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人形町噺し問屋 その102 [落語]

人形町噺し問屋 その102
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭げんき『九日十日』
三遊亭けろよん『孝行糖』
三遊亭兼好『もぐら泥』
コント青年団 コント
三遊亭兼好『寝床』

代休。
朝起きて猫にご飯をあげてトイレ掃除をしたら二度寝。家の掃除でもしようと思っていたのであまり遅くならないうちに起きようと思っていたのだが12時すぎまで寝てしまう。
仕方ないので昼飯を食べに岩本町まで。平日しかやってないランチ行ってみたかったんだよねー。海鮮丼目当てだったのだが売り切れていたため焼魚定食に刺し身を追加し更にビール。美味しい。次有給とか代休取ったときは早めに来よう。
そのまま日本橋から神田をぶらぶらしてもうちょっとアルコールを追加摂取。
いっぺんうちに帰って1時間ほど昼寝して人形町に。やべえホント寝て食って飲んで落語のみ。いや休日の過ごし方としては最高だけれども。まあいいか、平日にのんびり昼酒飲んで昼寝とか贅沢な使い方だ。
つか岩本町と人形町って結構近いんだよな。とはいえさすがに開演時間まで飲んでたら絶対寝てしまうしなあ。

まずはご挨拶。今日は梅雨入りしたにも関わらずそれほど気温も上がらずよかったですねと天気の話から。「私は湿気がダメで。でも川に挟まれているところに住んでるんで、窓を開けるとジワッと湿気がわかるほど。で、昔祖母がいっていたんですが、線香を焚くと湿気が減るとか……ホントかどうかはわかりませんよ。それでこないだ仕事でいったお寺のご住職にいただいた線香があったので焚いてみようかと思って。ただ私、お線香の匂いを嗅ぐとくしゃみが出るんです。いつもお通夜とか告別式に出ると帰りの駅についたあたりでくしゃみが出る。それをご住職にいったら、その住職は博識な方で、それはニセモノだからだっていうんです。ニセモノというと言葉は悪いですが、最近のお線香は香料、つまり化学物質が使われてるんですって。だから化学物質が着物についてそれに反応してるんじゃないか、と。ご住職にいただいたお線香は本物だからくしゃみは出ないはずだというんです。確かにそのお寺ではくしゃみが出なかった。それでいただいたお線香を焚いてみたら、そんなに匂いは強くないんです。でもすごく爽やかでくしゃみも出ない。そこで私は気づいた。これはご住職のメッセージなのではないかと……。そのお寺のお仕事は毎年あるんですが、お客の年齢層は毎年どんどん上がっていく。そうすると反応がどんどん落ちていくんです。だから私もどんどん大げさになってクサくクサくなる。だからこれはご住職の『お前クサいぞ』いうことを伝えたいのではないのかと……」。まさかまさか。「宮治くんや伯山にも教えてあげよう」。
「でも匂いの記憶というのは強烈ですからね、見た聞いただけでは思い出さなくても匂いと一緒だと昔のことでもすぐに思い出す。だから最近の子どもは大変なんでそうですよ、ずっとマスクをしていたから子どもの頃の匂いの記憶がないんですって」。匂いからのフラッシュバックは強烈だからなあ。一種のノスタルジーの扉が減るのはかわいそうではある。
「でも最近のいちばん大変な子どもといえばあの醤油差しを舐めた少年でしょうね」。ん? 「6700万ですか、ちょっと数分ふざけただけでそんな額を背負ってしまった。彼の親も大変でしょうね。家や車を売ったところで一気には返せないでしょう。彼もこれから働いて返さなきゃならないですが、どこも雇ってくれないでしょう。そしたらスシローで働くしかないんじゃないですか。で、毎月給料から天引きする」。……スシローにメリットはなさそうですけど……。「あとは講演とかいいんじゃないですかね」。んんん? 「だってノーベル化学賞ととったおじさんとか、イチロー松井とか、成功者の話を聞きたいですか? それに聞いたところでどうにかなります? ならないでしょ!? でも彼はどうですか。あなたがたも、もしかしたら子どもや孫なんかも彼と同じようなことを起こさないとも限らないわけです。だとしたら聞いてみたいと思いませんか」。そういわれると確かに。
「それに講演て儲かるんですよ。五代目の圓楽師匠が寄席若竹を潰して借金が何億ってあったんです。落語だとギャラはどんなに高くても『遊興費』なので数十万ですが、企業で講演会となると天井知らずなんです。圓楽師匠はこれで借金を返した。……鞄持ちをしていた六代目の圓楽師匠に『講演て何を話してたんですか』って聞いたら、スーツ着てネクタイして『(ガラッと戸を開けて)こんつわ』ってやってたそうですけど。まあでも講演となるとだいたい90分間話さなきゃならない。となると私が話し方の指導をして、私にもなにがしか……」と黒い笑み。
「そうすると話芸に目覚めて『弟子入りさせてください!』なんてくるかもしれないですね。そしたら高座名は『三遊亭スシロー』でしょうねえ。『兼』も『好』もないけど……。でも上に『げんき』がいるんですよね。元気寿司……。そしたらけろよんは『かっぱ』に改名させます」。

