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第42回 宝寄せ [落語]

第42回 宝寄せ
於:六郷土手 宝幢院

三遊亭げんき『味噌豆』
三遊亭兼好『短命』
柳家わさび『三井の大黒』
柳家わさび『券売機女房』
三遊亭兼好『不孝者』

最近休日出勤が続くほど忙しい。基本的に休日は落語に行きたいので平日にギリギリまで頑張って土日を休むようにしているのだが、もうそれでは間に合わなくなってきた。
そんなさなか、今週になって後輩が今月いっぱいで退職するとのこと。しかも有給消化するので、実質残り2週間。……はいい? ……で、その中途半端な状態のその仕事、どうするつもり? ……ていうか聞くまでもないよね、俺にそのまんま流れてくるよね。まあ事情は聞いてないけど、いろいろあるんでしょう。クライアントや上司に対して腹に据えかねる事もあったのかもしれない。でもね、そういう事情なんかをすべて無視した上で正直な感想を言わせてもらえば、

やってくれたなあテメエ! ふざけんじゃねえブッ◯すぞこの野郎!

しかない。いやオメーにどんな事情があるとかもう関係ないよ。事実としては11月の残業時間が100時間を超えた俺がさらに忙しくなるってことだよ。……これ俺マジで死ぬんじゃないか。他の社員もヘロヘロでドミノが起きかねないぞコレ。というか俺が辞めたい。うちは住宅ローンも終わってるし、猫3匹が養えるだけの稼ぎがありゃいいのでこんな命削って働かなくたっていいんだ。……ま、俺は普通に責任感があるんで、仕事が中途半端な時期に辞めるとかできないけどな。

ああイライラする。
こういうときは兼好師です。
バイクに乗るときにAmazon Musicにどぶろっくのプレイリストを作成して大音量で聴く。テレビでもよくやってた『もしかしてだけど』とか『〇〇な女』とかの歌ネタを集めたアルバムだが、ホントに歌が上手くてネタがド下品なのに聴き惚れてしまうし、そしてド下品ぶりが最高。何回繰り返して聴いても飽きない。おすすめ。

久しぶりの宝寄せ、以前は本堂で行われていたのだが、今回はおそらく法事のときに家族が待機する部屋を2部屋ぶち抜いて。高座もおそらく住職がお経をあげるときに座る少し15センチくらいの高さの台というこじんまり感がすごい。これで兼好師とわさび師で1000円という激安。最近こういう会に行くことが少なくなったなあ。コロナが落ち着いて復活してきたのが嬉しい。

げんきさん、『九日十日』と『味噌豆』を。聴くごとに一段一段上手くなっていくのを感じる。

兼好師の一席め、「私もこちらは久しぶりですけど、この部屋でやるのは初めて。いいですね、この部屋。しかも高座も全然高くなくてすごく近い」。これが昔のお座敷芸のスタイルだったんだろうなあ。「なんていうんでしょう、穏やかな百姓一揆の相談?」。
万博の話題から「あれもうダメでしょう。これからもっと撤退する国が出てくるんじゃないですか。今は焼き場がすごく少なくなっているらしいんで、会場を焼き場にしたらどうですかね。各国のお弔いが選べるとか。『やっぱり仏教は落ち着くね』『うちは鳥葬で……』なんて」。お寺ジョーク?
「万博を開く、ということ自体が今の考え方と合わないんじゃないですかねえ。昔と今では価値観が変わっている。何が幸せなのかという考え方も変わる。長生きだけが幸せではないという考え方もある」と『短命』に。
先日も聴いた噺ではあるが、やはりこの狭いスペースの近い距離で聴くとまた違う。表情の動きもよく見えるし、声の通り方もマイクを使ったときと異なる。これはすごい贅沢なことではないだろうか。
短命の訳をようやく悟ったときの仕草や表情をじっくりと見られてしみじみと楽しい。

わさび師の一席め、マクラも一切振らずに『三井の大黒』に。
あのペターっとした髪型やめたのね。というかその反動なのか髪をまったく手入れしていないように見える。というか後頭部にすっごい寝癖ついてる。
ボーっとした感じのぽんしゅうの雰囲気がわさび師と合っているような気がする。
甚五郎の正体がわかったあとの小僧の権次の変わり身がおかしい。

わさび師の二席めは打って変わってマクラを振りまくる。
着物の色がげんきさんと被り、「私が高座返しをしてるような……。というか彼は18歳だそうですよ。なんなんですかあんな母性本能をくすぐりそうな感じは。私が芸歴20年そういう風にやってきたのに……」。そうだっけ? なんか病弱キャラとかだったような……。まあそれも「放っておけない感」を出すためのものかも。
「今日は兼好師匠と一緒ということで、私も時事ネタマクラとかを観客のひとりとして楽しみにしてたんですが、こんなライバルがいたとは……。さっきも師匠から『楽屋の障子閉めて』と言われたらちょっと建て付けが悪かったんですかね、『うんしょ、うんしょ』なんていいながら苦労しながら閉めてるんですよ。こりゃ勝てないなと……」。げんきさんそんなにひ弱なのか。
「最近ファストフードとかだと番号で呼ばれることがありますが、あれはいいですね。私は周りから軽く見られることがあるんですが、そういうときに使える技があるんです。たとえば『34番の方ー』と呼ばれたとします。そうしたら『ハイッ!』と力強く返事するんです。そして『34番、いただきます!』というと『この人は最近まで番号で呼ばれるような施設で過ごしていたんだと思われる」。まさかまさか。
注文繋がりで『券売機女房』に。町中華店主の老夫婦が、常連客から「券売機くらい入れた方がいいよ」と勧められ、夫がDIYで作った券売機の中に妻が入るというもの。「音声認識」といつう触れ込みだが、そら婆さんが入ってるからねというめちゃくちゃ感が楽しい。

高座を降りるときに高座返しをしかけるというおまけつき。

兼好師の二席め、「わさびくん、一席めでは『こんなこともできるんだぞ』ということを見せたかったんでしょうね。でも二席めでは我慢できなかったみたいで。こういうところが日大なんでしょうね」と笑う。
「最近は喬太郎師匠とか志らく師匠、わさびさんと日大の人と一緒に仕事をすることが多いんですよ。日大といえば今はいろいろと世間を騒がせていますね。パワハラとか。パワハラというと、吉田沙保里さんいらっしゃるじゃないですか。彼女のレスリング道場での子どもへの指導がパワハラ的だといわれて、最近ではあまり表に立ってはやってないようですが……。彼女はレスリングから離れれば乙女なのですが、あれだけ強いというのは試合中は半分ケモノなのです。百獣の王のライオンだってヌーの群れに会ったら親ではなく一番弱い子どもに行くのです。そうしたらどうですか。子どもに行くでしょう」とわかるようなわからないような。
『不孝者』は最近聞いたばかり……と思ったけど4ヶ月以上空いていた。
大旦那と欣弥が別れた理由がややあっさりとしたものになっていたり、よりを戻そうとするまでの経緯も少し簡略化していたような気がする。いろいろ試行錯誤が繰り返されている感じ。

帰りもどぶろっくの歌で癒やされながら帰る。
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