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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年9月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年9月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『元犬』
林家扇『ぞろぞろ』
三遊亭兼好『藁人形』
三遊亭兼好『時そば』

微妙な空模様。
天気予報では雨降らないと出ていたために、すっかりバイクで行く予定で時間繰りをしており今から電車行ったら間に合わない。
仕方ないので小雨の降る中バイクで会場に向かう。話が違うじゃないか。

しゅりけんさん、プログラムにはじゃんけんさんと出ており、今日は急遽だったらしい。「悲喜こもごもあるでしょうが」ってなんか言葉の使い方がおかしい。
出番は本当に急遽だったらしく、なんか噺もどことなくぎこちないというか思い出し思い出しやっているような感じ。
と思ってたらご隠居の家で「鉄瓶がちんちん」のところで完全にホワイトアウト。ここまで見事な絶句も珍しい、というくらいストーンと止まった。それでも(本心はどうかわからないが)あまり焦ってるようにも見えず、会場の空気もなんだか暖かい。しゅりけんさんのフラなのか。

一席終わって袖に引っ込み、めくりを持ってくる。めくりには兼好師の名前が出ており、さっき「私の後に二ツ目さんが出て、その後に師匠」って言ってなかったっけ? と思っていたら何事もなかったかのように引っ込める。そして出囃子も鳴らずに無音。
いろいろテンパりすぎだろ、と思っていたら扇さんが登場。どうやらCDが壊れたっぽい。

兼好師と扇さんというのも珍しい組み合わせ。「諸事情ありまして『出ていったら』と言われまして」とのことだが、稽古をつけてもらいにきてたのかな。今までそのパターンで何人かこの会に出てるし。
「……皆さん、何を言いたいのかわかってます。(頭を指して)これでしょう。でも18の頃から20代の半ばの女性としていちばんキラキラした時代を穴蔵のような埃っぽい楽屋ですっぴんで過ごしてきたので、その反動なんです。髪があるうちはいろんな色に染めてみたいなと思って」とのこと。18からかあ。確かに女流で10代からというのは珍しいかも。
でもねー、俺の頭が固いんだろうけど、そのルックスだとなんか噺が頭に入らないんだよなあ……。頭に浮かぶイメージと目から入ってくる情報がうまく融合しないというか。いっそ新作の方が合いそう。

兼好師、先日久しぶりに扇さんと会ったときにすぐにはそれとわからず、じゃんけんさんかしゅりけんさんがそういうお店で借金をして師匠に取り立てにきたのかと思った、とのこと。
「彼女は木久扇師匠の弟子というハンデを背負ってる」とさらりと毒を吐き、「前座仕事というのはお茶汲みにしろ着物を畳むにしろ、女性の方が上手いんです。だから前座時代は重宝されるんですが、その分二ツ目に昇進すると仕事が激減する。そこにいくと男は気の利かないのは前座の頃から使われないのであまり二ツ目になってからの差がない。だから彼女はいまあ大変なときだと思いますよ。ぴっかり☆でなし、一花でもなし、かといってこみちでもないという」。確かになあ。
そんな女性たちの苦労の話から怖い女が出てくる『藁人形』に。兼好師では珍しく、正統派の滑稽噺ではない。『藁人形』は扇辰師でしか聴いたことがないなあ。
おくまが西念を騙すのは同じだが、扇辰師は女郎仲間と賭けで騙したのに対し、兼好師のはストレートに「ああいうのが以外にお金を持ってるんだ」と巻き上げる。……どっちもタチ悪いなあ……。
途中で「さあこうなると暖簾に腕押し糠に釘、まったく反応がない」のようにさらっとサゲの下準備というか仕込みを入れていてこういうところが上手いと思う。

二席めは「そんなに暗くて長い噺は演りません」と江戸で蕎麦が流行った来歴から『時そば』に。
二日めの蕎麦屋のうどんより太いそばをたぐるときの「どぽぽぽぽぽ」という音がなんとも言えない。
予告どおりさらっとやってドンとウケて終わり。
これだけメジャーで誰もが知る噺を、これだけ毎回毎回爆笑させられるというのは見事だと思う。
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