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夏のコタツ [落語]

夏のコタツ
於:日本橋 食堂ピッコロ

入船亭小辰『猫と金魚』『棒鱈』『お初徳兵衛』

昨日に引き続き今日も一日休みなので落語へ。最近予約がしづらいのがなあ。
この会は会場が狭いので、まあ満席だろうなーとダメ元で当日に連絡をしてみる。ほどなく満席であるとの返事が来、まあそうだろうなーと仕方なくビールを飲む。一口飲んだところでキャンセルが出たと改めて連絡が来た。バイクで行けなくなっちゃった。まあ雨が怪しいし電車で。

一席め、マクラは電車に乗っているときのことについて。最近は席を譲っても断られることが多いので譲る前に「ここ座る?」と聞く、とか電車に捨てられてたゴミを拾って捨てようと思ったらG20のせいで駅のゴミ箱が封鎖されてる、とか。
電車の中にすごいイケメンが座っていて、外国人にもネイティブみたいな英語で話してるし足も崩さず綺麗に座っていて非の打ち所がない。ケッと思っていたが、ツレと思しき女性が肩に寄っかかって寝ていて、その女性がイマイチというところで心の均衡を保っていたのにその女性にも単に肩を貸していただけということがわかり、いよいよ文句のつけようがないと歯噛みしているときにひょいと見たらチャックが開いていたそうで、「逆に好きになった」。
噺に入ると番頭さんのアスペっぷりがなかなか。俺は結構小辰さんにある種の狂気のようなものを感じるのだけれど、こういう噺だとそれがなんだかぴったりとハマる気がする。

そのまま二席めに。
今は二ツ目ブームということでいろいろな仕事があるが、昔は仕事がなかったそうで、ちょうど扇辰師の世代は余興の仕事ばかりだったという。扇辰師と仲の良い喬太郎師とバスツアーの仕事があったそうで、「扇辰喬太郎がガイドして夜には落語会があって……。今なら1万取れる」。確かになあ。
小辰さんも余興ではないが変わった仕事として、お坊さん相手に落語をしたそうな。坊さんも偉くなるためには単位を取る必要があり、70分落語を聴けば1単位とれるのだとか。90分の落語会だったそうだが、「あの人たちはまったく笑わない。『替り目』で笑いが取れないとかなり心にクる。『……まだ行ってねえのか!』で笑いが起きればそこで終わらせられるんだけど、笑わないからオチまでやるしかない。さらに解説もしなきゃいけなくて地獄」だったそうで。
そこのギャラを貰う時に「我々税金払ってませんから。反社会的な闇営業ですね」と言われたとか。ブラック。
「闇営業といえば、我々は協会から仕事なんかほとんど貰いませんから」といい、たまに旅の仕事がある程度とか。前座時代に扇辰師の旅の仕事のお供に行ったことがあるそうだが、喬太郎師、二楽師、紋之助先生と一緒だったそうで、いつもは旅の仕事の前は嫌そうな扇辰師がウキウキと楽しそうだったために「師匠楽しそうですね?」と聞いたら嬉しそうに「修学旅行だ」と答えたというエピソードが微笑ましい。
噺に入るが、最初に「喉をやってしまって今日はプーさんよりハチミツを舐めてる」と言っていたのに『棒鱈』!? 喉酷使するなあー。
やっぱり柳家なんだなあというピシッとした一席。

三席め、「『船徳』から『お初徳兵衛』が生まれたと思っている方がいますが逆です。『藪入り』なんかも元となる噺があって、そこから切り出されていて、そうやって生まれた噺は大概名作と呼ばれています。なら元となった噺も名作かといえば……必ずしもそういうわけではなく……なぜそれほど演じられないかというとあまり面白くないというか。いや面白くないわけじゃないんですが、笑いどころが少ないんですよね。それにこういう噺は見た目がシュッとした人が演ったほうが。雲助師匠とか。馬石師匠とか。……龍玉師匠とか」。確かに雲助一門は似合いそうだなあ。「…………白酒師匠は入らない」。まあ、まあね。
確かに笑いどころは少ないが、しっかりきっちりと聴かせてくれる。『船徳』の元になる部分って「船を3回廻して、船を避けそこなってひっくり返しそうになって」というちょっとしたくすぐりのところなんだろうなあ。ここからあんな長い噺ができるとは。
後半のお初の告白の場面などは墨絵の風景が見えるかのよう。

