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お宝三席 兼好独演会 [落語]

お宝三席 兼好独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭兼好『厄払い』
三遊亭じゃんけん『真田小僧』
三遊亭兼好『千早振る』
三遊亭兼好『うどん屋』

千寿青葉中から一度帰ってから中野に。
今日は午前中に病院行って午後千住の中学校で兼好師の落語聴いてその後歯医者行って夜は中野、という過密スケジュール。

三席ということで、いきなり兼好師から。
トランプ氏の大統領就任式に触れる。支持率が最低であること、パレード中にもデモが行われていること、支持者だった人たちまで就任式に半分くらいきてないことを挙げ、「あれは心臓に毛が生えてるくらいじゃ足りないでしょう。たとえば私がこの会場にくるまでの間に『我々は兼好の落語を認めない!』なんて声を上げられて、会場のお客さんの半分が敵で、弟子もひとりきていないとなったら、泣いて帰るでしょ……まあ今日は本当に弟子がひとりしかきていないんですが」。
「あんなに差別的な内容で大丈夫なんですかねえ。その点落語はたとえば与太郎なんてのが出てきますが、特に差別されたりせずに溶け込んでいる」と噺に入る。
噺の『厄払い』はすごく久しぶり。
導入部では『かぼちゃ屋』か『道具屋』か……と思っていたら、一番大穴がきた。
兼好師の与太郎は本当に楽しそうに生きていて、羨ましくなる。
伯父さんから、豆をもらっても食べちゃいけないと教えられ、「(与)知ってる、豆腐屋持っていくんだろ」「(伯)炒った豆なんか豆腐屋に持ってってどうすんだ」「(与)焼き豆腐になる」「(伯)婆さん感心するんじゃない」なんてくすぐりもおかしい。

師匠のあとのじゃんけんさん、やり辛そうだなあ。
今日はけん玉さんが別の仕事があるそうで、ひとりで20分の持ち時間をもらったとのこと。
とはいえ20分の噺はまだ持っていないのでマクラの修行をさせてください、と断ってからマクラを振る。
天然だと評判で、兼好師も何度かマクラにされていたご母堂について。エピソード的には面白いと思うんだけど、イマイチ受けず。なんでだろうなあ。
間とかタメ方とかなんだろうけど、こちらが「こうくるだろう」と思っている予想となんか違うのですかされた感があってドンと笑えない。
噺に入ってもそれを引きずってしまっているのか、どうにも客席が冷えていくのがわかる。
で、それをじゃんけんさんが一番わかっているのだろう、それをどうにかしようと焦りが出てしまい、それが今度は客席にも伝わって、より笑えなくなってしまうという悪循環にハマってしまったようだ。
まあこれは二ツ目や真打でもたまに陥っていることなのでどうしようもないとは思うが……。
なんだろう、我々は兼好ファンなのだから基本的にはじゃんけんさんの味方なわけで。変に「笑わせてやろう」と気負わないで自然体のほうがいいと思うのだけれど。
終演後もだいぶ凹んでいたようだ。頑張れ。

そのまま兼好師の二席め。
『千早振る』は聴いたことはあるはずだけど、だいぶ以前で、もしかしたら二ツ目時代かもしれない。
あとで兼好師に聞いたところによると、正月ぐらいしか演らないのだそうだ。
八っつぁんが百人一首の説明をするときに、「娘達が博打を始めた」と勘違いしているところがおかしい。
対する先生もケレン味たっぷり。濃いなあ。

三席め、風邪のマクラが昼間と同じだったため、また『紋三郎稲荷』か? とも思ったが、さすが「都内では同じ噺は一月はしない」という兼好師、「昔は風邪を引いたらうどんを食べた」と『うどん屋』に。寒い夜にぴったりの一席。
「なーべやーきうどーーん」という売り声も朗々と。
鍋焼きうどんの小さい土鍋が見えるよう。
うどんを啜るドゥリュドゥリュ音もリアル。あれも外国人が聞いたら「ヌーハラ」とかいうのかなあ。
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