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入船亭小辰の会「聴きたいっ!!」第10回 [落語]


入船亭小辰の会「聴きたいっ!!」第10回
於:新宿三丁目 道楽亭Ryu's Bar

入船亭小辰『鮑のし』
立川志の春『月に願いを』
入船亭小辰 立川志の春 トーク
入船亭小辰『鰻の幇間』

一度家に戻る。
今日は足立区の花火の日で、家は会場からほど近いためなんか街がザワついた感じでなんか落ち着かない。家の近所では昼でもスーパーでは買い物もできなそうなので中野からの帰りにいろいろ買い物もする。
で、なんかこの人がわらわら集まるのが嫌なので、花火の間は外へ。会場は家から近いのに、ちょうど裏のマンションのせいでなんも見えないってのも正直ちょっと悔しい。

小辰さんの一席め、『鮑のし』は小辰さんでは初めてかな。
扇辰師と同じ型で、大家に5円を要求してその金で鯛を買ってくる、というサゲ。
ぼやっとした甚兵衛さんがさらっと下ネタを口走るのがおかしい。

シークレットゲストの志の春さん、前座時代の志の輔師との思い出話をマクラに。
志の輔一門の前座仕事というのは運転手がメインで、3時間程度の距離なら車で移動するそうだ。
仕事先で差し入れとして生き物を貰うこともあり、それを「東京まで生かしておけ」と言われることもあったそうだ。長野では「自宅の裏で獲った」というカブトムシを貰ったことがあるそうで、これも「東京まで生かしておけ」言われたのだが、これが体も小さくいかにもすぐに死にそうだったとか。なんとか東京までは生かして戻ってきたものの、志の輔師が「観劇に行くから2時間ほどここで待ってろ」といわれ万事休す。ペットショップでカブトムシ用のゼリーなどを買って与えたものの、ひっくり返ったりゼリーに頭を突っ込んだまま動きが止まったり。いよいよダメだと思った志の春さんは仕方がないのでペットショップで一番小さなカブトムシを買って影武者にしたとか。志の輔師の自宅で「カブトムシです」と渡したが、志の輔師もなにか気づいたようで「ん、おお……?」みたいなリアクションだったそうだが、「さっきのカブトムシです」とあの三白眼で押し切ったそうだ。迫力あるからなあ。その後、影武者に代わられた方を弔ってやるか、とみたら「ものすごく元気になっていた」。
「小辰さんから『今日何をやるんですか』って聞かれて答えたら、『ああ、それ聴いたことあるからダメ』って。アイツ結構ドSなんですよ」。まあこの会は小辰さんが聴きたい噺を聴くための会だからなあ。
「だからあまりやっていなくてこれからもやらない噺をします」ということで公園に子猫を捨てにきたアベックの噺。「アベック」って久しぶりに聞く単語だなあ。
猫を置いていこうとするが、いろんな人に声をかけられる。
一月に二度満月があることをブルームーンというが、ブルームーンに子猫の幸せを願うが……というもので、最後に予想外の出来事が起こる。これが阿刀田高的ですごくいい。こういうの好き。
ただ、テーマがテーマだけにちょっとモヤモヤする。とはいえ志の春さんも猫好きで猫を飼っており、「怒り」から噺ができたそうだ。

仲入り後のトーク。小辰さんはやりたくないそうなのだが、チラシにそう入れられているのでイヤイヤやっているそうだ。「楽しませるための話術がない」って。
先ほどの志の春さんのマクラを受け、お互いの前座時代の思い出話なども。一番弟子とその下の弟子たちで扱いに差があるそうで。
小辰さんは前座時代に朝晩扇辰師の自宅へ行っていたのを、二ツ目昇進直前に朝だけ行けばいいとなったという。それが嬉しかったのに、辰ノ助さんは半年ほどで免除になったという。それも「違うだろ!」と思ったそうだが、小辰さんが前座時代にほとんど口を利けなかったおかみさんと談笑していたのが腹が立ったという。
志の春さんは「東京まで生かしておけ」エピソードで鰻を貰ったこともあるそうで、万一「捌け」と言われたらどうしようと思い、一応調べたそうだ。鰻を捌くのは前座の仕事ではないような……。