終演後は雨の降るなか東京駅まで歩く。……単純に定期が使えるからという理由だけだったが、おとなしくお金払って地下鉄の茅場町から帰りゃよかった。
タグ:入船亭小辰
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第三十九回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第二幕 [落語]

第三十九回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第二幕
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『手紙無筆』
三遊亭じゃんけん『動物園』
三遊亭兼好『千両みかん』
三遊亭兼好『小間物屋政談』

昨日はたまたま急いでやらなければならない仕事がなく、社長から「今日くらい早く帰れ」と定時前にあがるように言われる。溢れた私の仕事をやってもらってる後輩にメシをご馳走しに行く予定だということを言うと軍資金のカンパまで貰った。……うんまあ問題の根本的な解決にはまったくなっていないけど、せっかくなのでありがたく使わせて貰う。
後輩に何食いたい? と聞いたら「鰻がいいです」と即答されていたので助かる。え、心の弱った先輩の仕事を肩代わりして鰻を要求するって結構なかなかじゃね? とは思うもののさすがにそれを口に出すのはダサいので言いはしないけれども。社長のおかげで白焼きも頼めました。

さてこの会はちょいとお高いし会場も遠いので普段はパスしてたんだけれども、昨今の兼好分不足のため緊急措置として急遽当日券で入る。どうやらドタキャンがあったようで、2列めのど真ん中という最高の席があてがわれる。
今日は細々と思い通りにいかないことが多くてイライラしていたのだがこれは嬉しい。

兼好師の一席め、梅雨の足下の悪いなか、とお決まりの挨拶のあと天気が悪いと鬱々として笑いが少なくなるのだという。「だから今日笑えなくても私のせいじゃない」。
七夕に触れ、江戸時代に七夕が流行ったのはお金がかからなかったことや、識字率が高かったことで短冊にいろいろ書けたこともあったんじゃないか、という。
とはいいながら職人の中には読み書きできない人もいた、と噺に入る。
兼好師では久しぶり。時にクドさを感じさせる噺だが、しつこい繰り返しもなくさらっとした感じ。重さもなくこれくらいがちょうどいい。

じゃんけんさん、噺の途中で客席から結構大きめの「ガターン!」という音が。たまらず「大丈夫ですか? 最近私こういうこと多くて……。話し始めた途端に電話が鳴ったり、大須演芸場では幕が上がる途中で切れてしまって、始まる前に『幕切れ』になるという」。上手い。
汗だくの熱演。

兼好師の二席め、「じゃんけんの噺を聴きたくないという場合は実力行使ではなく口で言っていただければ」と笑いに変える。
『千両みかん』て結構メジャーな噺だと思うのだが、兼好師以外ではあまり聴いていない気がする。
番頭さんがとにかく表情豊かで、大げさに変わる顔がおかしい。

三席め、浦島太郎をマクラに。「あれは一体何ですかね、『亀助けたらおじいさんになりました』って話ですよ? 例えば『竜宮城から帰ってきたら街並みが変わっていたけど玉手箱を開けたら戻りました』とか、『亀をいじめていた浦島太郎を龍宮城で懲らしめていて、逃げ出したときに盗んだ玉手箱を開けたらおじいさんになりました』とかならわかりますけど」確かに。「でも戻ってきたら状況が変わっているということもありまして」と噺に入っていく。
大家さんが早飲み込みでその実まったくわかっていないというキャラがおかしい。小四郎が帰ってきたときの困惑ぶりや言い訳が面白い。
この噺もまた登場人物たちのくるくると変わる表情が楽しい。

