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三遊亭天どん独演会 新作大全 [落語]

三遊亭天どん独演会 新作大全
於:両国 お江戸両国亭

三遊亭天どん『死神』
三遊亭ごはんつぶ『姫狙い』
三遊亭天どん『同じ仲間』
三遊亭ごはんつぶ『スクキャット』
三遊亭天どん『夢一夜』

今シーズン初の股引。さすがにバイクは寒くなってきた。

天どん師の一席め、「こないだ師匠の三回忌がありましてね。白鳥アニさんは仕事があるってこなかったんですけど。仕事だってのは確かめたんでいいんです。あとうちの一門じゃないんですけど究斗くんているんですけど、これも仕事だって。『劇団四季の稽古があるんスよお』って落語じゃねえのかよ。あとですね、彩大くんとれん生くんているんですけど……あとだれかひとりいたな……」……誰だっけ。名鑑を確認して丈助師だと気づく。……仕事してんのかな……。
「とにかくそいつらはこないんですよ。で、次の日に新作落語の審査員の仕事がありまして、そこにはきてるんですよ。ブッ◯してやろうかと思いますよね。審査員はなにがしかのコレ(指で丸を作る)になりますからね。……今のところまったく空気が動いていないですね。なんですかこのいつもの遠巻き感。皆さん僕の独演会で僕が出てきたんですからもうちょっと笑ってもらえますかね」。……いやあなんというか生々しすぎて笑えないというか……。
「今日のコレは師匠の羽織でしてね。……わかりますか、ザナドゥっていうゲームのロゴがたくさん入ってるんですよ。ゲーム好きの師匠がメーカーの人にもらったみたいで」。昨年のこの会にも着てたような。「このロゴね、ゴムなんですよ。で、どうやら師匠の正絹の羽織につけたみたいで、紋を剥いだあととかあるんですよね。もらったんじゃねえのかよって。で、これだけは生前から『ください!』っていってたんですけど、『お前にはやらない』って言われ続けていて。形見分けで誰も欲しがらなかったからもらってきたんですよ」だそう。なんだかんだいって一門の中で一番師匠のこと好きだったんじゃないですかね。
「それとこのメガネね。高座に掛けてたのが4つくらいあったんですけど、おかみさん捨てようとしてましたからね。『ちょっと待てえ!』ってもらってきまして。……まあ呪物ですよ。白鳥アニさんとか『呪われるんじゃないの?』って言ってましたから。2つは他の人に渡したんですけど、今日は2つ持ってきました。これは晩年にかけてたヤツですね……うわっ、度キツっ。……こっちの黄色いフレームの方が皆さんに馴染みがあるんですかね。……こっちも度がキツいけどこっちの方がいけるような気がする。これでこう歯を出して『バカヤロウ』って……まあこれ仲入り中もここに置いときますんで、掛けてみたい人はどうぞ。……呪われるかもしれませんけど」。
「今日は圓朝ものを一席と、僕のを一席、あと師匠のを一席やりますよ」と『死神』に。
大金を得た男がおかみさんを追い出さず、一緒に上方見物に出かけるという形は珍しい。
死神が見える男が天寿を全うできたら次の死神になり、現死神は他の神様になれるのでロウソクの継ぎ足しチャンスを積極的に与えるというのも珍しいが説得力がある。……まあ次になれる神様はアレなのだけれども。
ロウソクの消し方もあまりにもバカバカしいのが天どん師らしい。

ここで一回仲入り。
あんまり興味はないけど呪物として圓丈師のメガネの写真を撮っておく。
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RICOH GRII

ごはんつぶさん、中学時代はバレーボールに打ち込んできた女子が高校に入ったのを機に青春がしたいと思っているが、いかんせんルックスが中の中なのでロボット部に入って「オタサーの姫」を目指すというもの。
母親から「『好きなロボットアニメは?』と聞かれたらなんでもいいから『〇〇の初期』と答えなさい」とアドバイスされるのがおかしい。「オタクにはとにかく『初期』って言っときゃいいの」という暴論。そうなん?
新作だとどうしてもついて回る問題だと思うが、世相を反映したネタだとどうしても「ちょっと古い」感が出てしまうのが難しいところなんだろうと思う。「オタサーの姫」って1〜2年くらい前の話題っぽい気がする。いっそもっと後になれば「そんなのもあったね」というネタになるかもしれないけど。以前白鳥師もそんなようなことを言ってたような。

天どん師の二席めは不条理系? 不死身と言い張る男たちが現れて不死身クラブへ勧誘するという『同じ仲間』。
前にも一度聴いたことがある。
この噺は前半の友人ふたりが「俺は所持金を使い果たしたら死ぬんだ」「お前何言ってんの?」とグダグダやっているところが面白い。なんでそんな発想ができるんだろう。

ここでもう一回仲入り。
独演会で仲入り2回あるって珍しいというか私は多分初めて。

ごはんつぶさん、先週のTOIRO寄席でも同じ構成で二席やっていた。
天どん師が連れてくるのか、ごはんつぶさんが頼んでいるのかはわからないが、天どん師の独演会にはほぼごはんつぶさんもセット。客としてはお得だが、二ツ目になってここまでベッタリな師弟も珍しい。大体師匠から解放されることを喜ぶことが多いので。まあポーズなのかもしれないが。

天どん師の三席めは圓丈師の新作。
圓丈師のあの特徴的な陣羽織を着て登場。胸の紋の位置には狛犬のワッペンが貼られている。
病院から抜け出してきた金持ちの末期ガン患者が、「死ぬまでにこういう遊びをしたい」とタクシー運転手に伝え、カネにあかせていろいろ無茶を言う噺。
ちょっと叙情的で感傷的な感じもある。
やっぱりなんだかんだいってこの人が一番圓丈師のことを好きだったんだろうなあ。個人的には圓生名跡争いをするより(しないだろうけど)、圓丈を継いでほしいかな。

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