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第6回 天にどんと陽が昇る 三遊亭天どん&宮田陽・昇落語漫才落語会 [落語]

第6回 天にどんと陽が昇る 三遊亭天どん&宮田陽・昇落語漫才落語会
於:日本橋 お江戸日本橋亭

オープニングトーク
宝井優星『今昔物語より 間違えられた魂』
三遊亭天どん『ろくろ首』
宮田陽・昇 漫才
宮田陽・昇 落語漫才『お菊の皿』
三遊亭天どん『カベ抜け』

約3年半振りに開催される会。
前回はコロナ禍直前の2019年の年末に開かれ、それ以来だそうだ。私も前回行ったけど、もう全然覚えてないな……。
とはいえ楽しい会だということはわかっているのでもちろん予約。会場が日暮里から日本橋に変更になった。

まずはオープニングトーク。
この3年半の間にお互いに師匠を亡くしたそうで。「天どん師匠も師匠がね、」といわれると「ああ、ウチの小三治ね」とボケる。
陽・昇先生の師匠は江戸売り声の宮田章司なんだ。初めて知った。自宅で亡くなったそうなのだが、その直前におかみさんが「陽・昇呼ぶか?」と聞いたら首を横に振られたらしい。というか弟子は誰も呼ばれなかったとか。ストレート松浦先生も門下だったんだって。
天どん師も圓丈師匠が身罷ろうとしているときの弟子の反応などを。というか圓丈師は北千住の病院にいたそうな。

前座の優星さん、流行病で亡くなった山田郡(やまだごおり)の娘のところに閻魔の使いの鬼が行くのだが、その家に置かれていたお供えを食べてしまい、その恩返しとして娘を死なさずに鵜足郡(うたりごおり)にいる同姓同名の他の娘を閻魔のところに連れて行く。ところが替え玉が閻魔にバレて……というもの。途中でネタを飛ばしそうになったが、なんとかこらえる。これが今日、後々まで影響を及ぼす。

天どん師の一席め、「今日は怪談っぽいテーマということでね、何が一番怖いかってさっき優星くんがネタを飛ばしそうになったところですよ。まだ準備ができてないのにもう俺が出なきゃいけないのかって焦りましたよ」。
「この会場には思い出がありましてね、二ツ目の頃に『大江戸台風族(おおえどタイフーン)』っていうユニットを組んでましてね、主にここで活動してました。調子乗ってCDとか出しましてね、ジャニーズとかに曲を提供している人に作曲を頼んだらお金なくなってここの楽屋で音入れとかしてたんですよ。そのときに鬼丸っていうラジオで悪口をいうっていう仕事をしている人が……この話つまんないですか。皆さん全然興味ないじゃないですか」。そんなことないけどまあ鬼丸師にはあまり……。
天どん師の『ろくろ首』は好きな噺。「さようさよう」「ごもっともごもっとも」「なかなか」の「なかなか」だけいい声になるのがおかしい。
お屋敷の猫と遊んでるときに「猫の顔を両手で包んで耳の後ろの方にグッと引っ張っても猫は意外と嫌がらない」とか「耳を触るとピコピコと耳を動かすが、左右一緒に同じ動きをしない」とかホントの猫好きか猫を飼っていた人じゃないとわからない情報を挟んでくる。天どん師は猫好きなのか。猫と戯れる手付きも割とリアルなんだよなあ。

陽・昇先生は一席めはいつものように秋田ネタから幅広く。陽さんが優星さんの「山田郡」を気に入ったようでそこかしこに挟んできて、昇さんが「味を占めるな」とたしなめるのがおかしい。

二席めの落語漫才はこれまでと同じように昇さんが『お菊の皿』のあらすじを説明していき陽さんが茶々を入れて脱線していくというスタイル。
あまりの陽さんのアドリブに昇さんがネタを飛ばし「ネタが飛んだよ」「山田郡?」「うるせえ!」というやりとりがおかしい。どこからアドリブなのかはわからないけど。

天どん師の『カベ抜け』を高座で聴くのは初めて。CDに入っているのでネタ自体は知っているのだが。
本来は噺に入ってサラリーマンの主人公が「あーあ疲れたー」などといいつつスーツを脱ぐ仕草と一緒に羽織を脱ぐのだが、マクラで羽織を脱いでしまっており、「あー間違えたなあー。ネタ飛ばしたりするとうつるんだよ……」などとブツブツ。ただ誰かが間違えるとみんな間違えるというのは噺家あるあるらしく、以前兼好師も似たようなことを言っていた。
事故死した幽霊が呪う相手を間違えて主人公のところに来たというところで「山田郡? あの噺聞いたときに完全につくなーと思ったんだよ」とボヤく。なんかみんな優星さんに引っ張られているのがおかしい。もう若手というより中堅の二組なのに。
幽霊が登場するときに両膝立ちになって足をバタ足のように動かしてドロロロロ……とうすどろのように鳴らす「足うすどろ」がおかしい。「前座さんにうすどろを頼むのを忘れた」そうだが、こっちのほうが面白くていいんじゃないかなあ。

これまで3回行ったが、毎回ハズレのないコスパの高い会。年一とかじゃなく、もっと頻繁にやってほしいなあ。
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