帰り、どこかに寄って飲んで行こうかと思ったが、なんだかあまりに細々とイライラすることばかりなのでおとなしく家に帰って家で飲む。飲み過ぎな気もするけれど。
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扇辰日和VOL.71 [落語]

扇辰日和VOL.71
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭扇ぢろ『寿限無』
柳家あお馬『鈴ヶ森』
入船亭扇辰『お文さま』
橘家文吾『書家政談』
入船亭扇辰『化け物使い』

あーーー巨人交流戦優勝逃したーーー!
いやわかってるんだ、今年の菅野は序盤で大量失点するんだって。だからある意味予想通りではあったんだけど、あったんだけど、……うーん。いやまあここ数年の成績からするとここまでやってるだけで満足すべきなのかもしれないけど! 人間の欲ってすごいね。あー面白くね。

日曜の夜の会に行くのは気が進まないというか、明日からの仕事のプレッシャーであまり外に出たくないんだけど、ネタ出ししてる噺は聴いたことないし、辰ぢろって誰!? と思ったら新しいお弟子さんらしいし。

昼にビール呑んじゃったし雨も降りそうなので今日も電車で。

辰ぢろさん、四番弟子と自己紹介。てことははい辰さんはまだ続けてるのかな。それにしては全然目にしないんだよなあ……。
これまでのお弟子さんと同じく初高座は『寿限無』。小辰さんによれば扇辰一門は全員これなんだそうな。
とはいえ扇辰師によるとすでにもう少し小さな会で初高座は済ませたそうで、今日は3回めなんだとか。とはいえこの人数の前では初だそうだ。
高座に上ってお辞儀をするときの目に決意があるように見える。多分。
やや固いところはあるものの、大きなミスもなく無事に終える。言い立ての息継ぎのタイミングが難しそう。頑張れ。

今日は三K辰文舎の方々のお弟子さんが揃い踏み。
あお馬さん、とある若手真打の先輩からカードゲームのお誘いを受けて人狼ゲームをしに行ったところ、そこに小せん師がきていたとか。師弟で「お前が狼だろ」と泥仕合になり……というマクラから、「嘘は泥棒の始まり」と泥棒の噺に入っていく。
扇辰師も言っていたが、明るくハイトーンで小せん師とは結構カラーが異なる感じ。

扇辰師の一席め、「若いってのはいいねえ」とあお馬さんたちを褒めたり、辰ぢろさんの紹介や命名秘話などをマクラに。
ネタ出しの『お文さま』は浄土真宗の東本願寺派の経文がネタになったもので、扇辰師の菩提寺は真宗東本願寺派だそうだ。話が広がるかと思ってゲストのふたりに宗派を聞いてみたところ、まったく話が通じないという。宗派を聞いてるのにあお馬さんは「わからない」、文吾さんに至っては「特定の信仰がないことを『仏教』っていうんですか」という具合だという。まあ俺も親父の墓がある寺が日蓮だということは知ってるけど、何派までかは知らないしなあ。母方は真宗だけど、あれ西だっけ東だっけ……。
でもって信心深い商家に、若旦那の妾のお文さんを計略で乳母として潜り込ませたのはいいが、おかみさんが疑いを持ちはじめ……という噺。もとは上方の噺らしいが、こんな噺があることさえ知らなかった。結構レアな噺なのではないだろうか。
まああらすじだけでいえばロクでもない話なのだが、ストーリーとしてはよくできてる噺だと思う。なのにあまり演る人がいないのは特定の宗派の知識を説明しなきゃならないってことと、ゲストのふたりのようにそもそもそういうことの理解ができないってこともあるのかもなあ。

