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古典廻し #2-8 [落語]

古典廻し #2-8
於:西荻窪 一欅庵

オープニングトーク
春風亭一蔵『夏泥』
桂宮治『百川』
桂宮治『皿屋敷(お菊の皿)』
春風亭一蔵『青菜』

今日もバイクで。あー気持ちいいなあー。
会場は築80年以上の古民家。前回来たときは冬だったが、今日は初夏の日差しを浴びて庭もいい感じ。あーDf持ってくればよかったなあ。オールドレンズとの組み合わせで雰囲気のある写真撮れたかもしれなかったのに、なんで気づかないかな俺。

宮治一蔵と似ているといえば似ているこのふたりの二人会、それぞれの会にはよく行っているが、ふたり揃ってというのは初めてかもしれない。お得。
そのふたりが揃ってオープニングトーク。
大きな声で「どーもー!」と声を張り上げる一蔵さんに「お前うるさいよ!」と突っ込む宮治さん。「防音とかない会場なんだから考えろよ……はいどーもー!!!!」とさらに大きな声を出すという茶番。
ふたりは「ほぼ同期」らしく、入門は一蔵さんが10日ほど早かったらしい。が、落協は見習い期間があるのに対して芸協は入門即楽屋入りのために楽屋入りは宮治さんの方が早く、二ツ目の昇進も宮治さんの方が先だったそうだ。
「二ツ目昇進の祝儀をもらった時から(宮治さんのことを)『兄さん』と呼ぶ上下関係が決まった」とは一蔵さんの弁。宮治さんに「お前の作り話リアルすぎる」と抗議が入る。
仲は本当によさそうで、「この後打ち上げに焼肉に行く」と楽しそう。
宮:「お前戸越銀座きてくれよ」
一:「やだよ遠いから」
宮:「きてくれってマジで。わかったカネ払うから」
一:「いやカネは普通に払ってもらうから」
宮:「なんでだよ」
一:「だって兄さんでしょ」
宮:「お前マジふざけんな」
こんな感じ。楽屋か。
で、これから出番を決めるジャンケンをする、勝った方が一、四席めとのことだが、一蔵さんは羽織を着ているものの宮治さんは普段着姿。
会場が「え?」という雰囲気になるも、「見た目に騙されちゃダメよ! これガチですから!」とふたりして主張するものの、ジャンケンは一蔵さんが勝って「うわあ打ち合わせ通り!」とバラす。

さてそんな賑やかなオープニングトークの後にも一蔵さんはマクラをたっぷりと。
娘さんが今落語にハマっているという話など。しかし今高1ってことだから、もし高校卒業して即どこかに入門したら、一蔵さんが二ツ目の間にギリ二ツ目に昇進できるのではないだろうか。親子で落語家というのはよくいるが、大概親は結構な地位の人が多い。が、親子揃って二ツ目というのは聞いたことがないしちょっと面白い。これ一蔵さんしかできないよなあ。
などと愚にもつかないことを考えているうちに『夏泥』に入る。
泥棒に入られた側が低姿勢ながらも「殺してください」と迫るのは一蔵さんでしか聞いたことがない。
これは一蔵さんのオリジナルの工夫なのだろうか。
絡め取られるようにどんどん金を出さざるを得なくなっていく泥棒の姿がおかしい。

宮治さん、いつも通り一席めはマクラをたっぷりと。
落語ブームということで、最近はイケメン若手落語家の特集がよく組まれるという。つーか俺のよく行く二ツ目さん、みんなこの話するな。けれどもその人が取材を受けたという話はとんと聞かない。
で、先日も小痴楽さんとの二人会で取材が入ったのだが、カメラはずっと小痴楽さんばかりを撮っており、トークでふたり並んでいても宮治さんはまったく撮られていないということがありありとわかったという。悔しいので『動物園』を演っているときに「一応」という感じで撮影しているカメラに向かって虎の咆哮などを力演していたらカメラをしまわれてしまったとか。「今日その番組の関係者きてるの知ってるんだからな! どういう教育してるんだTBS!」とテレビ局と番組をバラす。
マクラがかなりたっぷりだったので短めの噺かと思ったら『百川』。
個人的に田舎者の百兵衛のキャラクターは兼好師が一番だと思っているのだが、宮治さんのも捨てがたい。

二席め、今日は裏テーマとして「夏の噺」をかけると一蔵さんと相談していたそうで、「『夏泥』、祭りの季節の噺の『百川』、次の噺も夏の噺で、最後に一蔵さんは『夏の文七元結』をやります」と奇しくも先週一蔵さんが小辰さんに無茶ぶりをしていた『文七元結』を無茶ぶられる。
噺に入る前に都市伝説のメリーさん風の怪談小咄を話し出す。最前列のど真ん中に座っていたのだが、「あ、これいきなり大声出してびっくりさせるやつだ」と見当がついたので身構える。しかし特に大声を張り上げることなくオチに。なーんだ。
と思っていたら、ご隠居が皿屋敷の説明をしているあたりでいきなり「うわあーーーー!」と絶叫。完全に油断していたので大変驚く。すると「そんなに最前列でビクッとしなくたってーーー! うひゃひゃひゃゴメンなさーい!」といじられてしまった。くそっ悔しい。
お菊さんが皿を数える際に白目になりながら唇をフルフルと震わせて「んぃひちまぁああい……んにまはぁあい……」とやるその仕草にも笑わされる。というかあれは卑怯だ。とにかく演者と客の間が近いので仕草がよく見える。

一蔵さんの二席め、あっさり「『文七元結』はやりません」とスルーして『青菜』に。
昨日の兼好師に続いて二日連続で聴く。
一蔵さんの『青菜』で一番の特色といえば、植木屋に振る舞われる建具屋の半公の態度だろう。植木屋が気取って「ご精が出ますな」と言っているのを見て、「なにまたやるの? なんかまた茶番が始まるんだろ? よっしゃあこい!」とノリノリなところ。
おそらく『道灌』やら『新聞記事』などのオウム返しネタと同じ登場人物なのだろう。
何か植木屋がいうごとに毎回楽しそうに「ふたつ言っていい!?」とツッコむ。
オウム返しネタって時々「こいつ応用効かなすぎだろ」とモヤモヤすることがあるが、それさえ含めて笑いにしているところが楽しい。

一蔵さんが終わった後、再び普段着姿に戻った宮治さんが登場。一蔵さんに「お前なんで出てくるんだよ」といわれながらも少しだけアフタートーク。

この「古典廻し シーズン2」も今回で最終回とのこと。トークで「シーズン3やってほしい人?」と聞かれ、全員が挙手。なんといっても会場がいいので、またやってほしいなあ。

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