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人形町噺し問屋 その八十 夜の番組 [落語]

人形町噺し問屋 その八十 夜の番組
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭じゃんけん『西行鼓ヶ滝』
三遊亭兼好『兵庫舟』
林家花 紙切り
三遊亭兼好『小間物屋政談』

まずはご挨拶。
やはり日大タックル問題は時事ネタとして出てくる。
日大の学生には同情を示しつつも、「でもやはり一番悪いのはそれをやってしまった本人で、監督やコーチに何を言われようが思いとどまることはできたんじゃないか」と厳しい意見。「ただ、我々も完全な縦型社会なので、上に逆らえないというのはわかる。私だってもし師匠に『根岸を潰してこい』と言われたら三平兄さんにタックルくらいする」とのこと。姉ちゃんの方ならいいんじゃないですかね。
昨日「落語教育委員会」で喬太郎師と一緒だったそうで、楽屋入りした際にいきなり「コーチに似てるよね」と言われたらしい。あーーー、メガネかけて険しい顔したら似てるかも。
で、喬太郎師は監督に似てる、と。うん俺もずっと思ってた。やっぱりみんな思ってたんだな。
「じゃあコントでやるしかないな」と教育委員会恒例のコントをほぼ稽古なしでやったそうだ。出来としては「完全に出オチ」だったそう。
また、荷物の少ない仕事の時用にリュックを購入したそうな。ただ、普段から和服の兼好師なので、それに似合う柄を探していたそうで、唐草模様のリュックを見つけたときは「これだ!」と衝動買いしたのはいいが、唐草模様は目立ちすぎて大失敗だったという。昔は唐草模様が流行っていたので逆に目立たず、そのため泥棒のトレードマークになったとか。しかし現在では周りに誰もいないので目立って仕方がないようで、最近新宿末広亭の仕事の帰りにひと目でそれと分かる女装おじさんにすれ違いざま「泥棒みたい」と笑われたそうだ。「あなたにだけは笑われたくない!」と大層憤慨のご様子。
いつにも増して濃い、約30分ものご挨拶だった。

じゃんけんさん、順調にネタを増やしているようで。
『鼓ヶ滝』では噺の最初に主人公が西行だと紹介するパターンと、終盤になって実は主人公は西行でしたというパターンがあるが、じゃんけんさんは後者。
個人的には最初に西行だと言ってしまうほうが好きかな。そちらの方が「歌の名人」といわれた西行なのに、という葛藤や、それでも他人の手直しを受け入れるという度量の大きさを感じられる。主人公が誰だかわからないと、単に和歌が趣味の人、としか思えなくなるし。

兼好師の一席めの『兵庫舟』はかなり久しぶり。過去ログを見ると6年以上聴いていなかったようだ。
サメに囲まれた舟の中で、場を仕切っている江戸っ子の軽薄っぷりが楽しい。
しかしあのメチャクチャな講談、普通の講談を覚えるよりも難しそう。ストーリーとかなんにもないし。
海中のサメの様子もおかしい。仕草として頭の上に手を立てたり(サメのヒレ?)鼻の前に手を出したり(カジキ?はマグロか)。コブシをこめかみのあたりに当てて「ハンマーヘッドシャーク」というのがバカバカしくておかしい。

花さん、舞妓、帆掛け船、招き猫、おじさんの顔。
中でも帆掛け船は苦戦していたようで、切りながら途方に暮れた様子。眉間にシワが寄っている。

兼好師の二席めの『小間物屋政談』も久しぶりでこちらは3年ぶりくらい。
大家さんが早とちりで強引なところは相変わらずだが、さらに「いつの間にか自分語りをしだす」という性格まで付け加えられていた。噺で聴く分には「明るくて楽しい人」で済むが、実際に周りにいたらたまらないだろうなー……。でも兼好師の語り口のためか、そういうことをまるで感じさせない。
大岡越前に「死んでしまえ」と言われて「へい、ありがとうございます……え?」と問い返す間がおかしい。いつもの兼好師の手口というかテクニックで、くるとわかっていつつもやっぱり笑ってしまう。
しかしいつも思うんだが、最後の若狭屋甚兵衛の後家さんの方が元のかみさんのお時よりも美人で……というくだり、なんか周りに振り回されただけのお時はいい面の皮だよなあと思う。実はこの噺の一番気の毒なのってお時なんじゃなかろうか。
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