仲入り時、なぜか小辰さんが登場し、三K辰文舎のチケットの営業を始める。「今日チケットを2ケタ売らないと弟子が破門になります。まずは辰じろがクビになり、今日で最初で最後ということに……! その次は私がクビになります。……なぜ目をそらすんですか。そして誰もロビーに買いに行かないってどういうことですか」。そんなこといっても平日なんだもんさ。それにしても小辰さんは出演するわけでもないのに結構扇辰日和には顔を出しているのかな。

文吾さん、「母親にLINEで確認しました。『仏教だ、バカ』だそうです」……うん、いや、だからそうじゃなくてさ……。さすがにこの後で扇辰師も呆れていた。マジで「宗派」を理解してないのか……? 最近はそれが普通なのかな。
噺は価値もわからずに骨董品を買い集め出した旦那を騙すというもの。初めて聴く噺だが、それもそのはずで文吾さんが作ったものだという。へえー。
古典チックに仕上がってるし、話がどんどん大きくなっていくところは『井戸の茶碗』や『天狗裁き』と通じるところがあるともいえる。
やや江戸弁がやりすぎな気もするけど語り口も軽やかで、芯のある面白さ。扇辰師も感心して「俺この噺の稽古つけてもらおう。……俺がやった方がウケる」そんな若手潰しをしなくても。

扇辰師の二席め、若手を聴いて感心しながらも自身の修行時代を思い出したらしく、「もう二度とやりたくない」と身震いをする。特に前座の頃は理不尽なことばかりされていたようで、大雪の日に楽屋にいたら出番のあるある師匠から電話がかかってきて、電話に出たら「なんでやってるんだ!」と怒鳴られたとか。「知らねえよ、席亭か協会に言ってよ」と思ったけれどもいうわけにもいかず、謝り倒したとか。
そんな理不尽な思い出から人遣いの荒いご隠居の噺に。扇辰師の『化け物使い』は初めて。
扇辰師のご隠居の小言の言いっぷりが見事で、神経質で細かいことを言いながらも、ねちっこさを感じさせない。化け物たちに用を言いつけてぐずられたときの恫喝っぷりもメリハリが効いていて、いかにも口先だけで人を使うことに長けている感じがする。
時間の都合からか、大入道とのっぺらぼうの場面がほぼカットだったのは残念。のっぺらぼうへのセクハラの場面とか、絶対扇辰師のは面白いはず。

終演後、外に出てみると雨がちょぼちょぼと。
まあこれで電車できた意味はあるかと思ったが、これだったらバイクでもよかったかなあ。
あ、昼にビール呑んだからどちらにしてもダメか。
せっかくなので中野でひとり酒。……最近酒量が明らかに増えてるなあ……。以前は酒は飲み会でしか飲まず、ひとりでは350mlの缶ビール1本すらもてあますような程度だったんだけど。
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第十一回 大師匠噺 [落語]

第十一回 大師匠噺
於:両国 お江戸両国亭

三遊亭ごはんつぶ『寄合酒』
蜃気楼龍玉『穴泥』
三遊亭天どん『無精床』
三遊亭天どん『熱中症対策本部』
蜃気楼龍玉『水屋の富』

久しぶりに土日両日休みがとれる。GW以来か……?
20日の時点で残業時間が85時間超え。こら今月100時間超えるかもなあ……。別に仕事片付いたわけじゃなくてタイミング的に土日休めたってだけだからなあ。
この状況あと数か月続くのは確定だし。死ぬかもしれんね。

朝から空模様があやしかったが、出かける時間あたりはものすごい豪雨。仕方ないので電車で行くが、土曜の昼に電車でで出かけるときに楽しみなのが駅からほど近い居酒屋ランチ。刺身定食がワンコインで、前日の残り具合によって結構内容が変わるのだがだいたい倍の値段したっておかしくない内容のものが出てくる。こないだは大トロが入ってた。小鉢も2品ついてて、汁物もアラ汁だったりもする。で、これをアテにランチビール250円、ハイボール200円。千円以下でかなりの満足度でコスパ最高。ほろ酔いで落語に向かう。

