときに師匠の独演会で初高座で上がったところですから」と扇辰一門では最初に教わる噺の『寿限無』を。真打昇進間近にも「初心を忘れないために」みたいな感じで聴いたな。扇辰一門は和尚さんではなく、横丁のおデコボコ。

二席め、「そもそも大師匠の噺ってある程度歳を重ねた人がやるからこそなんていうんですか味があるというかおかしみがあるというか。そういう噺が多いじゃないですか。それをこんなハナタレの若造がやったらどうなるのかをこれからお見せします」と『麻のれん』に。
確かに扇辰師のイメージが強いけど、一之輔師とかもやるし、あまり歳食った人のやる噺というイメージはないかな。
……なんか枝豆食う時間長くない? どんだけ山盛りの枝豆なんだというか。これを延々食ってる場面が面白くなるのが年の功なんだろうか。

三席め、「前半に喋りすぎましたね。すぐに噺に入らないと間に合わない。それに師匠も楽屋入りしちゃうし……。いくつになっても師匠は怖いです。……いや怖くはないですけど、やっぱり緊張はします」だそうで。
先日池袋のトリで聴いたものとほぼ同じ。入船亭だと長屋の連中が次郎兵衛さんの体の特徴を聞いて「たま命」の入れ墨が入っているというくだりはないんだね。
「しまい船が沈んだ」という表現が「しまい船がしもった(しぼった?)」というのは他では聞いたことがないなあ。
タグ:入船亭扇橋
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