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入船亭扇橋の会 [落語]

入船亭扇橋の会
於:都内某所

入船亭扇橋『芋俵』『禁酒番屋』『夢の酒』

かわら版などにも情報を出さず、チラシなども撒かない、会場の常連客に向けた会。会のタイトルも別にちゃんとあるんだけど、まあ一応。
俺自身もそんなに常連というわけでもないんだけど、扇橋師の会は小辰時代からちょいちょい行ってる……というか扇橋師がらみでしか行ってないな……。席亭からメールでお誘いいただいて予約する。扇橋師はGoogleカレンダーでスケジュールを公開しているのでそれを頼りにしているのだが、この会はそのスケジュールにも含まれていない。実はそれで前回予約していたにも関わらず、当日ド忘れしていて別の会へ行ってしまうという大失態を犯してしまった。今回は予約と同時に自分の予定として組み込んでおいたので時間に余裕を持って到着。

一席め、息子さんが足を剥離骨折をしたために扇橋師が自転車で学校に送り迎えをしていたそうで、そのエピソードなどをマクラに。そのほかにも小春志師についてなどと雑多なおしゃべりが広げられ、なんというかホーム的なリラックスしてる感じ。
扇橋師の『芋俵』は初めて。そもそもあまりそんなに頻繁に聴く噺でもないけれど。
軽くさらりとしていながらも、間抜けな泥棒たちの会話など笑わせどころはしっかりとしていて落語を聴いたという満足感がある。

二席め、先日の池袋でのトリの芝居に触れ、5日めに小満ん師も誘って打ち上げに行った話を。大先輩である小満ん師に声を掛けるというのは緊張するらしく、どうやって誘ったのかを実演する。小満ん師は機嫌よく飲み、打ち上げの間ずっと話しっぱなしだったという。「あの師匠が若手に気を使ってくれてずっと話をしてくれている。二時間半ほとんど喋りっぱなし。もちろんありがたいし楽しいんですけど、我々はほとんど喋ってない。そうすると少しフラストレーションがたまるというか……なので二次会、三次会……と深夜まで続いていく。打ち上げなんて一次会だけでいいですね。ここまでいくと次の日の高座に障るんですよ。小燕枝アニさんは自分でも『メロメロだァ』と言ってましたし、一蔵アニさんはズルいから『親子酒』をやってた。酔ってるからだろ! という……」と酒の話から『禁酒番屋』に。
水カステラを検められる酒屋の手代の目が泳いでいる表現が上手い。
最近は番屋の侍が「あの、ここな」という人は少ないが、扇橋師は言う。のはいいんだけど、そもそもこの「あのここな」ってどういう意味なんだろ。他の噺で聴いたことがないと思う。

三席めはいかにも入船亭という『夢の酒』。
とかいいつつ、扇遊師や扇辰師、扇蔵師ともそれぞれちょっとずつ違うのでその違いを探すのも楽しい。扇橋師は大旦那が昼寝をする際に淡島様のおまじない「われたのむ 人の悩みの なごめずば」をちゃんという。これいわない人多いよね。

終演後は最近珍しく打ち上げ付き。一瞬参加しようかと思ったが、まあ昇進披露パーティーでも一言も発しなかったくらいのプロぼっちが参加してもひたすらビールを飲むだけになるので遠慮する。扇橋ファンのコミュニティもできあがってるっぽいしね。
タグ:入船亭扇橋
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