この会は1年ぶり。しかも前回は龍玉師の代演で馬石師だったので天どん龍玉のオリジナルコンビでは1年半ぶりくらい。

ごはんつぶさん、なんか久しぶりに見たらウォーズマンみたいな髪型になってる。
最近はよく『寄合酒』聴くなあ。タラのくだりとかまだちょっと怪しげだったかな。

龍玉師久しぶりだなあ。好きなんだけどね。
一席め、高座では初めて聴く。あまり演る人いないような。
やっぱり龍玉師はこういうピカレスク譚が似合うなあ。

天どん師の一席め、まずはいつもどおり龍玉師の悪口から。「龍玉くんは二人会でもやる気がないと15分、短いと10分で下りてくることがあるんですよ。かと思うと30分以上演ったりね。今日はどっちかと思ったら後者でしたね。どういうつもりなんですかね、こっちのことも考えてほしいですよね」とひとくさし。「ネタ出ししてた『無精床』は短いんですよ。本当は後半でやるつもりだっったんですけど、龍玉くんがいきなり長いネタやるから前半でやりますね。なんで僕が時間調整までしなきゃならないんですかね。まったく僕をなんだと思ってるんですかね。まあ後輩なんですけど」相変わらずブツブツ。
「前座噺みたいなネタなんですけど、大師匠の圓朝噺ほとんど持ってるんですよ。この会はネタおろしなんでもうネタ残ってないんですよ」とのこと。ほー。
そこからなぜか兄弟弟子や圓丈師の悪口を並べ立て、ときどきで「ここひくところじゃないですよー。なんか伝わらないなあー」とボヤく。要は圓丈一門は古典の稽古をろくにつけてもらえない、ということを伝えたかった様子。
つっけんどんな床屋の大将の様子が天どん師そのまんまでそれが楽しい。

二席めは栃木のどこかの役所の熱中症対策本部が舞台の新作。
熱中症対策本部なのにエアコンが故障しているという一種のパニックもの? とはいえ予算を変なところに使うところとか仕事中でも定時で帰るとか、仕事しない地方公務員への強烈な皮肉を込めた噺になっている。
扇風機のカバーを外して羽の真ん中部分を指で押さえて止めるとか子どもの頃にやったなー、懐かしい。
町の音頭を作るという話で、東久留米音頭を天どん師が歌う。……東久留米には俺も7年住んでたけどそんなのあったんだ。その後にも応募されてきたという歌を聞いてみると聞き覚えのあるメロディで結局は『東京ホテトル音頭』だったり。

龍玉師の二席め、一席めのマクラでも言っていたのだが、「『水屋の富』、あまり演る人がいないんですよね……なんでかというと……面白くないんですよね……稽古してても『面白くねえなあー』って思いまして。……おそらくネタおろしの今日が最初で最後だと思います」とのこと。
そうだっけ、そんな面白くなかったけ……と思ったが、確かに高座じゃ聴いた記憶がないな……。
で、実際に聴いてみると……確かに富くじが当たるまでは『宿屋の富』と似た感じだし、その後は同じことを何回も繰り返しているだけで話が進まないという私の苦手なパターン。それに結末も知ってるし、そうなると確かに「単なる水屋が苦しんでる話」って感じになっちゃうなあ。
もちろん要所要所で笑える箇所はあるんだけど、確かにそんなに頻繁に聴きたい話でもないかもなあ……。

帰りもどっかでひとり呑みでもしようかと思ったのだが、速報を見たら巨人が勝ってるので家に帰って野球を見ながら惣菜の唐揚げをツマミにまたもやビールとハイボール。勝ったのを見届けてソファーで猫と一緒に昼寝。久しぶりに休日を満喫してる感じ。
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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年6月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 元年6月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『牛ほめ』
三遊亭じゃんけん『初天神』
三遊亭兼好『やかん』
三遊亭兼好『三年目』