げんきさん、先月はほんの小咄でせいぜい2~3分だったが今日は一応演目名のついている噺を。まだまだ固いのは仕方がない。

けろよんさん、「先月から前座二人体制ということになっているのですが大丈夫でしょうか」と若干先輩風?を吹かせる。
前座で『孝行糖』って珍しい気が。もちろん兼好師の型なのだが、売り声の二十四孝のところはカットされていた。確かにあそこなくても話は通じるしなあ。

兼好師の一席め、「こないだのオリンピックのコインというのがあるそうですが、普通のコインなのね。どうせなら小判にすればよかったんですよね。そうすれば『お主も悪よのう』ごっこができたのに」。近いことはやってたんだろうなあ。
「それと近畿日本ツーリストも逮捕者が出ましたね。これからは学校の修学旅行とかの業者としても外されて大変でしょうね。まあ便乗してツアーとか組めばいいんじゃないですか。四国から長野までのツアーとか。……『高知(拘置)から木曽(起訴)まで』とか」。上手い。
『もぐら泥』を兼好師で聴くのは初めて。
そろばんが合わないと苦悩しているダンナに比べ、女房はあくびをしながら「もう寝ましょうよ」といたって呑気。「お前この銭函の中から使っちゃいねえか」といわれ、「あっ」という顔をしながら行商人がきた場面を再現していくのが兼好師らしい手法。
泥棒を捕まえるときはだいたいがダンナ主導で女房は「怖いからやめましょうよ」というスタンスなのだが、兼好師のは逆。女房が「アタシが紐で縛るからお前さん腕掴んで」と主導権を握るのがこれまたいかにも兼好師らしい。
泥棒から脅されようが泣き落としをされようがまったく動じず、「俺ぁこの腕を切り離してでもおめえらに仕返しするぜ」と凄まれても「お前さん出刃包丁持ってきて」と返す始末。泥棒が「ウソですーおかみさんすっごい怖い」と泣き出すのがたまらなくおかしい。ダンナが「じゃあそういうことだからよ」と声を掛けたときに出た「アナタとは友だちになれそうな気がする」という一言も最高。

コント青年団は刑務所から出所してきたヤクザが道路工事のガードマンをしている兄貴分とやりとりをするネタ。いろいろ世相を反映していそう。どこからが台本でどこからがアドリブなのか。

兼好師の二席め、最近はなんでもパワハラになるというところから落語の中でもパワハラ色の強い『寝床』に。
これもまた重蔵が一軒ずつ丁寧に会話を再現していく。提灯屋が「注文が一束入ったんだよ。いや、張るのはなんとかなるんだが、文字を入れなきゃならねえ。『憂鬱』の『鬱』って字。だから間に合わないと思うよ、ごめんね」という理由がおかしい。
毎回言っていることだが、癇癪を起こした旦那の機嫌を取っているときの旦那の口角の上がり方などは実に素晴らしい。あのちょっとした表情の変化だけでこれだけ笑わせるのは本当にすごいと思う。クサいだなんてまるでまるで。

飲んで食って寝て面白い落語聴いて。今週ももう少し頑張れるかな。
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