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コタ×コタ [落語]

コタ×コタ
於:神田連雀亭

柳家小太郎 入船亭小辰 ご挨拶
柳家小太郎『堀の内』
入船亭小辰『不動坊』
入船亭小辰『たけのこ』
柳家小太郎『愛宕山』

前の落語会との間が少し空いたので、なかの芸能小劇場から少し離れたところにある哲学堂公園へ行く。
以前はこの公園から自転車で10分程のところに住んでいたのだが、当時は全然来たことがなかった。
ほぼ初めてだが、……なんか変な銅像とかあんのね。釈迦とキリストと老子とエクナトンに囲まれてアブラハムがひれ伏しているところとか。シュールだなぁ……。
木陰が大変気持ち良い。
ブログの更新作業とかインスタとかやってるうちにあっという間に時間が過ぎる。読もうと思って持ってきた本とか全然読めていない。やりたいことが多すぎて渋滞している感じ。

さて新しく企画された小太郎さんと小辰さんの二人会。会場に到着してみたら満員。私は最後に残った一席だった。
実は小辰さんが二ツ目に昇進した頃にも小太郎さんが誘ったそうなのだが、当時小辰さんは同期三人の会が決まっていて、それだけで手一杯だと思って断ったのだとか。
しかし小太郎さんが一蔵さんや市弥さんと二人会をやっているのを見て、小辰さんも「自分もやります」みたいな感じで決まったそうだ。
せっかく新しい会なので、新しい試みをやってみようとのことで企画の説明をする。
会の名前が「コタ×コタ」なので、噺も掛け合わせてみようとのこと。お客さんから噺のリクエストを募り、それをくじのようにして2枚引き、そのタイトルを掛け合わせて新しい一席を作るという。例えば『悋気の独楽』と『粗忽の使者』を引いたとしたら、『悋気の使者』か『粗忽の独楽』という噺をこさえて次回に演じるという。
小太郎さんいわく、小辰さんはいつも「本寸法『風』」なことをしているけれども、もっといろんなことをやってみようじゃないかと考えたらしい。「風」て。でも面白い試みだと思う。聴きたい聴きたい。
「『紫檀楼古木』とか書く人いたらどうしよう」「みんなそんな字書けないって」などというやり取りがなされる。

まずは小太郎さんの一席め、主人公の落ち着きのなさが楽しい『堀の内』。
お賽銭を上げるシーンでがま口に見立てた手ぬぐいを投げたら、高座から客席まで落ちてしまった。
「ああー……」と小太郎さんなのか小太郎さん演じる八公なのかが途方に暮れた声を上げたら、最前列のお客さんが拾って戻してくれ、そこで大ウケ。
間違えて長屋の隣の家に怒鳴り込むところでサゲて金坊とは風呂に行かず。ここで切るのは初めて聞いた。

小辰さんの一席め、小太郎さんの高座に触れ、「あんなにいろいろな反則技、もとい飛び道具を使うとは……」と感心(?)しきり。
「さっきも言ってましたけど、私は本寸法『風』で、そうすると間違えたりしたところが一番ウケたりする」と話す。
そんな思いもあってか、これまで大切そうな会で掛けていた『不動坊』を。おそらく得意ネタなのだろう、新しい会に対する意気込みもあるのかもしれない。
「おたきさんは本当はあっしの女房なんだが不動坊に貸したと思うようにした」という吉公のサイコパスぶりがより拍車がかかっていてそれがおかしい。風呂屋での妄想でも「嫁に来る」ではなくて「戻ってくる」という前提になっているのが徹底している。
モテない三人組のやり取りの面白さはいつもどおりで、特に徳さんの万さんに対するキレっぷりが最高。
だが屋根からぶら下がった幽霊が吉公に「誰だおめえは!」といわれたところで「……誰でしたっけ? それ教えてもらってません」。そういやその仕込みの部分丸ごと抜けてたわ。全然気づかなかった。
客席は大爆笑で、はからずも先程言っていた「本寸法風は間違えたところが一番ウケる」が実現してしまった。
小辰さんもその場面になるまで全然気づかなかったらしく、その後の場面はわたわたになってしまう。

仲入り時にお客からのリクエストを回収し、仲入り明けに再度ふたりで登場。
小辰さんは先ほどのミスがよほど堪えたのか、抜け殻のようになっていた。
小太郎さんから「さすがやわぁ〜。あんな飛び道具を使うなんてぇ〜」と何故か京言葉でいじり倒されていた。京言葉のせいで腹黒さがアップ。
さてくじ引きの結果。
小太郎さんは『お菊の皿』と『豊志賀の死』。……どっちもおどろおどろしいな。
で小辰さんはなんと『紫檀楼古木』と『按摩の炬燵』。ホントに書いてきた人がいた。
小太郎さんは元の噺ふたつとも持っているのに対し、小辰さんはふたつともよく知らない噺だという。
「『お菊の死』って、もうすでに死んでるしなあ」などと言いながらも、なんとか噺にはまとまりそう。小辰さんは『紫檀楼の炬燵』か『按摩の古木』というわけのわからない噺を作らなくてはならず、これは大変そうだなあ。

小辰さんの二席めは軽めに季節の噺で『たけのこ』。
一席めをたっぷりとやったからかさらっとあっさりめに。
隣家の老武士の佇まいが渋い。

小太郎さんの二席め、一八の軽薄な感じがよく出ている。
「朝飯前だ」と言って歌いながら愛宕山を登り始めてから疲れて無口になるまでがあっという間なのがおかしい。
崖を飛び降りる際の躊躇ぶりもまた笑える。

掛け合わせ落語が気になるが、次回は平日の夜だそうだ。早めに上がれるかなあ……。
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