今日もこの後は休出。さていよいよ心身ともに限界が近づいてまいりました。いろいろとマイナスのことしか考えられないし、ちょっとしたことですぐにパニクってまともに思考ができなくなる。俺こんな人間だったっけ? 自分で自分がわからなくなってきてる。わかってるのはこのままじゃヤバいってことくらい。

落語に行く余裕や気力すら出てこないが、さすがに兼好師のこの会くらいは行って無理やりにでも少しくらい気分を上げないとホントに潰れてしまうかもしれないと気分を奮い立たせる。落語行くのに気分を奮い立たせるってなんだよ。

しゅりけんさん、与太郎の酒の粕の小咄で「よっちゃん、あたい酒呑んじゃった」「いい若えもんが『酒呑んだ』なんていうな、そういうときは『酒の粕食った』って言え……もうめちゃくちゃだな」と取り返しのつかない感じになる。「もうそういうときは噺に入った方がいいと先輩にも言われているのでそうします」とバッサリ小咄を捨てる。なんという大胆な。
その後も割と大きめな言い間違えがあったが、すべて力業で流す。実は結構大物かもしれん。

じゃんけんさん、これはもう兼好師の『初天神』ですな。くすぐりや間などが完全にそれで、今は完コピを目指す段階なのかな。

兼好師の一席め、この会はいつも会場入りするのがギリギリなので、弟子に長めにやれと言っているのにまさか小咄を抜かすとは……と驚いた様子。
最近はCDが売れず、発売当日にYouTubeに上がっているのだという。それも悪意があってやっているならともかく、あげている本人としては「世間に兼好さんを知らしめたい」と善意でやっているのでタチが悪いとのこと。
それでも実際に地方の仕事で主催者になぜ自分を呼んだのか聞くと「YouTubeで見て」ということもあるらしい。なので一概にマイナスばかりではないが、さすがに弟子入り志願でそれを言われると腹が立つという。こないだも地方で弟子入り志願があったので理由を聞いてみたら「YouTubeで見て」だったらしい。「そういうときは嘘でもいいから『CDを聴いて』っていいなよ」というと「CD買えば弟子入りできるんですか」と聞かれたとのこと。
「そんなAKBみたいなシステムじゃない……けど、今度からCDに『弟子入り志願権利券』つけようかな。5枚集めたら弟子入り志願していいという。普通弟子入りまで2〜3回はお願いしにいくから、それだけで15枚売れる」とのこと。この時期は5月病で会社辞めた人がたくさん志願しにくるそうだからちょうどよさそう。
噺家の場合は弟子をとれば「師匠」だが、色物や講談の場合は「先生」と呼ばれる、というところから『やかん』に。
お弟子さんのは何度か聴いたが、兼好師の『やかん』は初めてじゃないかな。
八っつぁんに対して知ったかぶりをするときは「カッ」と見得を切って威嚇するのが面白い。その分八っつぁんに突っ込まれたり知らないことを聞かれると途端にキョドりはじめ、それを見透かして八っつぁんがニヤニヤしてるのもまたおかしい。
講談部分の軽やかさもお見事。

二席め、相手がよかれと思ってやっていることについては文句を言いにくい、というところから『三年目』に。
これも『超入門!落語the Movie』で聴いただけで高座では初めて。
病の床にある先妻が、旦那から「女はお前だけ」とか「後添いは持たない」とか聞かされるたびにニヤーと顔を綻ばせるのが楽しい。その後にハッとした顔で「でもあなた……」とネガティブな言葉を続けるのがウザいながらもいじらしい感じ。
『落語the Movie』で泉谷しげるが演じていた「本所のおじさん」の破壊力がすごい。「はい本所のおじさんです」といいながら顔を出す仕草がたまらない。

こんな面白いのに心は沈んだままってなんなんだよ……。
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三遊亭遊馬独演会 2019年6月9日 [落語]

