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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 29年9月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 29年9月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭じゃんけん『阿弥陀池』
三遊亭あおもり『首屋』
三遊亭兼好『粗忽長屋』
三遊亭兼好『辰巳の辻占』

じゃんけんさん高座に上がるなり「皆様に報告があります。師匠がまだ来ていません」。なぜか亀戸に行ってしまったのだとか。
今日からけん玉改メ兼太郎さんがこないので、じゃんけんさんが長めに繋がなければならないそうで、「いなくなって初めてわかる兄弟子のありがたさ。いい兄さんでした……死んだみたいに言ってしまいましたが」と話す。まあ仲よかったしね。今日からの両国寄席の披露目にも行ってください、と弟弟子からもお願いされる。
兼太郎さんからは「常にアンテナを張っていろ」とよく小言をいわれていたそうで、「たしかに世の中の動きには詳しくなってなくちゃならない」と噺に入る。
『新聞記事』かと思ったが、関西版の『阿弥陀池』。以前に聴いたときは関西弁だったのだが、江戸言葉で話されるとやっぱりちょっと違和感があるかなあ。
じゃんけんさんも着実にネタを増やしてるようだ。

じゃんけんさんが降りたあとも兼好師の出囃子の『さんげさんげ』が聞こえてこない。
代わりに上がったのがあおもりさん。兼好師に稽古のお願いで会場にきていたらしく、緊急助っ人として上がったようだ。
とはいえ短めに繋ぐだけのようで、短めに『首屋』。噺は知っているが聴くのは初めてだ。
ぼそぼそもそもそとしたあおもりさんの話し方が意外と「試し切りのために首を買おう」というサイコパス気味の大名と合っている。

さてくすくすという笑いに迎えられた兼好師、亀戸寄席の会場まで行ってしまったらしい。亀戸と中野は乗り換えの駅が一緒だったためうっかり間違えたそうだが……。亀戸寄席って13時からじゃなかったっけ? 結構時間違うけど……。
まだスマホを使いこなせていないので、到着時間などを調べられず、駅員に到着時間を聞いてじゃんけんさんに「15分までには着くから」と連絡したそうだ。しかしそこからまた逆方向に乗ってしまい、さらに遅れたのだとか。
「粗忽な人がいる」とマクラもそこそこに噺に入る。
この噺はもちろん主人公の「兄い」の話の通じなさが面白いのだけど、その兄いの訳のわからない理屈に丸め込まれてしまう熊と、それに困惑しきっている役人がまた面白い。
役人が二人組で、その片方がやや兄い寄りなのは兼好師の独自なのかな。

二席めの『辰巳の辻占』はやはり巻きせんべいの辻占を読むシーンが一番面白い。
辻占の前半で期待を持たせるような文句が並んでおきながら後半でうっちゃられるというのは誰でも同じなのだが、なんか兼好師だとその落差がすごく鮮やか。
心中を持ちかけられて「うわあどうしよメンドくさい。でも後でぐずぐず言われるのも嫌だし……源ちゃんを先に飛び込ませておいて私は戻ってくればいいか」と呟くおたまが空恐ろしい。そこまでハッキリと言葉として口に出すという演出をしている人は聞いたことがない。
強い女を描かせると兼好師はすごいというか凄まじいというか。
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