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和室カフェ 其の六 [落語]

和室カフェ 其の六
於:高円寺 koenji HACO

立川笑二『転失気』
入船亭小辰『一分茶番』
入船亭小辰『紋三郎稲荷』
立川笑二『天狗裁き』

遊馬師からのハシゴ。
これまでは神保町のらくごカフェでやっていたのだが、今回のみ場所が変更だそうだ。
今日は雨が降りそう、というかショボショボと降ったりやんだりなので電車で移動したのだが、結局は持ちこたえたようだ。なーんだ。

笑二さん、最近凹むことが多いらしく、同居している兄弟子の吉笑さんに相談したところ「旅に出るといい」と勧めてくれたそうだ。「目的のない外出は嫌だ」と言ったところ、「俺の実家に行ってこい」と言いつけ、用事ができたろうと送り出してくれたのだとか。面倒見のいい兄弟子だと思ったが、吉笑さんは吉笑さんで思惑があったようだ。
途中までは普通の『転失気』だったのだが、「転失気とは盃のことです」と珍念が嘘をついても「そんなわけなかろう」とこの和尚は騙されない。「『転失気がなければ薬で調合します』と言われたのだ、なんで盃がなかったら薬を飲まなければならんのだ」。……なるほど。理屈っぽいが確かにそうだ。
結局は他の物だとして騙すのだが、確かにそれだと和尚と先生の会話のチグハグさが軽減したうえでお互い話が通じないという状況になる。……が、この『転失気』のおかしさは、「おなら」と「盃」というまったく違うものを語り合ってお互い「なにを言ってるんだコイツは」と話が噛み合っていない状況を傍から見ているおかしさではないだろうか。つまりおならから遠ければ遠いほどおかしさが増すように思うのだけれど。

二席め、女房のおさきさんが「どんな夢見たの?」と問い詰めているときにエスカレートして「他の女と寝た夢を見たんだろ! 誰? 長屋のヨネさんか!?」と婆さんを持ち出し、隣の男が喧嘩を止めに来たときに「この人がヨネさんと寝たんだ!」と暴走するのがおかしい。
天狗とも「ワシは夢の話なぞ聞きとうはない」「私も話のしようがない」と何度か繰り返した末に結局「どんな夢を見たか言え!」となるのが笑える。

小辰さんの一席め、笑二さんと吉笑さんのエピソードを聞いて「私なら弟弟子と一緒に住んでいたら発狂しますけどね」と辰のこさんの話を。
辰のこさんは入門してすぐヘルニアになりしばらく休んでいたのだが、その際に扇辰師と一緒にひとり暮らしをしている辰のこさんのお見舞いに行ったのだそうだ。そこで汚れている部屋を見て、扇辰師とふたりで掃除をしたとか。扇辰師すごいな。小辰さんは「師匠の家ならわかるが、なんで弟弟子の部屋を掃除しなきゃいけないんだ」とだいぶご不満の様子。しかも小辰さんは前座時代に家電製品をラジオすら持っていなかったらしく、辰のこさんの部屋で冷蔵庫ドラム式洗濯機薄型テレビを見つけては扇辰師に報告しに行ってうるさがられたとか。
噺は権助芝居で終わらず最後まで。『一分茶番』をフルで聴くのは兼好師以外は初めてかも。
空気を読まない権助の暴走っぷりが楽しい。ただ小辰さんがキッチリとしすぎているが故か、番頭さんから説明を受けているときなど、ちょっと権助にかわいげがないかも……。

二席め、扇辰師譲りの端正な一席。お調子者の侍、山崎平馬と、平馬に騙される駕籠かきたちの様子がいい。扇辰師よりはクサさがだいぶ控えめか。

次回はバレンタインにまたらくごカフェでやるそうだ。HACOは尻が痛くなるし向かいの焼き鳥屋の匂いと煙で気が逸れるので、そっちの方がいいなあ。
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