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東和寄席 “扇辰日和 in とうわ” [落語]

東和寄席 “扇辰日和 in とうわ”
於:北綾瀬 東和地域学習センター

入船亭辰ぢろ『道灌』
入船亭扇辰『田能久』
入船亭扇辰『天狗裁き』

足立区の地域寄席。
定員40人の小さな会だが、扇辰師が出演するのはありがたい。
これまでもかわら版では見ていたのだが、他の会と重なっていたりして今日初めて行った。同じ足立区とはいえ、ここら辺はほとんど来たことがないので土地勘はない。
縦長の会議室の長辺に沿って1列10席で4列並ぶ。そのため列の前後の間隔が狭く、膝が前の椅子につきそう。これ短辺に並べたほうが良くない? と思っていたのだが、前回まではそうだったそうだ。ただそうすると後ろの人は見づらいそうで、スタッフの発案で今回から変えたのだという。確かに席の圧迫感に目をつぶればこっちのほうが見やすいし、高座とも近い。

扇辰師は北綾瀬に自身やおかみさんの親類が住んでいるそうで、何度も来ているのだという。前回は6月だったそうで、「6月に来たのは初めてかもしれませんなあ。駅の近くのしょうぶ沼公園を見たらまあ見事でした。……なんで俺は弟子と来てるんだって。色気のねえ……」。
旅の仕事も増えてきたそうで、最近は交通系ICカードが各地方のものと互換性があるそうで。最近私も旅行してないから知らなかったが、そうなんだ。「あれは便利ですなあ。けどアレはキセルができない! なんか裏技があるのかもしれませんが……」。一瞬『紫檀楼古木』かと思ったが、「地方が舞台の噺もある」と『田能久』に。
カツラで化ける際に、あの短い間でちゃんと女形や五右衛門に見えるんだからやっぱりすごい。

二席め、「弟子と私の一席めを聴いていただいておわかりいただけたと思いますが……落語ってのはくっだらないねえ。さらにくだらない噺を……」と噺に入る。
なんと扇辰師の『天狗裁き』は9年ぶり。そんなに聴いてない!? というか『天狗裁き』自体が年一ペース。今年は春に兼好師で聴いているが。以前は結構な頻度で聴いてたんだけどなあ。流行り廃りなのか単にめぐり合わせなのか。
「夢なんか見てない」といわれたときのそれぞれの表情の動き方が細かい。戸惑い、期待、苛立ち、納得、怒りなどの表情が小刻みに揺れ、その配分が人によって異なる。
また天狗に「どうしても言いたいと言うならば聞いてやってもよい」と言われたときの八五郎の表情もまたいろんな感情が交錯し、一瞬でいろいろなことを考えているということが伝わってくる。この具合はまさに見事としかいいようがない。
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赤坂倶楽部 萬橘を聴く会 [落語]

赤坂倶楽部 萬橘を聴く会
於:赤坂會館 6階稽古場

三遊亭楽太『寄合酒』
三遊亭好二郎『元犬』
三遊亭萬橘『もぐら泥』
三遊亭萬橘『火焔太鼓』

家の給湯器の風呂場のリモコンが壊れる。ランプがつきっぱなしになるだけで実害はないのだが、加入している見守りプランの保証内で直せるとのことなので修理してもらう。
ガス工事の人が来ると猫たちは一斉に逃げてミルクとココアはコタツに籠りっぱなし。シュガーだけはしばらくするとやってきてスリスリと愛想を振り撒く。シュガー……。

会場の周りはバイクの駐輪場がバカ高く、路駐もできそうなところがないので地下鉄で。赤坂ってなんであんなに警官が多いんだ。

楽太さん、昨日圓楽師のお別れの会だったそうで。「今日は形見のパンツを履いてきました」そうな。

好二郎さんは飛び入りだそうで、プログラムにも名前はない。
「萬橘師匠のところに勉強にきたんですが、『着物持ってるなら高座に上がっていけ』と言われまして……。最近普段着も着物にするようにしたんです。なので着物は常にあるので……」。兼好師や萬橘師と同じだが、決して真似してるわけではないという。……いやいや……さすがにそれはムリがあるというか……。というか単に「師匠に少しでも近づけるようにそういうところから真似してます!」と言った方が好感度高いような。それは兼好ファンだからそう思うだけか。
「仲間から『着物』って呼ばれるんですよ。おかしくないですか!? あいつらだって着物着てるんですよ!? あと一番腹たったのが『ジェネリック兼好?』って言われたこと。それに今日萬橘師匠にお会いしたら『気持ち悪っ!』って言われた。気持ち悪いってなんだよ!」萬橘師も誰かに似たようなこと言われたんじゃなかったっけ。
ほんでもってネタは兼好師直伝の『元犬』。
手を叩いて呼ばれたときに上総屋やご隠居の顔を舐めるのが面白い。ツッコミを入れるときにもう一拍置くともっと面白いのになあと素人ながら思うところがいくつか。

萬橘師の一席め、パン屋の店員にぞんざいに扱われた話を。萬橘師はこういう感じで初対面の人に軽んじられるエピソード多いな。
携帯ショップにも不満があるようで、「携帯ショップだと店員のこと『クルー』っていうんだよね。『クルー』ってディズニーランドだけじゃないの? で、マニュアルなんでしょうけどなにをいってもまずは『おっしゃる通りでございます』っていうんですよ。こっちが『〇〇ってなんですか』って聞いても『おっしゃる通りでございます』って……」と憤懣やるかたない様子。
「なにをやるにしても一流になるのは難しい」と『もぐら泥』に。
泥棒に入られた家のおかみさんが亭主に内緒で買ったのが「金運の壺」というのが今どきらしくておかしい。泥棒から盗みを働くのは酔っ払いじゃなくて「アニキにお布施を渡さなきゃいけない」というのも合わせて時代らしい。

二席め、「後輩から稽古を頼まれたんですけど、ソイツの師匠、私からしたらだいぶ上の先輩なんですけど、その師匠から『権助を演じるときは萬橘をモデルにしろ』って言われたそうですよ。……その師匠、私をしくじってますよ。どういうことですか」。権助というよりも『木乃伊取り』の清蔵の方が近そうな……。
男がぼんやりで女がしっかりというパターンがいい、と『火焔太鼓』に。
道具屋のおかみさんのポンポンとテンポのいい小言が小気味いい。その小言に蹴り出されるようにして家を出ていく亭主の様子が見えるよう。
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