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第三十六回 三遊亭兼好 横浜ひとり会 [落語]

第三十六回 三遊亭兼好 横浜ひとり会
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭けろよん『八九升』
三遊亭鯛好『鯉好』
三遊亭兼好『辰巳の辻占』
三遊亭兼好『陸奥間違い』

正月恒例の横浜ひとり会。
毎年2回あってもう1回は平日なので私は毎回1回おきなのだが、去年が三十三回で今年は三十六回。あれ? もう1回増えたのか?

けろよんさんは先日聴いたのとほぼ寸分違わず。
むしろ入門したてでそれはすごい。
あと前々から誰かに似てるなーと思ってたけど、扇蔵師に似てるんだ。あの太い眉とギロっとした目にクマがそれっぽい。

鯛好さんも先日両国寄席で聴いたものと同じ。
こないだは面白いと思ったが、連続で聴くとそうでもなかった……。まあ正直1回聴けばまあいいかな。
貼り出された演目表の名前にも「鯉好」と書かれたものに×をつけて「鯛好」となっているのは芸が細かい。
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兼好師の一席め、今年は正月のホテルでの仕事があったらしい。昨日の白酒師も言っていたが、こういう会は宿泊客向けのイベントのため、「聴こう」という意欲がないのだという。
「こういうのは祖父祖母親子という組み合わせが多い。お祖父さんが『落語あるのか、行こう』と言っても子どもたちが『落語なんてつまんなーい』なんていうわけです。そうすると子どもの親たちも『ヒーローショーにしようか』なんていって、お祖母さんまで『じゃあ私もそっちに……』となるからお祖父さんがひとりで入ってくるんですよ。この状況で笑います? 顔の横あたりに恨みつらみの感情が渦巻いてるんです。『ホテル代を払ったのはワシなのに』みたいな。しかもホテルでドレスコードがあるのか英国紳士みたいな格好して」とここで会場を見回し、「これくらいの格好じゃなきゃ、ねえ」と客席を巻き込んで笑いを誘う。
「我々は時事の話をしなければならない。たった数日前のことでも、去年のことを話すと『なに古い話をしてるんだ』となってしまう。だけど今年に入ってから特に何もないんですよねえ。オミクロン株は増えてますけど……。また岸田首相がね、なんか存在感が薄いというか……。安倍さんや菅さんはいじりやすかったんですけど。皆さん岸田さんが首相だって覚えてます?」。確かに……。「なんか老舗旅館の駐車場係みたいで……」というのは上手い表現だなあ。
正月らしくおみくじの話題から恋占いの話に移り、『辰巳の辻占』へ。
一途なバカである源ちゃんとそれを手玉に取るお玉のやりとりが楽しい。
「心中しよう」と持ちかけられて一瞬怯むも瞬時に立て直し、そこからは一気に主導権をガッチリ掴んで離さないお玉の肝の太さが堪らない。

二席めは珍しく袴姿で登場。
「正月だからと着てみたけど、久しぶりだから忘れちゃって焦った」そう。
先日名古屋へ行ったときに、行列ができていてなにかと思ったら、藤井聡太竜王が好きだというお菓子を買う行列だったという。
「彼がすごいところは、普通なら絶対に指さないような手、常識的にいえば間違いといわれるような手を指すんだそうです。それで勝っちゃうんだから何が間違いなのかわからない。落語も同じです。間違えたと思っても責めちゃいけない」と言い訳のようなフリのようなことを言って噺へ入っていく。
『陸奥間違い』は昨年も正月に聴いた。明るくおめでたい噺なので正月にはピッタリだと思う。
いつもながら兼好師の権助の愛すべきトラブルメーカーぶりが楽しい。権助の間違いに気づいたときの主人穴山小左衛門が起こすパニックも気の毒ながら笑ってしまう。
随所に笑いどころがあり、最後はハッピーエンドと他にも演じ手が増えそうなものだが。秘伝なのか。いや実際に掛けられることはなかったが、喜多八師に教えたこともあると自慢してたからそんなこともないと思うのだが。
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