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第69回TOIRO寄席 三遊亭天どん独演会 [落語]

第69回TOIRO寄席 三遊亭天どん独演会
於:さいたま新都心 さいたまスーパーアリーナTOIRO

三遊亭天どん『大掃除の夢』
三遊亭ごはんつぶ『DJ寿限無』
三遊亭天どん『タラチネ』
三遊亭ごはんつぶ『スクキャット』
三遊亭天どん『クリスマスの夜に』

またもや休出。
そもそも私が忙しいので後輩に仕事を振っていたのだが、後輩も他の仕事で身動きが取れないとギブアップしてきた。……まあそんな気はしてたんだけどさ。つーか再来週の月曜にクライアントに提出なのに1ピクセルもやってないってよ。
来週は祝日もある上に24日は社内システムの入れ替えで仕事ができないので実質3日間しかない。今日はこの会があるのだが、少しでも進めるために朝いつもよりも早めに出て4時間ほど仕事してさいたまスーパーアリーナへ。
今日はGLAYのライブらしいが、その客を横目に天どん師のポスターを目印に会場へ入る。

独演会といいながらごはんつぶさんもポスターに入っている。まあ前座とごはんつぶさんで天どん師二席かな? と思っていたらいきなり『松の木小唄』が聞こえる。

天どん師の一席め、「この会は69回めだそうで。まあ僕は今日が初めてなんですけど、満を持して登場ですよ。……会場に入るとこれまでのポスターがずらっと貼ってありましてね。ムカつくんで鬼丸さんのポスターには大きくバツをつけてやりますよ。目に画鋲を刺してやろうかとおもいますね」と埼玉御用達芸人を軽くイジる。
「今日は隣はGLAYだそうですよ。すぐこう(天を仰ぐポーズ)しますよ。アレはなんですかね。カネの雨でも降らせてるんですかね。……僕はなにを言ってるんですかね」と相変わらず目に映るものすべてに毒づく。
「僕のこと初めてって人どれくらいいます?」と聞いたところ1/5くらいの人が手を挙げる。「結構いるじゃないですか! どうせ次回の喬太郎アニさんの先行チケット買うためにきたんでしょ」とボヤキが止まらない。
「じゃあ自己紹介からしますよ。圓丈の弟子でしてね、師匠は3年前に亡くなったんですけど、年末にこういう明るいニュースがあるといいですね。この時期なると思い出すのは、弟子を呼ぶのが好きな人だったんで年末になると『大掃除だ』っていって毎日弟子を呼ぶんですよ、12月の1ヶ月間。普通1日2日で終わることを1ヶ月掛けるんですから、やることないんですよ」。それは……。
「そうするとですね、人間のクズの白鳥アニさんてのがいて」で爆笑が起こる。「……あのアニさんがクズだと世間に認定されました。で、あのアニさんはずっと家の外側のドアノブを磨いてるんですよ、2時間。……いや、だったら家の中の方をやればいいじゃないですか、寒いんだから。でも世の中うまくできていて、あの人は新潟の生まれだから平気なんですよ。でもさすがに『アニさん、そんなに磨いてたらドアノブ取れちゃうよ』って声を掛けたら『どんちゃん上手いね、噺家みたいだね』って……。うるせぇオメェもだろってなりましたねえ」。こういう一門ならではの裏話はたまらなく面白い。どこに上手い要素があったのかはわからないけれども。
「こういうパワハラみたいなことは昔は普通にありまして……どうですかこの流れるようマクラ」と自画自賛。いや素晴らしい。
ネタとしては『引越しの夢』なのだが、マクラと合わせてサゲと演題を『大掃除の夢』に変えていた。なるほど上手い具合に変わるもんだ。
というか『引越しの夢』ってこのブログ始めてからまだ3回め? もっと聴いてたような気がするんだけどな……。まあ夜這いの噺だからなあ。天どん師も「真昼間に何やってるんだ」と一瞬我に返っていたようだけど。

ごはんつぶさん、「お古いところで」と始まったので、あれ珍しく古典? と思ったが『寿限無』の導入部に入ったので、ああ、と納得。
「コブが引っ込んじゃった」で受囃子が流れかけるもそれを制して『DJ寿限無』へと入っていく。
寄席で聴いたときは袂にハンドマイクを隠し持っていたが、今日は高座のマイクを使ってボイスパーカッションを。器用で上手いと思うが、もしかしたらこの噺は寄席サイズで聴いた方がキレがいいかもしれない。

天どん師の二席め、弟子の改作ものを聴いたからか、「弟子がやるんですから僕もやりますよ」とごはんつぶさんに対抗(?)して『タラチネ』を。
まずは通常の『垂乳根』の口上を披露して中手をもらい「ああよかった」と安堵する。
タラチネの口上の最初っから「Hey you!」とケンカ腰なのがおかしい。

仲入りを挟んでごはんつぶさんの二席め。二席めがあると思わなかったのでお得だ。
『スクキャット』は以前にも聴いたことのあるスクワットをする猫の噺。なぜ猫がスクワットをするのか、筒井康隆的なヒネリがある。

天どん師の三席めは少し季節を先取りした『クリスマスの夜に』。多分私が初めて天どん師を聴いたのが一之輔師との会で、ネタ交換的に一之輔師がやっていたように記憶している。
天どん師がたまにやるハートフル分多めの噺。そんなにいつも聴ける噺ではないのでレア感を楽しむ。
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