三遊亭遊馬独演会 2019年6月9日
於:国立演芸場

三遊亭遊馬『四段目』『中村仲蔵』『淀五郎』

今週は土日とも休出。働き方改革とは。もういろいろと絶望しかない。

まあ感想は先週と先月も書いたのでそちらで。
もうこのブログ書くのも省エネしなければしんどい。

とはいえこの構成は独演会でしかできないが、いい並びだと思う。
『四段目』も『中村仲蔵』も『淀五郎』のための壮大な(といったら大げさか)前フリになっている。
特に『四段目』があるからこそ『淀五郎』の芝居の場面がより活きているように思う。
以前「寄ってたかって」だかで白酒師の『四段目』の後に市馬師が『淀五郎』を演り、そのときは「え、そんな噺がついちゃうようなことしていいの?」と思ったが、そう考えるとあれは理にかなっていた……のか?
まあ同じ芝居の真似事の噺の『七段目』じゃダメだったワケだ。でもこれでより『七段目』も理解できるように思う。

独演会お約束のハメものは『中村仲蔵』の芝居の場面で。
今日も仲蔵がたっぷりめ。
その分やや『淀五郎』が先週よりもスリム化したように思うが、これくらいがちょうどいいかなあ。

さてまた明日から仕事なワケで。うええ。
タグ:三遊亭遊馬
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遊馬百席 第120回 [落語]

遊馬百席 第120回
於:板橋 みやこ鮨

三遊亭遊馬『中村仲蔵』『淀五郎』

昼に焼肉チェーンの安楽亭で食事。多分高校生以来? 友達がバイトしてる店に行ったっきりだなあ。

今日は長講二席。
どちらも『仮名手本忠臣蔵』を題材にした噺だが、最近の人には馴染みがないだろうとかなり詳しい説明があった。
恥ずかしながら私もそのうちのひとりで、これだけ落語を大量に聴いていても歌舞伎や文楽などの芝居の素養はまるでない。そのため、正直『四段目』などの「下地ありき」の一種のパロディものの噺は本来の面白さの半分も味わっていないのではないだろうか。
いわゆる普通の『忠臣蔵』と、芝居の『仮名手本忠臣蔵』の違いも知らず、今日の遊馬師の説明でやっと大石内蔵助と大星由良之助がいるのかがわかったような有様。なるほどなあ、『仮名手本忠臣蔵』って『忠臣蔵』を題材にした芝居用のフィクションなのね。
そんなようなストーリーから登場人物の背景まで、ときには芝居の真似事を含めて結構事細かに説明してくれた。おかげでかなり噺の細部、特に四段目五段目については理解できたように思う。遊馬師のダイナミックさは芝居の真似事に映えるね。
これで『四段目』とか『一分茶番』なんかももっと面白く聴ける気がする。
ただ、その結果どうなったかというと。……長い。『中村仲蔵』は1時間超え、『淀五郎』はストーリーの重複もあるのでやや短くなるがそれでも45分くらいはかかった。
……うーん。これはなかなか判断が難しいところではあるが。落語のストーリーをより楽しめるように説明を増やした結果、一席としては長すぎて正直ダレる。
特に『中村仲蔵』はもともと地の多い噺なのでそんなに笑いどころも多くなく、そこにさらに説明が入るので、正直途中でなんかの講義を受けているようになってしまう。今日のが説明のフルの分量だとしたら、ここから結構刈り込んでいかないといけないだろうなあ。
『淀五郎』の中で役者の身分制度や香盤の話になり、そこから脱線して芸協の香盤や遊馬師の二ツ目から真打に昇進するときの話が出てきたのは面白かった。遊馬師は普段あまり自分のことをマクラで話したりしないからなあ。

『中村仲蔵』から『淀五郎』に移り、『淀五郎』の噺の中で中村仲蔵が登場してくるのは、なんだか映画やゲームのシリーズ物で前作の主人公がちらっと出てきて今作の主人公を助けてくれるようなアツさがあってなんかいい。
タグ:三遊亭遊馬
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