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この人を聞きたい(第七十三回) 馬石・兼好二人会 [落語]

この人を聞きたい(第七十三回) 馬石・兼好二人会
於:清澄白河 中村学園フェニックスホール

三遊亭けん玉『強情灸』
隅田川馬石『野晒し』
三遊亭兼好『錦の袈裟』
三遊亭兼好『道灌』
隅田川馬石『淀五郎』

駒込からそのまま清澄白河へ移動。
途中昼食に餃子の王将で焼き飯と餃子を食べる。
最近塩分とカロリーを控えめにしてるのだが、両方ガッツリと摂ってしまい少し反省。それにしても家での塩分控えめに慣れてしまうと、外食ってやっぱりしょっぱい。メニューすべてが塩分やカロリー控えめのチェーン店てできないのかな。病後や老人以外でも、健康志向の人たちには受けそうな気がするんだけど。

けん玉さんの『強情灸』は初めて。
多くの人は、話している途中で熱さを感じたように突然動きやセリフが止まるという演出だが、けん玉さんはまずは仕草から。その後顔や口調が変わるという演出で、派手さはないが灸をすえていない右手の指が小刻みに動くのがリアル。

馬石師の一席め、今日は浅草の寄席で出番があったのだが、この会があるために出番を早めにしてもらったらしい。
出番を変わってもらったのが川柳師で、いつも川柳師はバスの時間があるなどに理由で早い時間に上がるのだという。それを知りながらも頼んでみたらOKしてくれたとのことだが、なぜかいつもの出番の時間には楽屋にいたという。
一緒にこみちさんの『元犬』を聴いていたのだが、その中の「おっかさんは横から毛並みがいいのがきたので、ついてっちゃったんです」という場面で、川柳師から「昔は『横浜からカメがきてついてっちゃったんです』ってくすぐりだったんだ」と教えてもらったという。昔、外国人が犬を「Come here」といっていたのを日本人は「カメや」と聞き違え、洋犬のことを「カメ」といっていたそうだ。「そういう面白いことを教えてくれるので、今後は邪険にしないようにします」。そんな扱い?
『野晒し』は細々と他の演者と異なるところが多かった。聴いていて一番珍しいなと感じたのは、隣の釣り人も割とノリノリで八っつぁんに付き合っているところ。
特に「さいさい節」では隣の人も楽しくなっていて、八っつぁんに至っては川に落ちてしまう。全編にわたって明るく陽気な感じ。

兼好師、昔は吉原に町内中で誘い合って出かけていたといい、「今だったらそんなことできませんよね。町内の人に『おう、錦糸町行こうよ』って言えないでしょう」と延々と「町内で誘い合わせて錦糸町に行く話」を演じているのが笑いを誘う。
そこから『錦の袈裟』に。兼好師のはほぼ二年ぶり。
与太郎のお気楽キャラも楽しいが、おかみさんのことを「何でも呑み込むウワバミ女だ」と評する周りもおかしい。
最後の場面で「与太郎、帰るぞ……次の間つきだ。……お前そこで甘納豆食べると噺が変わっちゃうだろ」というくすぐりに爆笑。

二席め、趣味の話で「絵を見るのが好きだが、画家の名前がまったく覚えられない。わかるのはルノアールとドトールの違いくらい」。
馬石師の趣味のマラソンにも触れるが、「ランナーは乳首に絆創膏を貼るんですってね、今度家紋入りの絆創膏をプレゼントしようと思ってます。失礼がなくっていい」。
趣味から道楽の話になり、そこからなんと『道灌』。兼好師は二ツ目時代から聴いているが、『道灌』はさすがに初めて。柳家の前座噺という印象が強く、他ではあまり聴かないというのもあるが。
冒頭のご隠居と八っつぁんのやりとりの部分、これまでけん玉さんを聴いて「兼好師と似てるな」と思っていたが、全然違うな。
「道灌公から徳川様がお城買ったの? 安く買ったでしょうねえ、『家安』っていうくらいだから」という定番のセリフだが、言った八っつぁんがその後に悔やんでガッカリしているのがおかしい。

二席めの馬石師、兼好師の出囃子「さんげさんげ」に触れ、「なんであんな出囃子なんでしょうねえ。お芝居でいえば『切られ与三』で与三と蝙蝠安が出てくるところで……つまり悪人が出るってことでしょ」とニヤリ。
そこから芝居の話となり『淀五郎』に。
長い噺ではあるが、特に中村仲蔵から芝居を教わっている場面などはダレずに聴けた。歌舞伎を見たことはないが、なんとなく画が浮かぶようだ。

二席ずつ二時間半ほどでたっぷり聴けるのはいいのだが、学校のホールで据付型の木の椅子なので尻が痛い……。この会の前の一蔵さんと小達さんの会もパイプ椅子だったから、ダメージの蓄積がすごい。
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