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新ニッポンの話芸特別篇 円楽党最強タッグ 三遊亭萬橘エースを狙え! [落語]

新ニッポンの話芸特別篇 円楽党最強タッグ 三遊亭萬橘エースを狙え!
於:下北沢 北沢タウンホール

三遊亭まん坊『味噌豆』
三遊亭萬橘『たらちね』
三遊亭兼好『アロエヨーグルト』
三遊亭萬橘『大工調べ』
アフタートーク

ほんの少しだけ会社を早上がりして会場へ。
それにしても思い切った、かつこれ以上ない的確なタイトルをつけたものだ。
つまりこれだけ落語を聴いてきた広瀬和生氏からしても、円楽党には兼好萬橘のふたりしか「エース」と呼び得る人材がいない、ということなんだろう。わかるわー。

萬橘師の一番弟子のまん坊さん、小咄として『九日十日』、それに続いて『味噌豆』。
顔小せえー。今どきの若者っすなあ。
豆を食べる仕草などは慣れてる様子。とはいえまだまだ固さがあって初々しい感じ。頑張れ。

萬橘師の一席め、いつもの「新ニッポンの話芸」ではこしら師や馬るこさんが舞台袖で「面白い噺お願いします」など、プレッシャーをかけてくるのでやりづらいという。今日はふたりがいないからやりやすいかと思ったら楽屋で兼好師に「君の独演会だから。私はゲストだから軽い噺やるから。頼むよ」と言われたとか。「言われる場所が違うだけでプレッシャーをかけられるのは同じだったよ」とボヤきまくり。
その他にも兼好師と一緒に北海道へ仕事行った際のエピソードなどを。あまり萬橘師が兼好師について語ってるところを聞いたことがないので興味深い。
先日「新ニッポンの話芸ポッドキャスト」でその話題について萬橘師が話しかかってるのに、こしら師がいちいち茶々入れて話の腰を折りまくって結局ほとんど聞けなかった。改めて聞けてよかった。つーかあのポッドキャストこしらマジで黙って欲しい。休業から復帰した直後はいろいろ周りに気を使っていて面白かったんだけど、最近ホントひどい。人の話をインターセプトして自分の話に強引に持って行こうとするし。
閑話休題。
萬橘師の『たらちね』は大筋こそ普通のものと同じだが、細部はまったく違う。
なんというか、噺のパーツを一回バラバラにしておいて、改めて組み直した感じ。
だから聞き覚えのあるフレーズは出てくるけど出てくる場面や意味合いが違っていてそれが楽しい。

兼好師、高座に上がって「萬橘さんの二席めはもっと面白いですから」とプレッシャーをかけ続ける。と、「やりにくいよ!」と萬橘師が乱入してくる。「そういうこと言うのやめろ!」という抗議を軽くいなしておいて、「今日の二席めのネタはもう決まっている。あらすじを言いますと、」というところで「やめろ!」と再度乱入。いいようにあしらあわれてんなあ。
ずっと屋久島に行きたいと思っているのだが、なぜか計画を立てていても最終的にはダメになる、という話をマクラに。屋久島の縄文杉のすごさなどを語る。また、人類の叡智を結集して最高の飛行機の翼を作ったが、完成してみたらある植物の葉っぱにそっくりだったという。「植物ってすごいですよねぇ」というが、会場は微妙な空気。「え、あれ? 感心してるの私だけ? え、みなさんもっと驚かないと」というが……何の植物かわからないとなんともいえないかなあ。
で、植物つながりで『アロエヨーグルト』。
アフタートーク時に言っていたが、本来今日は『蛇含草』を掛けるつもりだったという。が、舞台に上がってみたら思ったより暑く(多分『蛇含草』は仕草が派手なので暑い場所では向かないのだろう)、でも植物マクラ振っちゃったしどうしようと思った結果だったとか。家の中の観葉植物たちが会話している噺なのだが、ずっと手を使って各植物を表しているので、余計汗が吹けなくて困ったそうだ。
3〜4年に1回くらいのペースで聴いてるかな。多分3回目。
前回までにはなかったFacebookがネタに入ってるなど、細かなアップデートが加えられているようだ。最終的なオチも若干変わってたっぽい。
しかし植物を手の仕草だけで表現しようというのが面白い。

萬橘師の二席め、中盤以降が通常のものと大きく異なる『大工調べ』。
棟梁が口のきき方をあげつらわれて逆ギレするのではなく、大家に与太郎の仕事をけなされてキレるというのが他とまったく違う。前も書いた気がするが、キレる理由としてはこっちの方が納得がいくし何よリ逆ギレ感が少ない。けど「調べ」の場面には持って行きようがないよなあ。
しかし萬橘師は啖呵のイメージがないので新鮮。

アフタートークは兼好師から見た萬橘師。
「萬橘さんが得なのは、怒った声が面白いこと。普通はいくら噺の中といえども『なにいってやんでぇこの丸太ん棒!』といわれたら『うわっ』と引く。それが笑いになるんですから」。
萬橘師は「これいいこと行っているように見せかけて全然褒めてないですからね」といいつつ、「確かに後輩に小言いっても『またまたー』みたいに思われるんだよなあ」とやや凹み気味。「尊敬されないんだよなあ」とも。それでどうしてもいじられキャラになってしまうとか。
話しているうちになぜか萬橘師の帯がほどけ、どんどん着物がはだけていく。多分天然。ステージ上で帯がほどけた噺家初めて見た。そらいじられるわ……。
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