SSブログ

第七回 柳家小太郎・春風亭一蔵二人会 "あラやしき" [落語]

第七回 柳家小太郎・春風亭一蔵二人会 "あラやしき"
於:小石川 こんにゃく閻魔 源覚寺

春風亭一蔵『新聞記事』
柳家小太郎『小言幸兵衛』
柳家小太郎『疝気の虫』
春風亭一蔵『大山詣り』

昨日、兼好師萬橘師が出演するというので、根津で開かれたやねせん亭へ。いつも平日なのだが、今回は祝日だったので楽しみにしていた。
開場時間に会場へ行ってみると、設営されておらず、おけさを踊っている人たちがいる。???どうなってるんだ? 『東京かわら版』を見ても会場も時間も合っている。おっかしーなーと半ばパニクりながら予約時に円左衛門師から送られてきたメールを確認すると、14時半開演となっている。……は? 『東京かわら版』では18時半となっているんですが? おいふざけんなよかわら版。えー何これどうしてくれんの? じゃあ俺ドタキャンしたことになってんの? うわーマジか。俺その時間家で猫撫でながらダラダラテレビで野球見てたわ。うあーこのやり場のない怒りや悲しみをどこに持って行けばいいんだ。楽しみにしていただけにダメージがでかい。

そんな癒されぬ悲しみを抱えたまま春日へ。
ところで春日駅ってのはなんであんなにぐちゃぐちゃな造りなんだろうか。特に大江戸線からは地上へすっと出られない。東京ドーム方面はまだマシなのだが、こんにゃく閻魔の方に出るには数段の階段を上ったり下りたり、通路をぐねぐね曲がったり、ものすごく無駄に歩かされる気がする。よくネットで新宿駅や池袋駅がダンジョンのようだと言われているが、私にとっては春日駅の方がよっぽどダンジョンのように思える。通路の一辺が短くやたら角を曲がらなければならないのでその先がどうなっているのかわからない、店舗もなく左右が壁のみで薄暗い、とにかく外に出たいだけなのにどこまで行っても出口が見つからない……。ものすごい不安感に襲われる。嫌いだわー。
今回もすごく嫌な気分になりながらようやく外に出る。

会場では小太郎さんと一蔵さんがお出迎え。予約しているかも確認せず、「(予約料金の)千円ですー」。いいのかそれで。
今回はゴールデンウィークの最終日にもかかわらず満員。ぎっしりと詰まっており、床が軋んでいる。抜けたりしないかちょっと心配。

最初に一蔵さん。
先日お客さんとふたりでちょっといい鰻屋に行ったところ、そこの中居さんにものすごく不愉快な扱いを受けたとしてその話をマクラに。よっぽど腹が立ったのだろう、目を剥き身振りも大きくまくし立てていた。「この話をしたくて昨日はマクラだけさらってきた」とか。「もうね、今年は毎回このマクラ話します! そんで年末には店の名前も発表します!」らしい。
マクラでは、上野の松坂屋で領収書の宛名の漢字が書けない店員の話も。
『新聞記事』のご隠居はかなりの演技派で、まるで怪談話のように語りすごい緊迫感。八つぁんはご隠居に担がれたことをまったく気がつかずに号泣し、ネタばらし後はご隠居を殴るほど立腹。「まったくふざけやがって! 人の生き死にを冗談にするなんて! 俺もやってみてえな!」と一瞬で考えを変える落差がおかしい。
トリの『大山詣り』は一蔵さんでは初めて。熊さんの乱暴者ぶり傍若無人ぶりが強調されていた。やはりあのキャラクターでこういう人物を演ると迫力がある。登場人物全員ハイテンション。

小太郎さん、一蔵さんの迫力に挟まれているのもあるが、きれいにまとまっている印象。
『小言幸兵衛』ではひとりめの来訪者、豆腐屋の爆発がなかなか。体全体を使って啖呵を切っていた。幸兵衛の小言のキレや妄想、芝居気も楽しい。
『疝気の虫』は私は高座であまり聴いたことがない噺。疝気の虫が蕎麦の香りに誘われて体の中ではしゃいでるさまがすごい。「私は今日これで仕事終わりですのではしゃがせていただきます」という注釈が効いている。
疝気の虫をおびき寄せるために奥さんが旦那に向かって蕎麦を食べて息を吹きかけるところでは「ふうーっ……ゥん」「ふうーっ……馬鹿ん」などとやたら艶かしいのもおかしい。

大ネタや普段あまり聴かない噺が聴けて楽しかった。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0