小辰さんの二席め、志の春さんのエピソードを受けてか季節の噺。
小辰さんの『鰻の幇間』面白いんだよなあ。
特に騙されたことに気づいたあとの小言のネチネチっぷりがたまらない。
女中に「徳利にも気を使いなさいよ。無地じゃなけりゃ山水とか。狐と狸がジャンケンしてるんだ、そんなところから出た酒呑んだら馬鹿されるみたいじゃないか……化かされてるでしょうって!? うるさい!」とかいろいろくすぐりが足されていた。

家に戻ると花火は終わっていたが人がたくさん……。9時過ぎて雨も降ってるのになあ。やっぱり花火はすごいね。
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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年7月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年7月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『半分垢』
三遊亭じゃんけん『開帳の雪隠』
三遊亭兼好『浮世床(将棋、隠し芸、夢)』
三遊亭兼好『三方一両損』

まーた半端な天気だなあ。雨降りそうだけどえいやっとバイクで行く。途中バラバラっと雨が降るがすぐにやむ。なんだよ降るなら降れよ。

しゅりけんさん、前回の高座で主催者の娘さんに袖で褒められたという。曰く「アバンギャルドでよかった」。……まあ、アバンギャルドったらアバンギャルドかな。前衛的。
今日はそんなこともなくスタンダードに。
素直なおかみさんが凹んでいる様子がなんかおかしい。

じゃんけんさん、下ネタやらダジャレやらを交えて。あまり聴かない珍しめの噺だなあ。
今日はお弟子さんふたりともあっさりめの短い噺。

兼好師の一席め、噺家は節操なくいろんなところに選挙の応援に行くという。自民党は意外と安倍首相の悪口を言ったりするとウケるそうで、共産党はまったく笑わない、公明党はみんなよく笑うんだけどなにも言ってないときも笑ってるのでウケているのかどうかはわからない、とのこと。
選挙のポスターはどうにも胡散臭い、どうせ書いてあることなんてみんなウソだってわかってるんだから、いっそ自分の欠点を書いておいてほしいという。「自分はこんな欠点があるけど、そこだけ目をつぶってもらったらあとは頑張りますから」と正直に言ってもらえれば選ぶ基準になるという。「『酒乱です』か……でも北方領土行かなければいいか。こっちの人は『欠点なし』だって。『酒もギャンブルもやらず、性格は温厚なことは7人の愛人も認めている……7人!?』とか」。
選挙のときはポスターが街角に貼ってあるが、昔はそういうものは人の集まる場所の湯屋や床屋に高札があってそこに貼っていたという。それを見て床屋の四畳半や六畳でいろいろ話し合ったりしていたんだろう、というところから『浮世床』へ。
兼好師の『浮世床』は久しぶりだなあ。
やっぱり「トーントーン テ チンチロリン トトーンテチンチロリン チンツンテレンツ トッテンパシャン」という口三味線が楽しそうで好き。
最初から最後まで濃密な笑いが連続して詰まっている一席で満足度が高い。

二席めも久しぶり。
左官の金太郎が、拾った財布の中に入っていた書付を通りがかりの人に読んでもらったのに「自分がスラスラっと読んでここまでやってきた」とずっと言い張っているのがおかしい。
啖呵を切るときにわざわざ「頭から声を出すんだ」と声を裏返して「あーうっ!」と何度も言い直すことや、「やれるもんならやって」というタイミングで殴られるとか、いろいろと独自のくすぐりが散りばめられているのが楽しい。

終演後は高円寺のいつものタイ料理屋に。いつもはカレーだけなのだが、今日は出来心でさらにカオマンガイまで追加で頼んでしまう。そんな量ないだろうし大丈夫だろと思っていたらカオマンガイは結構な量だった。まあ食ったんですけど。やっぱりタイ料理は美味いね。
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