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三遊亭遊馬独演会 2016年12月4日 [落語]

三遊亭遊馬独演会 2016年12月4日
於:国立演芸場

三遊亭遊馬『あたま山』『味噌蔵』『片棒』

今回の独演会は「赤螺屋吝嗇兵衛一代記」という趣向。
普段の寄席なら並ぶどころか同じ日にはやらないであろう演目を並べている。

緞帳が上がると舞台の上手に三味線がふたり、清元のお師匠がふたり控えている。高座にはもちろん遊馬師。
『あたま山』には滑稽長唄として演目があるらしく、それを落語の『あたま山』と合わせるという。
これまで独演会では必ずハメ物が入っていたが、今回ついに音源を舞台に上げてきた。
流石にこれは初めて見る趣向だ。
噺が進んでいくと三味線が鳴り、清元の師匠とともに遊馬師も唄う。これはなんというか、ミュージカル落語だ。究斗師が演ってるのとは別の、純和風ミュージカル。
残念なのは国立演芸場は音響が悪い! まあもともと音楽は頭になかったんだろうが、三味線が目立って唄が聞き取りづらい。せっかくの趣向、もっとじっくりと聴きたかったなあ。

『あたま山』は吝嗇兵衛さんの夢で、そこから一念発起して店を構えて大きくしたという流れになって『味噌蔵』に。
これはもうとにかく甚助の「どがちゃかどがちゃか」とはしゃぐ様子が楽しい。

三席めはさらに年をとって老境に達して『片棒』。
ということはあの金をばらまく弔いをする金太郎が『味噌蔵』のときに生まれた子か。さすが生まれたときにどんちゃん騒ぎをされただけに弔いの案も派手だ。
で、先日聴いた扇辰師ほどではないが、遊馬師も三男のくだりはごくごくあっさり。「親こうこ」くらいですぐにサゲに行く。やっぱりこの噺は次男のお祭り騒ぎがメインなんだな。

そして『片棒』の下げの後に少しだけ暗転してオマケの噺に。
先日の「遊馬百席」ではここが『死ぬなら今』だった。それだと「これから『死ぬなら今』という噺をします」という仕込みをしなければならないのだが、そこがどうしても『片棒』とつながらなかったようで、仕込みをカット。するとやはりどうしてもオチが弱くなってしまったように思う。
今日はオチを変えて地獄行きが決まった吝嗇兵衛の小噺で幕。終わり方としてはたしかにこちらのほうがきれいだけど、『死ぬなら今』も聴きたかったなあ。暗転したならうまく仕込みを入れられるような気もするけど。

しかし前回の甚五郎噺、今回の吝嗇兵衛噺と登場人物のひとりにスポットをあてるというのも面白い。
次は誰だろう。『お見立て』『五人廻し』『お直し』あたりで喜瀬川一代記とか。
『お見立て』も『五人廻し』もほとんど喜瀬川本人は出てこないけど。
タグ:三遊亭遊馬
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