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第二十一回 上原落語会 三遊亭萬橘萬丸親子会 [落語]

第二十一回 上原落語会 三遊亭萬橘萬丸親子会
於:代々木上原 ムジカーザ

三遊亭愛次郎『浮世床(本)』
桂南海『子ほめ』
三遊亭萬橘『権助魚』
三遊亭萬丸『位牌屋』
三遊亭萬丸『千早振る』
三遊亭萬橘『子別れ(下)』

この週末はとにかく寝て疲労回復に努める。
それでも疲れが抜けない。歳とったんだな……。
今日も家の掃除をざっとして新しく届いたキャットタワーを組み立てるだけでほぼ1日が終わった。
……キャットタワー同じものを買ったと思ったが、なんかショボくなってんな……。

さて久しぶりの上原落語会。
会場がなかなか急な坂道の途中にあり、バイクを停めようにもズルズルと滑り落ちていってしまう。

下座さんのいる袖の部分が丸見えで、二番太鼓を叩いているところや、出囃子を弾いているところをまじまじと見ることができたのは初めてかも。へえーああいう感じで叩いてるんだーと新鮮で楽しい。

愛次郎さん、前に聴いたときよりは慣れた感じか。床屋であるとかの説明もなく、ホントに本を朗読するところのみ。

南海さん、これで「ナンシー」と読むのだとか。
洋風の名前ではあるが、スッキリとした感じのキレイな顔立ちの女性。噺は、まあ、その、頑張ってんなあという。

萬橘師の一席め、今日は福井からの帰りだという。福井での会はコロナ禍の中でも続いていた会なのだそうで、「毎年ワクワクしていくんです。……というのもこの会の世話人の方がいろいろやらかしてくれるんで、今年は何をやるんだろうという……」なのだとか。
「もっと他の会場でやったら?」と言われ、萬橘師が横にいるにも関わらず「客席を埋める自信がない」と言ってしまったりとか、手に車の鍵を持ちながら鍵を探しているとか、その方のやらかしエピソードをたっぷりマクラで振って『権助魚』に。
萬橘師の権助は愛嬌が少なめでぶっきらぼうなので旦那からも嫌がられているというキャラ。けれどそれが萬橘師のキャラとフィットしている。
嘘がつけないので、お内儀さんに対しても「〜と言ってくれと頼まれました」とか「証拠にこの魚買って参りました」とかポロポロと漏らしてしまうのがおかしい。

萬丸さん、黒縁丸眼鏡と坊ちゃん刈りでリアルのび太。約1年ぶりだけどこんなだったっけ。
「一応言っておきますと、この番組は私の意思ではありませんので……『師匠の後に出るなんて』とお思いかもしれませんが……」と気にしている様子だったが、兼好一門で慣れてるんで。
『位牌屋』は現好二郎さんが二ツ目昇進間近のときに掛けてたのを聴いたことがあるくらい。
「ケチの噺」といいながらやってることはカスハラに窃盗だからなあ。
サゲも本来の形だと結構シャレにならないブラックさだし。さすがにそこは変えていたが。

二席め、「一応楽屋には進行表というものがあるのですが、師匠の二席めの上がり時間が19時35分なんですが、すでに19時45分……。まあひとり増えたんで。これはお客様から延長料金を頂かないと……冗談ですよー」。今日はいつもの客層と違って若い人も多かったから、真に受けそうな雰囲気があったのだろうか。
ご隠居は単なる知ったかぶりではなく、業平の句をすらすらとそらんじるなどちゃんとそれなりに知識人だし「愚者」とバカにすることもない。
竜田川の立志伝でも「実家から出て相撲取りになった」と伏線を入れたり、「酒と女を絶った」と断ち物を増やしたりとちょいちょい肉付けがされていてその分リアルさが増えている。

萬橘師の二席め、お嬢さんがポケモンの実際にはない進化後の姿を描くというYouTubeにハマっているらしく(よくわからん)、「じゃあ実際にはいないポケモンを描いてるんだな?」といったところ……というマクラから子どもの噺に入っていく。
落語の中でも結構ウェットな部類の噺だと思うが、萬橘師のはできるだけそのような部分を排除して暗くならないようにしているように思う。親子の再会については番頭さんが仕組んでいる様子はなく、父親が昔よくやっていたという顔のパーツを手でぐっと中央に寄せた「尻の穴の顔」をすると「あ、お父つぁんか!?」と認識するような有様。亀吉が金持ちの息子からいじめられるという描写もないし、この噺の最大の山場である母親が亀吉を疑う場面もごくあっさりで玄能を持ち出すことさえない。
萬橘師はこういうジメジメしたのは苦手なのかもしれない。私もそういうのはあまり好まず、「落語はとにかく面白いものが好き」派なのでこういう型は大歓迎。個人的には人情噺は20席に一席くらいの割合でいいです。まあ兼好師メインだからほとんど当たらないけど。泣かせる描写がなくたって充分に面白いし、夫婦や親子の絆だって描ける。

バイクで帰る道中すっげえ寒い。昼が暖かかっただけに完全に油断した。
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