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深川噺し問屋 その7 [落語]

深川噺し問屋 その7
於:清澄白河 深川江戸資料館小劇場

三遊亭兼好 あいさつ
三遊亭じゃんけん『元犬』
三遊亭兼好『ちりとてちん』
神田春陽『楠泣男さん』
三遊亭兼好『佃祭』

ギリギリの予約、というかキャンセル待ちを入れたため、今回も補助席。最後列でも表情が見えるから問題なし。

恒例のご挨拶。
今日は長襦袢を忘れてしまい、おかみさんが途中の駅まで持ってきてくれるので、けん玉さんが受け取りに行っているそうだ。
円楽師の不倫問題に触れ、不倫自体については「もういいでしょ、あれだけカッコいい人なんだからそりゃモテますよ」としながらも、「なぜ銀座で食事しておきながらわざわざ錦糸町まで行ったのかわからない」とやはり錦糸町には触れずにはいられないようだ。
喜多八師の逝去にも触れ、『鈴ヶ森』や『やかんなめ』など、今の形にして面白くしたのが喜多八師であり、噺家で稽古をつけてもらわなかった人はいないのではないかと惜しむ。
兼好師の自慢は、その喜多八師に稽古を「つけた」ことがあることだそうだ。稽古をつけるとはいえ、喜多八師相手にいつも弟子に対してするような態度で行うわけにもいかず、一所懸命にやっていたらいつの間にか「ここはこうした方がいいんじゃねえか」などと直されたらしい。
心残りはその噺を喜多八師が掛けたのを聴くことができなかったことだそうだ。何の噺かなあ。『館林』とかかな。
喜多八師、5月1日に聴いたばかりだったのに、まさかその2週間後に亡くなるなんて。本当に悲しい。

さて、高座に上がったのは二番弟子のじゃんけんさん。「たった今、長襦袢が届きました!」との報告から。
じゃんけんさんの落語を聴くのは初めて。
達者というか場慣れしてるというか。けん玉さんとはまた違ったタイプ。
しかし初高座からまだ間もないだろうに、そこで師匠の十八番を掛ける度胸はすごい。

兼好師の一席め、そういえば兼好師の『ちりとてちん』は初めてかも。
最初の愛想のいい男のヨイショ加減が絶妙。「ヨイショしてる」ということがわかりながらも大袈裟すぎず、リアクションも大きすぎない。わざとらしさの中にあざとさを感じさせず、なんとも絶妙なバランスが素晴らしい。ホント上手いなあ。
知ったかぶりの六さんも、灘の生一本を飲むときには灘、鯛を食べるときには明石、鰻を食べるときには四万十川に住んでたと言い張り、どことなくかわいげがある。
ちりとてちんを食べるときの鼻を摘んだ声は大げさで楽しい。

春陽先生、楠木正成が戦の前に一芸に秀でた者をどんどん召し抱えるとし、そこに「誰でも泣かせてみせる」という特技を持った男が現れる、という噺。
なら泣かせてみろ、と実演を求める面接官の名前が「けんこう」というのだが……。多分サービスのつもりか「けんこう」を連呼するのだが、無骨なむくつけき男として出てくるその人物と、小柄な兼好師とが結びつかなくてどうにも画が浮かんでこない。

兼好師二席めの『佃祭』は久しぶり。
終い船がひっくり返ったと大騒ぎになっている次郎兵衛さんのお店での騒動がおかしい。
特に次郎兵衛さんに仲人をしてもらったという男が、最初は鳴き声だったのに次第に女房の惚気話を楽しそうにしていくのがたまらない。しかもそれだけでたっぷり5分はやっていたのではないだろうか。腹抱えて笑った。
通夜がお祝いに変わった席で、与太郎が持ってきた早桶を糊屋の婆さんに「持ってく?」と聞いてサゲ。梨の云々という本来のオチはバッサリとカットされていた。まあ確かにそこの場面はまるごとわかりづらいし、おめでたい雰囲気のまま終わったほうがいいのかもしれない。

次回からは人形町の日本公会堂に移動。会場費の都合により木戸銭が2500円にアップとのこと。
ここ数ヶ月は仕事がさほど忙しくなかったからこれたけど、そろそろまた忙しくなるし平日来れるかなあ……。
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