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第29回三田落語会 夜席 [落語]

第29回三田落語会 夜席
於:三田 仏教伝導センタービル

入船亭ゆう京『のめる』
三遊亭兼好『お見立て』
柳家権太楼『富久』
三遊亭兼好『竹の水仙』
柳家権太楼『茶の湯』

三田落語会は初めて来る。
整理券がどうとか前売りの方式がどうとか、イマイチよくわからないし当日に入れるかどうかもよくわからないので敬遠していたのだが、兼好師が出るなら行かなければ。結局チケットはチケットぴあに入会して購入。プレイガイドってなんだかんだでチケット代以外にいろいろかかるから嫌なんだよなあ……なんだシステム使用料って。いやそれが主な収入源なんだろうってのはわかるんだけどさ。

前座のゆう京さんは相変わらずきれいに演るなあという印象。

兼好師、一席めは食品偽装のマクラから。
曰く、「『これは芝海老じゃない』と見抜いていた人なんていない。どうせ『芝海老美味いね』と言っていたに違いない。しかしどこも騙していたことを素直に謝ったところがなく、言い訳ばっかりなのが気に入らない」とのこと。「その点吉原は『ウチは騙しますよ』と掲げていて、客の方も『よし、騙してみろ』と言っていた」と『お見立て』へ。
わざとらしくお茶を目に塗りたくっている仕草や、喜助のお大尽を騙そうとして演技をしているときと素に戻ったときの温度差がとにかくおかしい。

二席めの『竹の水仙』は兼好師では久しぶりに聴く。
強いおかみさんが、甚五郎にころっと丸め込まれるのが楽しい。これは兼好師独自の演出かな。
甚五郎が一文無しとわかったところで態度がぞんざいになるように演る人も多いが、兼好師はやや態度が砕けるものの客に対して敬意を払っているように演っているので、聴いていて嫌な気分にならないのがいい。
この「聴いていて気分が悪くならない」というのは兼好師の高座の大きな魅力だと思う。『短命』や『熊の皮』のような悪妻ものや、『初天神』や『真田小僧』のような悪童ものの場合、人によってはガチでやり合っていて、聴いていてあまりいい気分ではない。特に噺が上手ければ上手いほど辛くなってしまう。兼好師の場合はやりあっていながらもどこか愛が感じられ、じゃれあっているだけのように聴こえる。それが心地よい。こっちは金払って楽しみに行ってるわけで、落語聴いて嫌な思いはしたくないよねー。

そう考えると権太楼師の一席め、久蔵がお店で酒を呑んでいるのを鳶の頭にたしなめられて逆ギレしているところや、富に当たったのに札がなくて値段交渉をしているところなんかは真に迫り過ぎていて聴いていて苦しい。とはいえやはりここまで聴かせるのはさすが。

二席めは一転、とにかく全編楽しい『茶の湯』。ご隠居と定吉がふたりで腹を下しているところも面白いし、長屋の店子たちを呼んで飲ませるのも面白い。これまたさすがとしか言いようがない。

大ネタがずらっと並び、3時間近い熱演。かなり濃く聴き応えのある会だった。
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